脳シナプスに近い新型人工シナプスがAI(人工知能)をより知的に

研究者の国際チームが、新しいニューラルネットワーク(神経回路網)モデルを使った人工知能システム用の、新型人工シナプスを開発に成功しています。人工神経回路網では、計算システムは、デジタルニューロンとデジタルシナプスが、生物学的なニューロンとシナプスの機能を模写することで、人間の脳機能をエミュレート(摸倣)するようにデザインされています。

100兆個のシナプス

Artificial Synapses Could Lead to Smarter AI

In this context, synapses serve as a gateway for neurons, whether synthetic or biological, to pass information and signals to one another. They’re the connective tissue in both biological and artificial neural networks. It’s estimated that the typical human nervous system contains more than 100 trillion synapses.

この状況において、シナプスは、人工的か生物学的にかかわらず、互いに情報と信号を受け渡しするための、ゲートウェイとしての機能を果たしています。それらは、生物学的・人工的神経回路網双方の結合組織です。一般的な人間の神経システムは、100兆個以上のシナプスを含んでいます。

興奮性・抑制性シナプス

While scientists have had remarkable success with artificial neural networks, contemporary AI systems have been stymied by a specific limitation. In the mammalian brain, synapses can accommodate two types of signals — inhibitory and excitatory — simultaneously. But artificial synapses, made from nanoscopic electronic components, can only process one type of signal at a time. As a result, AI systems can only run at half throttle.

科学者達が、人工ニューラルネットワークで驚くべき成功を収めている一方で、最新の人工知能システム(AIシステム)は、ある特定の制限が障害になっています。哺乳類の脳では、シナプスは、抑制性・興奮性の2種類の信号に同時に対応できます。しかし、ナノスケールの電子部品で作られた人工シナプスは、1度に、1種類の信号しか処理できません。結果として、人工知能システムは、ハーフスロットルでしか実行できませんでした。少なくとも、これまでは。

US and Chinese researchers have developed a synthetic synapse that can handle both kinds of signals, reconfiguring itself on the fly, according to new research published this week in the journal ACS Nano. Funding for the project was provided by the National Science Foundation and the Army Research Office.

ACS Nano誌に掲載された新しい研究によると、アメリカと中国の研究者達が、どちらの種類の信号にも、臨機応変に再構成して対応可能な人工シナプスの開発に成功しています。今回のプロジェクトの資金援助は、米国立科学財団と陸軍研究事務所によって提供されています。

”この新しい人工シナプスは、ソリッドステート人工シナプスデバイスにおいて、以前は不可能だった、同じシナプスが、興奮性モードか抑制性モードのどちらにも再構成することを可能にしてくれています。”と、本研究共著者、南カリフォルニア大学のハン・ワン氏は言いました。 “この新しい機能上の適応性が、ヒトの脳がやっているように、動的再構成可能な、より複雑な人工ニューラルネットワークを可能にするためには重要になっています。”

興奮反応・抑制反応

ハン氏は、ヒトの脳において、興奮反応は、一般的に、脳をより興奮・警戒させていて、その一方で、抑制反応は、脳を、より穏やかかつリラックスさせます。神経系においてはさらに、興奮反応は、筋肉を収縮させ、抑制反応は、筋肉をリラックスさせています。

今回の新しい人工シナプスは、コンピューターシステムにおいて、同じような作用を可能にしています。神経系統が、化学的・電気的信号を処理するのに、生物学的シナプスを使っているように、人工神経回路網は、デジタル情報を処理するのに人工シナプスを使っています。

”人工ニューラルネットワークにおいて、興奮性シグナルは、ネットワーク内の特定接続を強化していて、抑制反応は、そういった接続を弱めています。”と、ワン氏は言いました。

この種の生物学的なエミュレーションは、人工ニューラルネットワークにおける、次世代認知能力の開発には必要不可欠になっています。

”より洗練された神経系統が摸倣可能で、その事が、人工知能システムを、潜在的に、より知能の高い、多目的な存在にしています。”

You’d need a Ph.D or three to really wrap your head around it all, but Wang suggest an automotive metaphor.

この事を完全に理解するには、博士号がいくつか必要ですが、ワン氏は、自動車に関連したメタファー(比喩的表現)を使って分かりやすく説明してくれています。

”それは、1つが自動車のアクセルで、他の1つが、ブレーキのようなもので、その2つが、脳活動(車)の正常な機能と安定性を確実に維持するために協働しています。それは、生物学的な脳が実行可能な事に、より近づいています。”と、ワン氏は言いました。

新型人工シナプスが、人工知能のIQを高めて、機械学習(深層学習、強化学習)をより効率的にすることで、今まで不可能だった事を可能にしてくれるみたいな感じです。脳型コンピュータの将来性は、人工シナプスの性能如何とも言われているだけに、今後が超楽しみです。