非常に痒くて辛いアトピー性皮膚炎は、誰にとっても、本当につらい病気ですが、その憎きアトピーに対するかなり有効な治療法が、どうやら今回開発されたらしく、妊娠中に胎児を保護しているHLA-G1というタンパク質が、この忌まわしいアトピー性皮膚炎と他の関連疾患に対する高い治療可能性を示しているみたいです。
タンパク質HLA-G1
Countering atopic dermatitis immune reactions
Human leukocyte antigen (HLA)-G is a protein that interacts with specific cell receptors to inhibit immune responses. The protein is best known for its role in protecting the fetus from attack by its mother’s immune system. A team of researchers from Hokkaido University in Japan successfully used it to treat mice with an induced form of atopic dermatitis.
ヒト白血球抗原(HLA)-Gは、免疫反応を抑制している、特定の細胞受容体と相互作用しているタンパク質です。このタンパク質は、母親の免疫系の攻撃から胎児を保護する役目を担っていることで最も良く知られています。北海道大学の研究チームは、人工的に誘発されたアトピー性皮膚炎を患ったネズミの治療に成功しています。
アトピー性皮膚炎とは
Atopic dermatitis is a chronic form of eczema commonly seen in developed countries, particularly in children. It occurs as a result of a hypersensitive immune reaction but the exact mechanism is unknown. It causes redness of the skin, itchiness, scaling and vesicles.
アトピー性皮膚炎は、先進国の、特に子供に多く見られる慢性型湿疹です。アトピーは、過敏な免疫応答の結果として生じますが、正確なメカニズムは不明です。それは、皮膚の発赤やかゆみ、落屑(はがれ)、小水疱を引き起こします。
Mice treated with HLA-G1 showed marked improvement of the skin lesions. Blood samples also showed a reduced immune response compared to mice that weren’t treated with HLA-G1. The results suggest that HLA-G1 could improve conditions by suppressing an excessive allergic reaction in the atopic dermatitis model. Importantly, the treated mice didn’t show weight loss, a common side effect in anti-atopic dermatitis treatments. Other experiments showed that HLA-G1’s suppressive function involves the inhibition of lymphocytes that work in allergic reactions.
HLA-G1で処置されたマウスは、皮膚病変の著しい改善を示し、血液サンプルが、HLA-G1で処置されていないマウスと比べ、低い免疫反応を示してもいます。結果が、HLA-G1が、アトピー性皮膚炎モデルにおける、過剰なアレルギー反応を抑制することで、症状を改善することが可能であることを示唆しています。重要なのは、治療を受けたマウスが、抗アトピー性皮膚炎治療の一般的な副作用である、体重減少を示さなかったということです。他の実験が、HLA-G1の抑制機能が、アレルギー反応に関わるリンパ球の抑制に関与している事を示しています。
ネズミを使った実験での効果なので、それがそのまま人間に当てはまるのは分からないみたいですが、人間にも適用できれば、かなり効果的なアトピー性皮膚炎の治療法になることは間違いありません。