リソソーム輸送の障害がアルツハイマー病に関係しているらしい

エール大学医学部の研究者達が、ニューロン内部のリソソーム輸送における障害が、アルツハイマー病を患ったマウスの脳内での、タンパク質凝集体の蓄積を促進していることを発見しています。The Journal of Cell Biology(JCB)に掲載予定の本研究が、リソソーム輸送を修復する方法を開発することが、神経変性障害に対する新しい治療手段になるかもと言っています。

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アミロイド斑

Scientists reveal role for lysosome transport in Alzheimer’s disease progression

Alzheimer’s disease is the sixth leading cause of death in the United States, with over 5 million Americans currently estimated to be living with the disorder. A characteristic feature of the disease is the formation of amyloid plaques inside the brain. The plaques consist of extracellular aggregates of a toxic protein fragment called β-amyloid surrounded by numerous swollen axons, the parts of neurons that conduct electric impulses to other nerve cells.

アルツハイマー病は、アメリカ国内で死因の第6位になっていて、現在、500万人以上のアメリカ人が、この病気を患って暮らしていると推定されています。アルツハイマー病に特有の特徴の1つが、脳内部でのアミロイド斑(老人斑)の形成です。そのプラークは、夥しい数の腫大軸索(他の神経細胞へ電気的刺激を伝えるニューロンの一部)に取り囲まれた、βアミロイドと呼ばれる毒性タンパク質断片の細胞外凝集体で構成されています。

未成熟リソソーム

These axonal swellings are packed with lysosomes, cellular garbage disposal units that degrade old or damaged components of the cell. In neurons, lysosomes are thought to “mature” as they are transported from the ends of axons to the neuronal cell body, gradually acquiring the ability to degrade their cargo. The lysosomes that get stuck and accumulate inside the axonal swellings associated with amyloid plaques fail to properly mature, but how these lysosomes contribute to the development of Alzheimer’s disease is unclear. One possibility is that they promote the buildup of β-amyloid because some of the enzymes that generate β-amyloid by cleaving a protein called amyloid precursor protein (APP) accumulate in the swellings with the immature lysosomes.

こういった軸索腫脹は、古かったり傷付いた細胞コンポーネントを分解する、細胞のごみ処理班であるリソソームがいっぱい詰まっています。ニューロン内のリソソームは、徐々に自身の積荷を分解する能力を獲得し、軸索終末から神経細胞体へ輸送されることで、成熟したと考えられています。アミロイド斑に付随する、軸索腫脹内部で身動きが取れなくなって蓄積されているリソソームは、成熟することができませんが、こうしたリソソームが、アルツハイマー病の発症に寄与する仕組みは分かっていません。1つの考えられる可能性が、アミロイド前駆体タンパク(APP)と呼ばれるタンパク質を切断することによって、β-アミロイドを産生する幾つかの酵素が、未成熟リソソームと共にその腫脹内に蓄積しているので、リソソームが、βアミロイドの蓄積を促進しているというものです。

BACE1とプレセニリン2

Shawn Ferguson and colleagues at Yale University School of Medicine investigated this possibility by impeding the transport of lysosomes in mouse neurons. The researchers found that neurons lacking a protein called JIP3 failed to transport lysosomes from axons to the cell body, leading to the accumulation of lysosomes in axonal swellings similar to those seen in Alzheimer’s disease patients. The swellings also accumulated APP and two enzymes–called BACE1 and presenilin 2–that cleave it to generate β-amyloid. Neurons lacking JIP3 therefore generated increased amounts of β-amyloid.

ショーン・ファーガソン氏とエール大学医学部の彼の同僚等は、この可能性を、マウスニューロン内のリソソーム輸送を阻害することで調査しました。研究者達は、JIP3と呼ばれるタンパク質が欠乏したニューロンが、リソソームを軸索から細胞体へ輸送する事ができずに、アルツハイマー病患者に見られるものに似た、軸索腫脹内でのリソソーム蓄積を引き起こすことを発見しました。その腫脹は、APPと、APPを切断してβアミロイドを産生するBACE1とプレセニリン2と呼ばれる2つの酵素も蓄積していました。従って、JIP3が不足したニューロンは、βアミロイドを増量して作り出していました。

リソソームをきちんと成熟させて、リソソーム輸送障害を防止することが、アルツハイマー病の治療に使えるようになる可能性があるようです。

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