小児肥満症は精神疾患である可能性があるらしい

ロサンジェルス小児病院発達精神研究所所長で主任研究員のブラッドリー・ピーターソン博士を含む研究チームは、スリムな若者達と比べ、太り過ぎの若者達の食物手がかりへの神経反応を詳しく調べるために、fMRI(機能的磁気共鳴映像装置)を使いました。研究チームは、食物刺激が、全ての群の報酬・感情に関わる脳領域を活性化させる事を観測しました。しかし、肥満リスクが高い若者達は、自己制御と注意を司る脳回路の神経活動が漸減していました。

肥満は食い意地だけの問題ではない

Is childhood obesity a psychological disorder?

“This study establishes that risk for obesity isn’t driven exclusively by the absence or presence of urges to eat high-calorie foods, but also, and perhaps most importantly, by the ability to control those urges,” said Peterson, who is also a professor at the Keck School of Medicine at the University of Southern California.

”今回の研究は、肥満のリスクが、高カロリー食品を食べたいという衝動の有無のみによってもたらされるわけではなく、恐らく、最も重要なのが、そういった衝動を制御する能力によっても左右されることを証明しています。”と、南カリフォルニア大学ケック医学校の教授でもあるピーターソン博士は言いました。

アメリカは超肥満大国

The public health implications of childhood obesity are staggering. More than half of all adolescents in the U.S. are either overweight or obese. Children of overweight parents (2/3 of adults in the U.S.) already are or are likely to become overweight. Since excess weight has been linked to a myriad of health issues shown to limit human potential and add to the skyrocketing cost of healthcare, researchers are actively seeking novel approaches to understand better the causes of obesity and alter its trajectory. This study, recently reported in the journal NeuroImage, may offer such an approach.

小児肥満の公衆衛生に及ぼす影響には驚くべきものがあります。アメリカ国内の全ての青少年の過半数が、太り過ぎ(デブ)か肥満のどちらかです。太り過ぎの親(米国内成人の3分の2)を持つ子供達は、既に小太りか、将来的にデブになる可能性が高いです。過剰な体重は、人間の可能性を制限し、医療保険のコストを爆発的に上昇させることが示されている、無数の健康問題に関係していることから、研究者達は、肥満の原因をもっと良く理解して、それの軌道修正をするために、今までにないやり方を積極的に模索しています。NeuroImage誌に最近掲載された今回の研究が、そのような新しいやり方を提供できるかもしれません。

肥満大国アメリカは、病んでいるとしか言えません。その根底には、食費が異常に安いというのがあるわけですが、ワープア世帯に1人当たり約2万円のフードスタンプ(EBTカード)が与えられていて、日本の食費に換算すると、これは月5万円に相当します。それだけアメリカは食料品の価格が安いということです。コストコなんかに行けば、それが実感できますが、自分がアメリカで生活していた時は、ウォールマート系列のSam’s Club(サムズ・クラブ)にはかなりお世話になりました。野菜も果物も肉も牛乳も卵もタダみたいなもんだったし、ファーストフードに行って、バケツみたいな大きさのドリンクカップに無料ドリンクを詰めれば、それだけで飲み物代が浮くし、とにかく、アメリカは、味は別として、食品価格は激安です。現在はどうなっているのか知りませんが、そんなに変わってはいないんじゃないかと思います。

肥満と自己コントロールの因果関係

The investigators observed that after viewing food-related words, brain circuits that support reward and emotion were stimulated in all participants. In adolescents who were obese or who were lean but at high familial risk for obesity, they observed less activation in attention and self-regulation circuits.

研究者達は、食物に関連した言葉を見た後で、報酬と情動を司る脳回路は、全ての参加者で刺激されることを観測しました。肥満、もしくは、スリムではあるが、肥満に対する家族性リスクが高い若者において、研究者達は、注意と自己制御回路が不活発な事を観測しました。

Brain circuits that support attention and self-regulation showed the greatest activation in lean/low-risk adolescents, less activity in lean/high-risk participants and least activation in the overweight/obese group. Also, real world relevance mirrored fMRI findings — food intake at the buffet was greatest in the overweight/obese participants, followed by the lean/high-risk adolescents and lowest in the lean/low-risk group.

注意と自己制御を司る脳回路は、スリム/低リスクの青少年で最大に活性化され、スリム/高リスク参加者で活性が弱まり、太り気味/肥満の集団で最小活性化を示しました。また、実社会との関連性が、fMRIによる発見を反映し、ビュッフェ(バイキング)での食物摂取量は、小太り/肥満参加者達が最も多く、次にスリム/高リスク参加者が続き、スリム/低リスク群が最も少食という結果でした。

結局は自己制御ができないことが肥満の一番の原因のようです。しかし、子供が自己制御能力に劣るのは当然なので、肥満が子供の心理的障害というよりは、問題は親にあることは間違いなさそうです。親が太っていると、その子供も太っているケースが多いことから、子供の肥満を放置する、親の精神構造を疑う必要があり、子供の肥満は親のせいと考えた方がいいのではないでしょうか。高カロリーの食品を食べたいという衝動に打ち勝てない弱い心が肥満の原因であるとしたら、それは、喫煙や他の中毒性の嗜好品を止められない人間達と重なり、止められない止まらないかっぱえびせん♪ではありませんが、人生には、止める(辞める、断る、我慢する)意志の力が必要で、欲望に流されてはダメだということです。

衝動を抑える治療

“These findings suggest that interventions designed to stimulate the self-regulatory system in adolescents may provide a new approach for treating and preventing obesity,” said Peterson.

”これらの発見が、若者達の自己制御系を刺激するようにデザインされた介入治療が、肥満を治療したり未然に防ぐための、新しいアプローチを提供できるかもしれません。”

肥満の子供は、脳に障害があるみたいなので、その障害を治療すれば、肥満も同時に治療できるみたいな感じです。なので、子供の肥満は親だけの問題ではなさそうです。意志だけの力でどうにかなれば人間苦労しないわけで、脳に障害があれば、薬物療法等の、医学的な治療が必要になってきます。こういった治療法が確立されれば、アメリカの肥満エピデミックが解消される可能性があるわけで、衝動を抑制することができれば、肥満だけではなく、全ての中毒性の嗜好品に対する抑制になり、色々なエピデミックで病んでいる、現代アメリカ社会全体の治療になるかもしれません。日本は肥満は少ないですが、喫煙問題を何とかして欲しい物です。