中年期の運動には後年の認知症を予防する働きはなかった

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30年間にわたって、646人の成人たちの活動レベルを追跡調査している、ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院の研究者達を中心に行われた研究が、過去の研究に反し、中年期に行う運動が、後年の認知健全性とは関係していなことを突き止めています。今回の研究で得られた知見は、運動が、認知機能を維持する手助け、もしくは、認知症やアルツハイマー病などの、消耗性疾患の発症を回避ないし遅らせるのに役立たないかもしれない事を示唆しています。アルツハイマー病は、世界中で3000万人もの数の、主に高齢者に影響を与えています。治療法や治療薬が存在しないことから、研究者達は、アルツハイマーの発病を遅らせたり、進行に歯止めをかけるのに役立つかもしれない対策の同定を試みています。

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運動はアルツハイマーの予防にはならない

Physical activity in midlife not linked to cognitive fitness in later years, long-term study shows

The study, which appears online in the Journal of Alzheimer’s Disease, did find that activity levels among study participants in the later years were associated with high cognitive function two years later. This supports earlier research findings that exercise may help to maintain cognitive fitness in the short term.

Journal of Alzheimer’s Diseaseにオンライン掲載されている今回の研究は、研究参加者達の老齢期の活動レベルが、2年後の高い認知機能に関係していることを示しています。これは、運動が短期的には、認知フィットネスの維持に役立つ可能性がある事を示す過去の研究を支持しています。

The researchers undertook the study because of a growing consensus that physical activity levels helps prevent Alzheimer’s, however much of the evidence for this thinking is based on cross-sectional studies that compare responses from one group of participants with another at a given point in time or within a very short duration, typically several years. Such studies can be valuable for confirming associations, or links, but not at establishing actual causation because of what is known as reverse causation: it is possible that people who eventually develop dementia may reduce their physical activity and exercise as dementia advances. That’s where longitudinal studies, which look at the same group of participants over a long time, are more helpful.

研究者達は、身体的活動レベルが、アルツハイマー病を予防する効果があるというコンセンサスの高まりから、今回の研究を実施しているのですが、この考えの根拠のほとんどが、参加者たちの1群からの反応を、任意の時点か、通常は数年の、非常に短い期間内で、他の群の反応と比較する、横断的研究に基づいています。そういった研究は、関係か関連性の裏付けには有益ですが、逆の因果関係として知られているものにより、実際の因果関係の証明には使えません。逆因果とは、認知症を最終的に発症する人達が、認知症の進行と共に、自身の身体活動と運動を減らすという可能性が存在するということです。そこで、同じ参加者集団を長期間にわたって観察する、縦断研究の出番です。

運動しなくなるから、アルツハイマー病が進行するという因果関係に対して、アルツハイマー病が進行するから運動しなくなるというのが、逆の因果関係ということのようです。たとえ、運動がアルツハイマーの予防にはならないとしても、運動が身体に良いことには変わりはないので、生涯学習のように生涯運動も重要です。運動も勉強も、人生の最後までやり続けることが、つまり、継続は力なりを実践することが、人生を豊かにしてくれます。それが人間の本質であるとも言えます。

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