モラルとは何か?何故人によって道徳的判断の度合いが違うのか?

最近の日本人は著しくモラルが劣化したとよく言われますが、そもそもモラルとは何なのか?という疑問があるし、人によって道徳的判断のレベルにかなりの差があることが、人によってモラルの捉え方が全く違うことを示唆しています。例えば、moral hazard(モラルハザード)を考えた場合、交通事故に備えて任意保険に加入する行為はモラル的ですが、そのモラル的な行為が、逆に加入者のモラルを失わせ、結果として、重大事故を起こしやすくしてしまいます。保健に入っているから大丈夫という安心感が、モラル的な人を反モラルにしてしまう可能性があります。

スポンサーリンク

脳機能と向社会行動の関係

High moral reasoning associated with increased activity in the human brain’s reward system

Individuals who have a high level of moral reasoning show increased activity in the brain’s frontostriatal reward system, both during periods of rest and while performing a sequential risk taking and decision making task according to a new study from researchers at the Perelman School of Medicine, the Wharton School of the University of Pennsylvania, Shanghai International Studies University in Shanghai, China and Charité Universitätsmediz in Berlin, Germany. The findings from the study, published this month in Scientific Reports, may help researchers to understand how brain function differs in individuals at different stages of moral reasoning and why some individuals who reach a high level of moral reasoning are more likely to engage in certain “prosocial” behaviors – such as performing community service or giving to charity – based on more advanced principles and ethical rules.

高いレベルの道徳判断ができる人達は、休息中やリスクを取る意思決定中の両方で、脳の線条体報酬系活動の増加を示すことが、ペレルマン医学大学院、ペンシルバニア大学ウォートン校、上海外国語大学、シャリテ医科大学の研究者達による新しい研究が明らかにしています。Scientific Reportsに今月掲載された本研究の結果は、研究者達が、脳機能が、道徳判断の各段階で、人によってどの程度違うのか、何故、高いレベルの道徳的判断ができる一部の人達は、より高度な理念と倫理規則に根差して、社会奉仕や寄付などの、ある種の向社会的行動をする傾向が強いのかを理解するのに役立つかもしれません。

道徳性発達段階理論

The study refers to Lawrence Kohlberg’s stages of moral development theory which proposes that individuals go through different stages of moral reasoning as their cognitive abilities mature. According to the researchers, Kohlberg’s theory implies that individuals at a lower level of moral reasoning are more prone to judge moral issues primarily based on personal interests or adherence to laws and rules, whereas individuals with higher levels of moral reasoning judge moral issues based on deeper principles and shared ideals.

今回の研究は、各個人は、認知能力が発達するにつれ、道徳的判断の各段階を経験することを提唱している、ローレンス・コールバーグ博士の道徳性発達段階理論を参照しています。研究者達は、コールバーグ博士の理論は、道徳判断が低レベルの個人は、主に、個人の利益か法や規則の遵守によって道徳問題を判断する傾向が強いのに対して、道徳的判断の高い個人は、より深い理念と共有の理想に基づいて、倫理的問題を判断することを示唆しています。

人間としてのレベルの低い人間は、常に、個人の利益を優先させるか、例え、その法律や規則が倫理的に悪だったとしても、それを遵守した方が自分の利益にかなうと思えば、法を順守するふりをして自己利益を優先させます。皮肉なことに、そういう人間は、個人の利益に反する場合は、平気で法律やルールを無視します。あたかも自分自身がルールでもあるかのように。俺が法律だ!みたいな思考の人間に限って、倫理観に著しく欠けることが、人類がいつまでたっても啓蒙されない理由になっているとも言われています。とは言っても、人間も所詮は動物なので、如何ともし難いです。

自己中ではなく他者中

The finding of increased brain reward system activity in individuals at a high level of moral reasoning suggests the importance of positive motivations towards others in moral reasoning development, rather than selfish motives. These findings also support Kohlberg’s theory that higher levels of moral reasoning tend to be promotion and other-focused (do it because it is right) rather than prevention or self-focused (do not do it because it is wrong).

道徳的判断のレベルが高い人達の、脳の報酬系活動が活発であるという知見は、道徳判断発達過程において、利己的な動機ではなく、他者へのポジティブな動機の重要性を示唆しています。こういった所見は、高い道徳判断が、阻止的または自己中心(悪いことだからやるな)ではなく、推進的かつ他者中心(正しいことだからやれ)の傾向があるという、コールバーグ理論を支持してもいます。

モラルは、自分を尺度に考えるのではなく、常に他者を中心にして考えられるべきです。急いでいるからという個人的な理由で、車のスピードを出しまくる行為は、他者の安全を全く考慮せず、あまりにも自己中過ぎるとしか言えません。そこにはモラルの欠片もありません。そんな奴には車を運転してもらいたくないし、通り魔と何の変わりもないと言っても過言ではないでしょう。

人によって道徳的判断レベルが違うのは、遺伝的要素(本人の資質)、親の教育や兄弟姉妹・親戚従兄弟からの影響、周囲の環境(学校や幼稚園・保育園での人間関係)等、多種多様な要素が、かなり複雑に絡み合っているので、一概に何が良い悪いとは言えないようです。nature vs. nurture(持って生まれた資質vs親や社会の教育)で言えば、どちらの要素も重要で、しかし、一番の問題は、倫理観や道徳心の欠片もない屑が、本当に更正可能なのかということで、この人類永遠の謎を解明するための研究が、今後行われていくみたいなので、期待して待っていましょう。

モラルは、集団生活を円滑にするための暗黙のルールで、モラルの個人間の違いは、各個人の他者に対する感情で決まります。利他主義の人ほどより道徳的で、逆に、利己主義の人は、より反道徳的になりやすい傾向が強いみたいです。自分がやられて嫌なことは他人にはするなという事です。

スポンサーリンク

フォローする