重大な副作用が疑われていた更年期ホルモン療法は安全だった事が判明

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中高年女性へのホルモン療法は、心疾患や癌なんかの深刻な副作用が問題になっていますが、女性の健康イニシアチブトライアルにおける、5年~7年の間ホルモン療法を利用した閉経後の女性たちに対する18年間にわたる追跡調査の結果、全死因、心臓血管死もしくは全癌死と、何の関連性がないことが、JAMA(米国医師会雑誌)によって発表された研究が示しています。

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ホルモン療法の安全性

Long-term follow-up finds no increased overall risk of death with menopausal hormone therapy

The Women’s Health Initiative (WHI) hormone therapy trials were designed to assess the benefits and risks of menopausal hormone therapy taken for chronic disease prevention by predominantly healthy postmenopausal women. Health outcomes have been reported, but previous publications have generally not focused on all-cause and cause-specific mortality. All-cause mortality is a critically important summary measure representing the net effect of hormone therapy on serious and life-threatening health conditions.

女性の健康イニシアチブ(WHI)ホルモン療法試験は、大部分が健康的な閉経後女性達によって慢性疾患予防として利用されている、更年期のホルモン療法の効果とリスクを評価するためにデザインされています。健康アウトカムは報告されていますが、過去の発表は、おおむね、全死因死亡率と原因別死亡率には注目していませんでした。全死因死亡率は、重篤で命に関わる健康状態に及ぼすホルモン療法の正味の影響を示す、非常に重要な集約尺度になっているのにです。

JoAnn E. Manson, M.D., Dr.P.H., of Brigham and Women’s Hospital, Harvard Medical School, Boston, and colleagues examined total and cause-specific mortality during cumulative 18-year follow-up (intervention plus extended post-intervention phases) of the two randomized WHI hormone therapy trials: conjugated equine estrogens (CEE, 0.625 mg/d) plus medroxyprogesterone acetate (MPA, 2.5 mg/d) (n = 8,506) vs placebo (n = 8,102) for 5.6 years (median); or CEE alone (n = 5,310) vs placebo (n = 5,429) for 7.2 years (median). The analysis included postmenopausal women ages 50 to 79 years who were enrolled in the trials between 1993 and1998 and followed up through 2014.

ボストンのハーバード大学医学部ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のジョアン・E・マンソン博士と同僚達は、2つの無作為化WHIホルモン療法トライアルの18年にわたる累積追跡調査期間(介入治療プラス長期介入後フェーズ)の全死因死亡率と原因別死亡率を調べました。1つは、結合型エストロゲン(CEE, 0.625 mg/d)プラス酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA, 2.5 mg/d)(n = 8,506)とプラセボ(n = 8,102)の5.6年間(平均)の対照試験、もう1つは、CEEのみ(n = 5,310)とプラシーボ(n = 5,429)の7.2年間(平均)の対照試験。1993年~1998年の間トライアルに参加し、2014年まで追跡調査を受けた、50歳~79歳の閉経後女性達が、今回の分析に関わっています。

Several limitations of the study are noted in the article, including that only one dose, formulation, and route of administration in each trial was assessed; thus, results are not necessarily generalizable to other hormone preparations.

本研究には、各試験において、1つの用量、処方、投与経路のみが評価されているなどの、いくつかの制限があることが論文中で言及されており、従って、本研究結果は、必ずしも、他のホルモン剤に対しても一般化できるとは限りません。

ホルモン剤と用量、投与法が限定的なので、今回の研究で使われたホルモン剤、用量、投与法以外を用いたホルモン治療に対しては適用できない可能性があるみたいなので、全てのホルモン治療が安全であるとは言い切れないみたいです。ホルモン治療の安全性については、カナダの研究でも問題ないという結果が出ているので、人種的な違いを加味する必要があるとしても、日本人もそれほど神経質になる必要はないのかもしれませが、ホルモン療法については、かかりつけの医師の判断やセカンドオピニオンを仰いだ後で、治療効果とリスクを天秤に掛けて、最終決断を下すしかありません。

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