家族関係が希薄化する今だからこそ問いたい家族とは一体何なのか?

人間は、自身に最も似た人間を助ける傾向が強いのか?社会神経科学者達は、被験者群に機能的磁気共鳴画像を用いて、彼等の脳機能を測定する間、映画My Sister’s Keeper(私の中のあなた)再編集版を視聴させ、深い思考を強力に促す倫理的ジレンマ(例えばトロッコのジレンマ)を与えることで、類似性が及ぼす影響について調査しています。

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映画鑑賞で倫理観を測る

The subjects comprised 30 women who were shown a version of the film shortened to 25 minutes and asked to observe the film in the light of different questions. The study focused particularly on how the subjects felt about one sister refusing to donate an organ to another sister diagnosed with cancer. Before starting the film, the researchers told the subjects that the sisters were either biological siblings or that the younger sister had been adopted to the family as a baby.

被験者は、25分に短縮された編集版の映画を見せられ、別々の視点で映画を見るように尋ねられた30人の女性達でした。本研究は、被験者たちが、姉妹の1人が、癌と診断されたもう1人の姉妹への臓器提供を断ったことに対する感じ方に特に焦点を当てています。映画鑑賞前に、研究者達は、姉妹が実の姉妹か、または、妹が乳児の時に家族に養子に迎えられたことを被験者達に話しています。

家族と一緒に自然の中を少し散歩するだけで家族の絆が深まる
非常に悲しいことに、現在の日本は家族の絆が相当に希薄になってきてしまっています。そんな希薄になった家族関係に嫌気が差した多くの若者たちは、昨今、家族を持つことすら否定し始めています。その若者達の家族に対する絶望感が、超少子化・超未婚社会の原因にもなっています。日本の家族の絆が希薄になるということは、人間関係自体が希薄になってしまっているということで、それが、息が詰まりそうなこの国特有の閉塞感や、末期的な孤立社会・孤独死社会を作り出してしまっています。

The study discloses a major conflict between what the subjects told they felt about the moral issue presented to them and what actually happened inside their brains. 90 per cent of the subjects responded that genetic relationship between the sisters was of no significance to them compared to a situation in which one of the sisters had been adopted to the family as an infant. Still, functional magnetic resonance imaging reveals major differences in brain function between the two viewing conditions.

本研究は、提示された倫理的問題に対する被験者の感想と、彼女達の脳の内部で実際に起きていることの大きな葛藤を暴露しています。被験者の90%が、養子だろうが実の姉妹だろうが関係ないと答えていますが、fMRIが両者の大きな違いを白日のもとに晒してくれています。

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人間は口では良いことを言いたい

When the viewers thought that the sisters were genetically related there was significant correlation between their brain activity in the insula, cingulate cortex, medial and lateral prefrontal cortex, superior temporal cortex and superior parietal cortex. These areas of the brain control for instance such matters as morals, feelings, and decision-making.

視聴者が、姉妹が遺伝的につながりがあると考える時、彼女達の島皮質、内側前頭前皮質、外側前頭前皮質、上側頭皮質、上頭頂皮質における脳活動に有意な相関関係が存在していました。こういった脳の領域は、モラル、感情、意思決定などに関わる事柄をコントロールしています。

深層心理では、血縁関係があれば、血縁者を救うのは当然となるようです。家族同士で助け合うことが人間社会の基本であり、家族も助けられない人間が他者を助けられるわけがありません。

子供をクリエイティブ(創造的)な天才に育てるための5つの秘訣
我が子を独創的な天才に育て上げる事は、全ての親にとって将来的に非常に大きな意味を持ってきます。例えば、起業して億万長者になったり、芸能人、プロスポーツ選手、著名人になったりして親の誇りになる立派な大人に育つ確率が高くなるからです。子育てに失敗して子供に殴られたり殺されたり等、将来酷い目に遭わないためにも、子供のうちの教育はしっかりやっておいた方が身のためです。

Based on the study, we can thus assume that the moral expectations of the subjects are more similar when the sisters are thought to be genetically related.

本研究を基に、我々は、被験者の道徳的期待値は、姉妹が遺伝的につながっていると感じられた時により類似していると推測しています。

実の姉妹なら、臓器提供は当然の義務ということでしょう。家族ならそれくらいの犠牲は当り前だということですが、家族関係が希薄化する昨今、兄弟姉妹に自分の臓器を提供できる日本人が果たしてどれくらい存在するんでしょうか。臓器どころか、ちょっとした金銭の貸し借りさえも憚れる現状を鑑みたい場合、臓器提供を申し出るとか有り得ないような気もします。人から家族とは何なのか?と問われれば、家族とは、お互いに愛し合い、助け合い、いたわり合う存在だと答えればいいでしょう。

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救うべきは1人の姉妹か複数の他人か

The same subjects were also asked to select which one person or several persons they would rather save from a crisis region. A sister, a best friend and unknown people were presented in various combinations, and more than 90 per cent of the subjects said that they would rather save their sister. The best friend came right after the sister. The response times got longer as the subjects had to choose whether they would, in addition to their sister or friend, save four unknown people.

trolley-dilemma(トロッコのジレンマ)における人種差別の考察
trolley-dilemma(トロッコのジレンマ)とは、trolley problem(トロッコ問題)から由来するジレンマのことで、トロッ...

また、同じ被験者たちは、危険地帯からどの1人を、もしくは複数の人を救うかを選択するように尋ねられました。1人の姉妹、1人の親友、見知らぬ人々が、さまざまな組み合わせで提示され、被験者の90%以上が、どれかを選ぶとしたら、姉妹を救いたいと答えています。無二の親友が姉妹とは僅差の次点でした。被験者達が、彼女達の姉妹や親友に加えて、4人の見知らぬ人達を救うかどうかを選択しなければならない時にレスポンスタイム(応答時間)は長くなりました。

footbridge dilemma(歩道橋のジレンマ)はジレンマでも何でもない
footbridge dilemma(歩道橋のジレンマ)とは、暴走トロッコが踏切を渡る多くの人々を轢き殺そうとしている時に、自分と一緒に歩道...
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血は水よりも濃いとは言うけれど

結論としては、ほとんどの人が、家族は助け合うのが当り前だと考えているということです。血は水よりも濃いということで、少なくとも、成人して自分達の人生を歩き始めるまでは、兄弟姉妹は同じ釜の飯を食う仲間でもあるし、家族で助け合って生きるのが当然と言えます。もちろん、成人して世帯が別々になったとしても、兄弟姉妹が互いに助け合うのが理想ですが、兄弟は他人の始まりなんていう言葉もあるので、それを求めるのは酷かもしれません。2親等以上の家族の面倒を見れる人はほとんどいないのではないでしょうか。親が子供、子供が親の面倒を見るので精一杯だし、それすらできない人がいるのが現状です。ほとんどの人が、家族は互いに助け合うものだと思っていても、それを実践できる人が少ないことが、家族関係の希薄化につながってしまっているとも言えます。

余談ですが、My Sister’s Keeperも酷い話で、親は、癌の娘を救うためだけに、ただそれだけのために二人目の子供を骨髄提供者として儲けたのすが(うろ覚え)、妹にしたら、ただ姉を救うためだけにこの世に存在しているわけですからたまったもんじゃありません。妹は、姉への臓器(腎臓)提供を巡って裁判を起こすのですが(腎移植と言えば、赤い魂やわが子よⅢが思い出されます)、家族なんだから助け合うのが当り前だと言っても、相手は10歳くらいの子供です。物事には限度というものがあります。確かに、イエス・キリストは友のために命を捧げることが究極の愛であると説いていますが、それを実践できる人は全人類の0.001%にも満たないでしょう。子供にそういったことを求めるのは酷としか言えません。

参照サイトA film research study shows how the brain reacts to difficult moral issues

シンドラーのリスト:1人を救う者は世界を救う(タルムード)
1993年に悲願のオスカー作品賞を受賞したSchindler's list(シンドラーのリスト)は、スティーブン・スピルバーグ監督の珠玉の一作となっています。作品終盤に、ベン・キングスレー扮するイザック・シュターンがオスカー・シンドラーに指輪を渡すのですが、その指輪にヘブル語で彫られた言葉、Whoever saves
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