家族関係が希薄化する今だからこそ問いたい家族とは一体何なのか?

我々は、自身に最も似通った人を助ける傾向が強いのか?社会神経科学者達は、被験者群に、機能的磁気共鳴画像を用いて彼等の脳機能を測定する間、映画My Sister’s Keeper再編集版を見せ、深い思考を強力に促す倫理的ジレンマを与えることで、類似性が及ぼす影響について研究しています。

映画鑑賞で倫理観を測る

The subjects comprised 30 women who were shown a version of the film shortened to 25 minutes and asked to observe the film in the light of different questions. The study focused particularly on how the subjects felt about one sister refusing to donate an organ to another sister diagnosed with cancer. Before starting the film, the researchers told the subjects that the sisters were either biological siblings or that the younger sister had been adopted to the family as a baby.

被験者は、25分に短縮された編集版の映画を見せられ、別々の視点で映画を見るように尋ねられた30人の女性達でした。本研究は、被験者たちが、姉妹の1人が、癌と診断されたもう1人の姉妹への臓器提供を断ったことに対する感じ方に特に焦点を当てています。鑑賞前に、研究者達は、姉妹が実の姉妹か、または、妹が乳児の時に家族に養子に迎えられたと、被験者達に話しています。

The study discloses a major conflict between what the subjects told they felt about the moral issue presented to them and what actually happened inside their brains. 90 per cent of the subjects responded that genetic relationship between the sisters was of no significance to them compared to a situation in which one of the sisters had been adopted to the family as an infant. Still, functional magnetic resonance imaging reveals major differences in brain function between the two viewing conditions.

本研究は、提示された倫理的問題に対する被験者の感想と、彼女達の脳の内部で実際に起きていることの大きな葛藤を暴露しています。被験者の90%が、養子だろうが実の姉妹だろうが関係ないと答えていますが、fMRIが、両者の大きな違いを白日のもとに晒しています。

人間は口では良いことを言いたい

When the viewers thought that the sisters were genetically related there was significant correlation between their brain activity in the insula, cingulate cortex, medial and lateral prefrontal cortex, superior temporal cortex and superior parietal cortex. These areas of the brain control for instance such matters as morals, feelings, and decision-making.

視聴者が、姉妹が遺伝的につながりがあると考える時、彼女達の島皮質、内側前頭前皮質、外側前頭前皮質、上側頭皮質、上頭頂皮質における脳活動に有意な相関関係が存在しました。こういった脳の領域は、モラル、感情、意思決定などに関わる事例をコントロールしています。

深層心理では、血縁関係があれば、血縁者を救うのは当然となるのでしょうね。

Based on the study, we can thus assume that the moral expectations of the subjects are more similar when the sisters are thought to be genetically related.

本研究を根拠にすることで、我々は、被験者の道徳的期待値は、姉妹が遺伝的につながっていると感じられた時に、より類似していると推定しています。

実の姉妹なら、臓器提供は当然の義務ということでしょう。家族なら、それくらいの犠牲は当り前だということで、家族関係が希薄化する昨今、兄弟姉妹に自分の臓器を提供できる日本人が、果たしてどれくらい存在するんでしょうかね。臓器どころか、ちょっとした金銭の貸し借りさえも憚れる現状を鑑みたい場合、臓器提供を受け入れるとか無理ゲーなような気もします。

救うべきは1人の姉妹か複数の他人か

The same subjects were also asked to select which one person or several persons they would rather save from a crisis region. A sister, a best friend and unknown people were presented in various combinations, and more than 90 per cent of the subjects said that they would rather save their sister. The best friend came right after the sister. The response times got longer as the subjects had to choose whether they would, in addition to their sister or friend, save four unknown people.

また、同じ被験者たちは、危険地帯から、どの1人もしくは複数の人を救うかを選択するように尋ねられました。1人の姉妹、1人の親友、見知らぬ人々が、さまざまな組み合わせで提示され、被験者の90%以上が、どれを選ぶかとしたら、姉妹を救いたいと答えました。無二の親友が姉妹とは僅差の次点でした。被験者達が、彼女達の姉妹か親友に加えて、4人の見知らぬ人達を救うかどうかを選択しなければならない時に、レスポンスタイムは長くなりました。

結論としては、ほとんどの人が、家族は助け合うのが当り前だと考えているということです。血は水よりも濃いということで、少なくとも、成人して自分達の人生を生き始めるまでは、兄弟姉妹は同じ釜の飯を食う仲間でもあるし、家族で助け合って生きるのが当然と言えます。もちろん、成人して世帯が別々になったとしても、兄弟姉妹が互いに助け合うのが理想ですが、兄弟は他人の始まりなんていう言葉もあるので、それを求めるのは酷かもしれません。2親等以上の家族の面倒を見れる人はほとんどいないのではないでしょうか。親が子供、子供が親の面倒を見るので精一杯だし、それすらできない人がいるのが現状です。ほとんどの人が、家族は助け合うものだと思っていても、それを実践できる人が少ないことが、家族関係の希薄化につながっていて、親の子育ての失敗が原因であることは疑う余地がありません。My Sister’s Keeperも酷い話で、親は、癌の娘を救うために、二人目の子供を骨髄提供者として儲けたのすが(うろ覚え)、妹にしたら、姉を救うためだけにこの世に存在しているわけですから、たまったもんじゃありません。妹は、姉への臓器(腎臓)提供を巡って裁判を起こすのですが(腎移植と言えば、赤い魂やわが子よⅢが思い出されます)、家族なんだから助け合うのが当り前だと言っても、物事には限度というものがあります。イエス・キリストは、友のために命を捧げることが究極の愛であると説いていますが、それを実践できる人は、人類の0.001%でしょう。

参照サイトA film research study shows how the brain reacts to difficult moral issues