先ず、この記事”Cardiorespiratory fitness of farmed Atlantic salmon unaffected by virus“に出てくるmarine penが何なのかを調べる。
marine pen = 海面生け簀、海上生簀、海の生簀
marine penが、Marine le Pen (マリーヌ・ル・ペン)というフランスの政治家とは何の関係もないことを年のために断っておく。penには、檻や囲い、檻の中の動物、刑務所、収容所といった意味がある。例えば、sheep penなら羊の囲いのことを指す。sharp penならシャーペンのことだが、sharp pencilというのは和製英語で、sharp penは米語は、mechanical pencil、英語ならpropelling pencilになる。話は飛んだが、marine penは、海洋養殖場と覚えておけば良いだろう。以上を踏まえて、記事中の以下の英文を訳す。
PRV is present in nearly all farmed Atlantic salmon on Canada’s west coast, and various strains of PRV have been detected in many salmonid species around the world. Consequently, the results are a positive step in reducing the uncertainty about the potential of infected farmed Atlantic salmon in marine pens to negatively impact migrating wild Pacific salmon.
「魚類オルソレオウイルスは、カナダ西海岸のほぼ全ての養殖大西洋サケに存在しており、PRVのさまざまな株が、世界中の多くのサケ科の魚種に検出されている。そういうわけで、本研究の結果は、海上生け簀内の感染養殖大西洋サケが、遡上する天然太平洋サケに悪影響を与える可能性に対する不透明さを軽減する前向きな一歩になっている。」
養殖魚は病気に罹りやすいので、大量の抗生物質を投与されたり、さらに、成長を早めてエサ代を浮かせるために、大量の成長ホルモン剤を給餌されたりしているそうだ。餌も安い劣悪な物が与えられていたり、酷いのになると、海に殺菌剤を撒いたりするケースもある。さらに、放射性セシウム、ストロンチウム、プルトニウム等による放射性物質汚染、水銀、カドミウム、鉛等の重金属汚染、ダイオキシン/PCB等による化学物質海洋汚染も気になるところだ。欧米では、こういった汚染魚の懸念から、妊婦に魚を食べないように推奨しているほどだ。それに加えて、生食の場合、アニサキス、サナダムシ等の寄生虫も気になるところだ。日本では年間500人近くの刺し身好きがアニサキス食中毒の被害に遭っている。寄生虫の付きやすい魚を生食する場合、-20度以下で最低2日間は冷凍保存した方がいいようだ。魚は、天然、養殖にかかわらず、非常に危険な食材であることを、消費者は再考すべきだろう。