何か凄そうな極小単分子グラフェンスイッチ

研究者が、グラフェンにくっついた分子をコントロールする方法を発見し、極小の生物センサーや情報を保持するためのデバイスのための道を開いています。グラフェンは、ハニカム配列の炭素原子の単一シートでできた物質で、そのユニークな電気伝導率により、ナノサイズ電子デバイスの基礎になる可能性を秘めています。

いろんな状況で使えるようグラフェンシートを調整するために、別の有機分子が、シートに取り付けられ、予測可能な形でグラフェンシートと相互に作用する必要があります。

例えば、もし、分子の電荷が制御できれば、それらを分子スイッチとして利用できるかもしれません。スイッチは、デジタル情報の0と1(ビット)に似たやり方で、スイッチのオンかオフの位置配列に情報をエンコードしているハードドライブのような、情報を記憶するための電子装置にはとても重要な存在です。

研究者達は、グラフェンシート上の単一分子を使って実験をしましたが、結果を解釈するのが非常に困難だったので、シートと分子間の相互作用を利用するデバイスの設計をするのも困難を極めました。現在、インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者を含む、カリフォルニア大学バークレー校のマイケル・クロミー教授率いるチームが、グラフェンシートにくっつけた単一有機分子の一性質(荷電状態)を制御する方法を発見しています。

今回の研究成果は、Nature Communications誌に掲載されています。

スポンサーリンク

走査トンネル分光法

Single-molecule graphene switches bring minute electronic devices a step closer

The team placed a molecule of tetrafluorotetracyanoquinodimethane (F4-TCNQ) on a graphene sheet and increased the electron density of the graphene using an electric field. Using techniques called scanning tunnelling spectroscopy and atomic force microscopy, they found the graphene donates some of its electrons to the organic F4-TCNQ molecule, changing its charge state in a predictable way.

「チームは、グラフェンシート上にテトラフルオロテトラシアノキノジメタンの分子をひっつけ、電場を使ってグラフェンの電子密度を増加させました。走査トンネル分光法と呼ばれている技術を使って、彼らは、グラフェンが単有機分子に自身の電子の一部を提供し、予測可能な形で荷電状態を変える事を見つけ出しました。」

東大の福山研究室のサイトから走査トンネル分光法についての分かりやすい説明を引用させてもらうことにしました。かなり勉強になる良いサイトです。

走査トンネル顕微/分光法(STM/STS)

走査トンネル顕微鏡Scanning Tunneling Microscope (STM)は、物質表面の個々の原子や電子状態を観察することができる最先端の顕微鏡です。先端が原子レベルで鋭く尖った鋭くとがった探針を試料表面すれすれ(約1nm)まで近づけて両者に電位差Vをつけると、互いに接触していなくてもトンネル効果によって探針-試料間に電流が流れます。

極小スイッチ

This insight could allow scientists to design tiny graphene-based electronic devices. Dr Johannes Lischner, from the Department of Materials at Imperial, helped develop some of the theory behind the system. He said: “A molecule with a controllable charge state can act as an ultra-small switch, which is a fundamental building block of electronic devices.

「この洞察は、科学者が極めて小さいグラフェンを利用した電子デバイスを設計することを可能にします。インペリアル材料学部のヨハネス・リシュナー博士は、今回のシステムの背後にある理論の一部を明らかにするのに一役買いました。彼は、”制御可能な荷電状態を持つ分子は、電子デバイスの重要な構成要素の一つである、極小スイッチとしての機能を果たすことができるのです。”と語りました。」

“Such a switch could be used to store information, similarly to flash memory used in USB sticks. Alternatively, in a biological sensor you could theoretically use switchable molecules to help detect the presence of other molecules, such as cancer cells.”

「こういったスイッチは、USBスティックなんかにも使われているフラッシュメモリーのように、情報を保存するのに利用できるかもしれません。あるいは、生体センサーにおいて、理論的に、がん細胞などの他の分子の存在を検出するのを助ける目的で、切替可能な分子を使うことができるはずです。」

高速フラッシュメモリーやハードドライブ用のスイッチとして利用できれば、省電力で超小型な物が作れるみたいなので、ノーパソなんかに最適な技術かもしれません。

製造単純化

The team are now expanding their method to investigate pairs of molecules and assemblies of small numbers of molecules on graphene sheets, as well as looking at ways to anchor single molecules to the graphene in order to simplify the fabrication of new devices.

「チームは、現在、彼らの手法を、新しいデバイスの製造を簡素化するために、単一分子をグラフェンにしっかり固定する方法を調査するだけではなく、グラフェンシート上の分子の対や分子の小集合体を研究するために発展中です。」

新デバイス製造が単純化できれば、製造コストが抑えられ、安価で大量生産が可能になるので、消費者にとっては非常にありがたい恩恵を受けることができるようになります。超高速・超小型・超省電力ハードディスクドライブがノートパソコンやタブレットPCに与えるインパクトは非常に大きく、パソオタの未来を明るくしてくれます。

スポンサーリンク

フォローする