カリフォルニア大学デービス校が、1000個のCPUが載ったチップのデザインに成功したようです。multi-core CPUなら1000-core CPUになるはずなので、1000個の独立したCPUを搭載したチップみたいです。そんな事が可能なのか?という話で、どんだけ小さいCPUなんだよ!としか言いようがありません。しかし、記事を読んだらやはり1000-coreのことみたいで、はぁ?としか言えません。だったら最初から1000-core CPUって書けよと言いたくなります。そんな事はどうでもいい問題で、肝心のCPUの性能の方はどうなっているのかが気になります。1000-coreなので、インテルの最新22-core CPUよりは数倍高性能であることは容易に想像がつきますが、大事なのはCPUの価格ではないでしょうか。価格の方までは分からないのですが、価格次第では量産化されて、一気に多くのデバイスのメインCPUとして搭載される可能性も出てきます。将来性がかなり期待できるCPUかもしれません。
世界初の1000コア(キロコア)CPU
World’s First 1,000-Processor Chip
A microchip containing 1,000 independent programmable processors has been designed by a team at the University of California, Davis, Department of Electrical and Computer Engineering. The energy-efficient “KiloCore” chip has a maximum computation rate of 1.78 trillion instructions per second and contains 621 million transistors.
「1000個の独立したプログラマブル・プロセッサを内蔵したマイクロチップがカリフォルニア大学デービス校の電気/コンピューター工学部のチームによって設計されました。そのエネルギー効率の良い”キロコア”チップは、最大1秒間に1兆7800億命令を実行可能で、6億2100万個のトランジスターを使っています。」
インテルの22コアCPUが72億トランジスタらしいので、トランジスタ数が異常に少ないのが気になります。621 billion (6210億)の間違いではないんでしょうか。処理性能も1000-coreの割には全然大したことないので、flopなような気もしますが、どうなんでしょう。
“To the best of our knowledge, it is the world’s first 1,000-processor chip and it is the highest clock-rate processor ever designed in a university,”
「我々の知る限りでは、世界初の1000プロセッサチップで、大学で設計された最もクロック数の高いプロセッサーでもあります。」
While other multiple-processor chips have been created, none exceed about 300 processors, according to an analysis by Baas’ team. Most were created for research purposes and few are sold commercially. The KiloCore chip was fabricated by IBM using their 32 nm CMOS technology.
「Baas’ teamによる分析によれば、他の多くのマルチコアCPUが作られてきましたが、300個台がせいぜいだったのです。ほとんどが研究目的で作られ、商業的に売られたものはほとんどありませんでした。キロコアチップはIBMの32nm CMOS技術を使って製造されました。」
大学で設計されたCPUの中では最も高クロックなCPUのようです。1000プロセッサは世界初の大快挙のようです。今までは300コア台が限界だったようなので。IBMの32nmプロセスルールで製造されたらしく、インテルの最新CPUが14nmプロセスルールだという事を考えた場合、かなり時代遅れな感じがします。もちろん研究費の制約等の問題もあるんでしょうけど。
The chip is the most energy-efficient “many-core” processor ever reported, Baas said. For example, the 1,000 processors can execute 115 billion instructions per second while dissipating only 0.7 Watts, low enough to be powered by a single AA battery. The KiloCore chip executes instructions more than 100 times more efficiently than a modern laptop processor.
「そのチップは今まで公表された中では最も省エネ多コアプロセッサです。例えば、1000プロセッサは、たった0.7Wの電力消費で115gipsの処理性能を達成していて、単三電池一本で駆動可能です。キロコアチップは最新ノートパソコンプロセッサの100倍高効率で命令を実行します。」
これは凄い!の一言です。モバイルパソコンの性能が飛躍的にアップするだけではなく、バッテリーの持ちも格段に良くなるみたいな感じです。凄過ぎます。いや~、凄いCPUが開発されたものです。時代は1000-coreですね。
Applications already developed for the chip include wireless coding/decoding, video processing, encryption, and others involving large amounts of parallel data such as scientific data applications and datacenter record processing.
The team has completed a compiler and automatic program mapping tools for use in programming the chip.
「ワイヤレスコーディング/デコーディング、ビデオプロセッシング、エンクリプション、他の科学的データ・アプリケーションやデータセンターレコードプロセッシングのような大規模並列データを含めたチップ用のアプリケーションも既に開発されています。チームは、チップをプログラミングするためのコンパイラーと自動プログラムマッピングツールを完成しています。」
既にプログラミング用のコンパイラーまで開発済みみたいで、いくつかの専用アプリまで用意されているようです。実用化が待ち望まれるところですが、価格的な問題さえクリアできれば、需要は相当あるのではないでしょうか。次世代ゲーム機に採用される可能性もかなり高いように思われます。