ニッケレート(nickelate)で二重相転移が起こる仕組みを解明

デルフト工科大学の研究者達を中心とした欧州の科学者グループが、相転移がニッケレートと呼ばれている物質中に広がる仕組みを発見し、この事が、次世代エレクトロニクスに利用される可能性がある、こういった今までにない新しい物質に対する理解を高めてくれる可能性があるようです。

水が沸騰すると、周縁部に最初に泡が現れるのに気付くはずです。相転移は決まって、条件が最も好ましい、核生成中心と呼ばれる場所で始まります。水の場合は、核形成中心はポットの縁にあります。核生成中心がナノスケールでどのように現れるかは、しかし、現在まで知られていませんでした。

nucleation centres (nucleation centers)は、発泡点とも訳されているようです。

ニッケレート(nickelate)

Phase transition discovery opens the door to new electronics

デルフト工科大学の博士号候補ジョルダーノ・マットーニ氏は、相転移が、ニッケレートと呼ばれる、今までにない種類の固体材料中を伝播する仕組みに対する、基本的な理解を得ることを目標にしている、欧州5カ国の機関の科学者の協力を先導しました。マットーニ氏と彼の同僚等が研究した特定タイプのニッケレートにおける相転移は二元的でした。物質の温度が変化すると、電子特性と磁気特性の両方が、それと共に変化します。

相転移が、この物質において二元的であるという事実は、既に広く知られています。しかし、その相転移がどのようにして起こり、どのような要素が、ナノスケールでそのプロセスに影響を与えているのかは、これまでははっきりしていませんでした。顕微鏡法のための拡大ツールとして高精度に調整されたX線を使い、研究者達は、リアルタイムに起きる金属状態から絶縁状態への、固体状態転移を観察することができました。彼等は、物質が冷却されると、その物質が微小な絶縁ストライプで覆われるまで、絶縁ナノ領域が徐々に表れ始めることを発見しました。”そういった高分解能顕微鏡法がなかったら、こういったドメインを目撃することは不可能だったでしょう”と、マットーニ氏は言っています。

形状可変絶縁領域

彼等の研究のために、マットーニ氏等は、基板上にニッケレート薄膜を堆積させました。物質が金属から絶縁体へ転移する様式が、基板表面の形状に関係している事が判明し、今回のケースは、棚田のように見えました。例えば、表面に四角い穴があったら、そのドメインは四角い形状になっていたでしょう。”我々が基板面を成形できるので、絶縁ドメインの形状に影響を与えることができるというわけです”と、マットーニ氏は語る。

レーザー誘導相転移

Further research by Mattoni will involve the use of a laser to force the material to switch phase almost instantly. The idea is to have nanostructures in which both magnetism and conductivity can be switched on and off almost instantaneously. Potential future electronics could, for instance, use nickelate structures as light-controlled ultra-fast transistors. In the long run, this discovery may even lead to electronics that mimic neural networks in the human brain.

「マットーニ氏による追加的なリサーチは、その物質(ニッケレート)の相をほぼ瞬間的に変えさせるためのレーザーの使用を含んでいます。そのアイデアは、磁性と伝導性の両方が、ほぼ瞬間的にオンオフに切替可能なナノ構造を持つということです。例えば、実現の可能性がある次世代エレクトロニクスに、光制御超高速トランジスタとして、ニッケレートを利用できるかもしれません。長期的な視点で見た場合、今回の発見は、人間の脳内のニューラルネットワーク(神経回路網)を模倣しているエレクトロニクスをもたらしてくれる可能性さえあります。」

光制御超高速トランジスタはかなり魅力的です。さらにニューラルネットワークの分野でも長期的には利用可能なようなので、その将来性がかなり期待できます。レーザーを使って、磁気的・電子的のスイッチのオン・オフを超高速で行えるということは、超高速CPUが可能になるだけではなく、超高速メモリも同時に可能になるということで、さらに、その両方を同時に利用した、今までにない全く新しい電子デバイスを開発することも可能になるかもしれません。ニッケレートがグラフェン並に大化けするかもしれません。