二硫化タングステントランジスタのポテンシャル

ニューヨーク大学Tandon工学部の研究者達が、今まで報告されている中で、最高品質の原子スケール電子材料成長方法を開拓しました。Applied Physics Letters誌に掲載された論文で、電気情報工学科助教授と博士課程学生二人が、高性能大型単層二硫化タングステンシート合成法を詳述しています。二硫化タングステン合成材料を使った、電子・光電子における、幅広い分野での応用が期待されています。

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単層二硫化タングステン

Nano-scale electronics score laboratory victory

“We developed a custom reactor for growing this material using a routine technique called chemical vapor deposition. We made some subtle and yet critical changes to improve the design of the reactor and the growth process itself, and we were thrilled to discover that we could produce the highest quality monolayer tungsten disulfide reported in the literature,” said Shahrjerdi. “It’s a critical step toward enabling the kind of research necessary for developing next-generation transistors, wearable electronics, and even flexible biomedical devices.”

「”我々は、化学気相堆積と呼ばれるルーチン技術を用いて、この材料を成長させるためのあつらえの反応装置を開発し、反応炉デザインとそれ自体の成長を向上させるための、いくつかの繊細かつ大胆な変更を施し、文献に報告されている中で、最も高品質な単層二硫化タングステンを作り出せる事が分かり感動しました。”と助教授は言った。”それは、次世代トランジスタ、ウェアラブル電子機器、さらには、可塑性生物医学デバイス開発に必要な、その種の研究を可能にする重要な一歩です。”」

グラフェンよりもボロフェンの方が将来性があると目されており、トランジスタとしては、二硫化タングステンの方が将来性があるので、グラフェンとは一体何だったのか?と言いたくなりますが、グラフェンはグラフェンで、酸化還元させるとかなり使えるようになるみたいなので、全ての二次元単層材料の未来は明るいと言えます。

二次元単層材料

The promise of two-dimensional electronic materials has tantalized researchers for more than a decade, since the first such material—graphene—was experimentally discovered. Also called “monolayer” materials, graphene and similar two-dimensional materials are a mere one atom in thickness, several hundred thousand times thinner than a sheet of paper. These materials boast major advantages over silicon—namely unmatched flexibility, strength, and conductivity—but developing practical applications for their use has been challenging.

「二次元電子材料への期待は、最初のそのような材料、グラフェンが実験的に発見されて以来、研究者達を悩ませています。同様に単層材料と呼ばれているグラフェンや類似の二次元材料は、厚さがたったの原子1個分しかなく、一枚の紙に比べて、数十万倍の薄さしかありません。こういった材料は、シリコンよりもはるかに高機能、すなわち、比べ物にならない、可塑性、強度、伝導性を有しているのですが、それらの利用を目的にした実用製品を開発することは、かなり困難な事が分かっています。」

二次元材料が素晴らしい事は分かっていても、それを商用化するのはかなり難しいことは、未だにそれら夢の次世代素材が大量生産されていない事で、容易に想像がつきます。研究室と工場は全然違うし、常温常圧下で正常に機能させる事が出来るのか?という問題もあるしで、こういった材料が主流になるのは当分先になるとも言われています。

エネルギーバンドギャップ

Graphene (a single layer of carbon) has been explored for electronic switches (transistors), but its lack of an energy band gap poses difficulties for semiconductor applications. “You can’t turn off the graphene transistors,” explained Shahrjerdi. Unlike graphene, tungsten disulfide has a sizeable energy band gap. It also displays exciting new properties: When the number of atomic layers increases, the band gap becomes tunable, and at monolayer thickness it can strongly absorb and emit light, making it ideal for applications in optoelectronics, sensing, and flexible electronics.

「グラフェン(炭素の単一層)は、電子スイッチ(トランジスタ)として検討されていますが、それのエネルギーバンドギャップ不足が、半導体用途への困難さをもたらしています。”グラフェントランジスタのスイッチはオフできません。”と助教授は説明します。グラフェンと違い、二硫化タングステンは、かなり大きなエネルギー禁制帯を持っています。また、それは物凄い新しい特性を示していて、原子層の数を増やすと、禁制帯が調整可能になり、単層厚で積極的に光を吸収放出し、オプトエレクトロニクス、センシング、フレキシブルエレクトロニクス分野での用途に理想的にしています。」

二硫化タングステンはかなり使える二次元材料みたいなので、何とかこれを使ったトランジスタが早く開発される事を願わざるを得ません。

キャリア移動度

Efforts to develop applications for monolayer materials are often plagued by imperfections in the material itself—impurities and structural disorders that can compromise the movement of charge carriers in the semiconductor (carrier mobility). Shahrjerdi and his student succeeded in reducing the structural disorders by omitting the growth promoters and using nitrogen as a carrier gas rather than a more common choice, argon.

「単層材料用のアプリ開発のための取り組みは、たいてい、材料自体の不完全性、半導体中の電荷担体の動き(キャリア移動度)を悪くする不純物や構造欠陥、によって苦しめられます。助教授等は、成長促進物質を除外し、キャリアガスとして、より一般的な選択肢である、アルゴンではなく窒素を使うことで、構造欠陥を減らす事に成功しました。」

Shahrjerdi noted that comprehensive testing of their material revealed the highest values recorded thus far for carrier mobility in monolayer tungsten disulfide. “It’s a very exciting development for those of us doing research in this field,” he said.

「助教授は、彼らの材料の包括的な試験が、単層二硫化タングステンのキャリア移動度に関して、これまで記録された最高値を示した事に言及しました。”この分野で研究している我々のような研究者にとって、それは大変心躍る成果です。”」

とにかく一刻も早く、二硫化タングステントランジスタを開発してもらいたい、ただそれだけです。カーボンナノチューブトランジスタの性能をはるかに超える事ができるのかどうか、かなり興味があります。

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