分子が放射線損傷から自身を保護する仕組み

細胞内の遺伝子情報を持つ分子が危険にさらされた場合、潜在的な破壊と突然変異に対する防衛手段を持っています。例えば、DNAが紫外線に照射されると、その系の他の化学結合が破壊されるのを防ぐために、水素原子(単一陽子)のコアを放出することによって、紫外線の過剰なエネルギーを減らすことができます。この過程を紐解くのに、研究者は、光エネルギーが、比較的単純な分子である2-thiopyridone(2-チオピリドン)を変換する仕組みを調べるために、エネルギー省SLAC国立加速器研究所の線形加速器コヒーレント光源(LCLS)を使用しています。

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励起状態プロトン移動

Scientists watch a molecule protect itself from radiation damage

この分子は、DNAのビルディングブロックにおいても起こる、化学変換を経験します。研究者達は、フェムト秒(1000兆分の1秒)しか存続しないX線パルスを使って、分子の窒素原子を詳細に調査することによって、このプロセスを観察する事に成功しています。

Angewandte Chemieに掲載された研究結果は、DNAや他の分子における、いわゆる、励起状態プロトン移動に対する、さらなる理解に向けたステップになっています。

2-チオピリドン

“Right now, we want to keep it simple,” says lead author Sebastian Eckert, a doctoral student at the University of Potsdam and Helmholtz-Zentrum Berlin. “It’s easier to look at the effects of photoexcitation in 2-thiopyridone because this molecule is small enough to understand and has only one nitrogen atom. We are among the first at LCLS to look at nitrogen at this energy, so it’s somewhat of a pilot experiment.”

”現在、我々は、そのプロセスを簡素化しようと考えています。”と、ポツダム大学とヘルムホルツセンターベルリン研究所の博士課程学生で、本研究の筆頭著者セバスチャン・エッカート氏は言っています。”2-チオピリドンは、この分子が、理解を得るのには十分小さく、窒素原子が一つだけなので、光励起作用の観察には非常に好都合です。私たちは、LCLSで、このエネルギーレベルで窒素原子を始めて調査するので、パイロット実験とも言えるかもしれません。”

共鳴非弾性X線散乱

This is also the first time the method, known as resonant inelastic X-ray scattering or RIXS, has been used to look at molecular changes involving nitrogen that happen in femtoseconds. This short timescale is important because that’s how fast protons are kicked away from molecules exposed to light, and it requires brilliant X-rays to see these ultrafast changes.

共鳴非弾性X線散乱(RIXS)として知られている手法が、フェムト秒で起きる窒素が絡む分子変化を観察するのに使われたのは、今回が初めてでもあります。この短いタイムスケールが、光に照射された分子から陽子が放出される高速度と、こういった超高速で起こる変化を観察するために、非常に鮮明な(高輝度の)X線を必要としているので重要になっています。

”LCLSが、十分な光子を提供できる唯一のX線光源です。”と、ワシントン大学教授で、本研究の共著者ムニラ・ハリール氏が言っています。”我々の検出機構は、photon-hungry(光子大量消費型)なので、観察したい効果をキャプチャするために、強力なパルスが必要です。”

resonance effect (共鳴効果)

研究の中で、研究者達は、レーザー光を使って分子の変化を起こし、その後、結合の動きを観察するのに、LCLSのX線プローブを利用しています。”我々は、窒素原子関連、あるいは、近傍の変化だけを確実に観察するエネルギーにX線を調整したことを、私たちに教えてくれるシグネチャーである、共鳴効果を探しています。”と、共著者のマイク・ミニッティ氏は語る。

こういった共鳴に関する研究は、研究者が、X線がサンプルと相互に作用する仕組みを、はっきりと解釈できるような形で、信号を増幅してくれています。

窒素-水素結合破壊

The research team looked primarily at the bonds between atoms neighboring nitrogen, and confirmed that optical light breaks nitrogen-hydrogen bonds. “We were also able to confirm that the X-rays used to probe the sample don’t break the nitrogen-hydrogen bond, so the probe itself does not create an artificial effect. The X-ray energy is instead transferred to a bond between nitrogen and carbon atoms, rupturing it,” says Jesper Norell, a doctoral student at Stockholm University and co-author of the paper.

研究チームは、主に、窒素に隣接する原子間の結合を観察し、レーザー光線が、窒素-水素結合を破壊することを確認しています。”我々は、サンプルをプローブするのに使われたX線が、プローブ自身が人為的な効果を生み出さないように、窒素-水素結合を破壊していない事も同時に確認しています。X線エネルギーは、窒素-水素結合を破壊する代わりに、窒素原子と炭素原子間結合へと移されて、その結合を破壊しています。”と、ストックホルム大学の博士課程の学生で、本論文の共著者でもある、ジェスパー・ノレル氏は語っています。

次に、そのコラボは、もっと複雑な分子を研究して、広範囲に及ぶクラスの光化学反応に関する深い洞察を得るために、同じアプローチを使う予定です。

レーザー光が窒素-水素結合を破壊し、X線が窒素-炭素結合を破壊しているようです。

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