新海誠氏とジブリの最新作アニメ映画が今月と来月公開!

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新海誠氏と言えば、秒速5センチメートルがあまりにも有名な名作なわけですが、氏の期待の最新作アニメ「君の名は。」が今月26日に封切られます。さらに来月には、ジブリの期待の長編大作「レッドタートル ある島の物語」が公開されます。

ジブリの新作は、赤いウミガメを中心にした話なんだろうとは想像がつきます。新海氏の君の名は。はトレーラーを見る限りでは、かなり気合の入った作品に仕上がっているようなので、こちらもジブリの新作同様、かなり期待が持てます。特にジブリの場合、前作「思い出のマーニー」が興収的に大コケだったので、100億円の大台は何とか越えてもらいたいものです。新海氏の新作も50億円は軽く越えるんじゃないでしょうか。

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思い出のマーニー

海外での興行収入は散々だった”When Marnie Was There”(思い出のマーニー)ですが(日本映画は興収的にポケモン以外海外で成功はしていませんが)、日本での興収も芳しくありませんでした。とは言っても、作品自体は良作であることは間違いなく、原作の評価が高いので当然ではあるのですが、映画が興収的に成功しなかったのは、個人的には、ヒロインの境遇の悲惨さが全く表現されていないからだと思っています。アメリカ人が心底好む、tear-jerker(お涙頂戴的な)ドラマ作りに徹していれば、もっと海外受けしたかもしれません。

結局ポケモンGoの成功も、ポケモン人気に依存しているわけですが、日本が世界に誇る、稼げるコンテンツは、ポケモンぐらいなのかもしれません。もちろん、ハリウッド版のゴジラの興行収入は化け物的な数字ですが、その一方で、日本のゴジラ映画の海外興収は惨憺たるものです。今の日本映画は海外では全く稼げないと言っても過言ではなく(ポケモン映画も既に稼げなくなっているので)、そこに日本の映画産業の限界があり、あるいは、それが日本人の限界でもあるのかもしれません。

思い出のマーニーは良い作品ですが、稼げなければ、どんなに良作でも無意味です。それは、商品がどんなに良質であっても、売れなければ会社が存続しないのと同じ理由です。良い物さえ作り続ければ、確かにいつかは売れる可能性もありますが、それは会社が無名の場合にのみ成り立つ言い訳でしかなく、ジブリのように世界的な知名度がある場合、ジブリという名前だけで、ある程度の興行収入が期待できる以上、思い出のマーニーは、興収的に大失敗と言わざるを得ません。ジブリの場合、迷探偵コナン超えは至上命題です。

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レッドタートル ある島の物語

ウェブサイトを見ると、構想10年、制作8年という、とんでもない作品になっています。しかも日仏合作で、監督がフランス人という事なので、ジブリ渾身の一作と言えるようです。サイトの甲羅の赤いウミガメが非常に印象的ですが、映像的にはorthodox(オーソドックス)なジブリアニメとは一線を画しています。それが日本人ウケするかどうかは、何とも言えません。

IMDBの評価を見ると、とても気になることが書いてありました。

In today’s renewed era of an exploitation boom, it is quite a comforting surprise to give out monetary support for gems like this one. I did not give this title 10 stars because it is perfect. This animation does not have such an ambition. I gave it the highest possible score because it dares to be traditional and refreshing at the same time. It has the courage to aim for accomplishment instead of profit.

「今日の搾取ブームの新たな時代にあって、この映画のような珠玉の作品に対して金銭的な支援をする事は、非常に励みになる驚きです。私は、アニメが完璧だからこのタイトルに満点を与えているわけではありません。このアニメは、そのような野心は持っていません。私は、このアニメが、大胆にも、伝統的であると同時に斬新でもある理由から、満点を与えたのです。この映画は、利益ではなく偉業を目指した勇気を持っています。」

構想10年、制作8年に偉業達成のための熱い心意気を感じます。収益度外視で、芸術的な側面を重視した映画のようですが、しかし、映画は観客をいかにして楽しませるか、あるいは、感動させるか(泣かせるか)に重きを置くべきで、それは収益性を重視する事でもあるのですが、作り手の達成感やこだわりを最優先させるのは本末転倒なような気がします。

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映画は娯楽

映画は芸術でも製作者の思いをぶつける場でもなく、ただの娯楽という発想の転換がないと、日本のアニメ映画はガラパゴス化からの脱却は永久に果たせないでしょう。もちろん、世界市場での収益など考えていないのなら話は別ですが、海外進出を視野に入れているなら、海外の観客を喜ばせる作品を作る必要があるはずです。

一番いいのは、観客を感動させて稼げる芸術的な映画を作ることですが、例えば、シンドラーのリストやタイタニックのような、そういう映画を作れる人は極めて稀ではあるのですが、日本からそういう逸材が、そろそろ出て来てもいいのではないでしょうか。

世界中を感動させて興行収入1000億円を越える芸術的な映画を作れる、世界に通用する日本人映画監督が現れることを願わずにはいられません。

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