カーボンナノチューブトランジスタがシリコンを超えた!

カーボンナノチューブトランジスタがシリコンベースのトランジスタの性能を初めて上まったそうです。カーボンナノチューブと言えば、先日富士通が米Nantero社とカーボンナノチューブベースのFRAMの共同開発を発表したばかりですが、グラフェン同様に、CNTは今後ますます、あらゆる分野で利用が加速されていくのではないでしょうか。

ダイヤモンド(窒素欠陥)、CNT、グラフェンの炭素三兄弟(three carbon brothers)は、人類の未来を大きく変える可能性を秘めていると言っても過言ではありません。

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カーボンナノチューブ(CNT)

For first time, carbon nanotube transistors outperform silicon

For decades, scientists have tried to harness the unique properties of carbon nanotubes to create high-performance electronics that are faster or consume less power — resulting in longer battery life, faster wireless communication and faster processing speeds for devices like smartphones and laptops.

「数十年間、科学者は、スマホやノーパソのようなデバイスの電池寿命を長めたり、ワイヤレス通信を速めたり処理速度を高速化させる、より高速または省電力の高性能エレクトロニクスを作り出すためにCNTのユニークな性質を利用しようと試みてきました。」

CNTトランジスタ

But a number of challenges have impeded the development of high-performance transistors made of carbon nanotubes, tiny cylinders made of carbon just one atom thick. Consequently, their performance has lagged far behind semiconductors such as silicon and gallium arsenide used in computer chips and personal electronics.

「しかし、多くの課題が、たった一原子厚の炭素製微小シリンダーである、CNT製の高性能トランジスタの開発を妨げてきました。その結果として、それらの性能は、コンピュータチップやパーソナルエレクトロニクスに使われている、シリコンやガリウムヒ素(ヒ化ガリウム)などの半導体にはるかに遅れを取ってしまっています。」

CNT製のトランジスタの開発はかなり手間取ったようです。無理もありません。

Now, for the first time, University of Wisconsin-Madison materials engineers have created carbon nanotube transistors that outperform state-of-the-art silicon transistors.

「現在初めて、ウィスコンシン大学マディソン校の材料技術者達が、最先端のシリコントランジスタをしのぐカーボンナノチューブトランジスタを作り出しました。」

シリコントランジスタを上回るCNTトランジスタが遂に開発されたようです。

the team’s carbon nanotube transistors achieved current that’s 1.9 times higher than silicon transistors.

「チームのCNTトランジスタはシリコントランジスタの1.9倍高い電流密度を実現。」

CNTトランジスタの利用

Carbon nanotube transistors should be able to perform five times faster or use five times less energy than silicon transistors, according to extrapolations from single nanotube measurements. The nanotube’s ultra-small dimension makes it possible to rapidly change a current signal traveling across it, which could lead to substantial gains in the bandwidth of wireless communications devices.

「単層ナノチューブ測定からの補外法によると、CNTトランジスタは、シリコントランジスタより、5倍高速か5倍省電力で動作可能なはずです。ナノチューブの極小寸法が、それを横切る電流信号を急速に変換する事を可能にしていて、この事が、ワイヤレス通信デバイスの帯域幅で十分なゲイン(利得)をもたらす事を可能にします。」

CNTナノチューブは、ワイヤレス通信分野でその威力を発揮できるみたいです。

純粋なCNT

But researchers have struggled to isolate purely carbon nanotubes, which are crucial, because metallic nanotube impurities act like copper wires and disrupt their semiconducting properties — like a short in an electronic device.

「しかし、研究者達は、電子機器におけるショート(短絡)のように、金属ナノチューブ不純物が銅線のように振る舞い、CNTトランジスタの半導体特性を台無しにする理由から必要不可欠である、CNTを混じり気なしに分離するのにとても苦労しました。」

金属不純物が混じることで、CNTは半導体としては使い物にならなくなるようです。混じり気なしの純粋なCNTを作ることが、今回の研究の肝でもあるのかもしれません。

The UW-Madison team used polymers to selectively sort out the semiconducting nanotubes, achieving a solution of ultra-high-purity semiconducting carbon nanotubes.

“We’ve identified specific conditions in which you can get rid of nearly all metallic nanotubes, where we have less than 0.01 percent metallic nanotubes,”

「UWマディソンチームは、半導体ナノチューブを選択的に区別するためにポリマー(高分子化合物)を使い、極めて高い純度の半導体カーボンナノチューブの溶液を獲得しています。”我々は、0.01%にも満たない金属ナノチューブしか存在しない、ほぼ全ての金属ナノチューブを除去できる明確な必要条件を特定しています。”」

99.99%以上の超高純度のCNT半導体を得るための必要条件の特定に成功したことで、それがポリマーを使うことのようなのですが、不純物除去の問題をクリアしています。

CNTの配置問題

To make a good transistor, the nanotubes need to be aligned in just the right order, with just the right spacing, when assembled on a wafer. In 2014, the UW-Madison researchers overcame that challenge when they announced a technique, called “floating evaporative self-assembly,” that gives them this control.

「良いトランジスタを作るために、ウエハー上でアセンブルされる時に、ナノチューブをぴったり正しい間隔で、きちっと正確な順序に位置合わせする必要があります。2014年に、UWマディソン研究者は、この操作を可能にしている、floating evaporative self-assemblyと呼ばれる技術を公表した時に、この難関を克服しています。」

Floating Evaporative Self-Assembly(FESA)については、CNTの発見が長寿命バッテリーを持つフレキシブルなエレクトロニクスを実現か ← このサイトに載ってます。

この問題は2014年に既に克服されているらしいので、特に問題はないみたいです。

不純物除去

The nanotubes must make good electrical contacts with the metal electrodes of the transistor. Because the polymer the UW-Madison researchers use to isolate the semiconducting nanotubes also acts like an insulating layer between the nanotubes and the electrodes, the team “baked” the nanotube arrays in a vacuum oven to remove the insulating layer. The result: excellent electrical contacts to the nanotubes.

「ナノチューブはトランジスタの金属電極と良好な電気接触を確立しなければなりません。半導体ナノチューブを選別するのに使うポリマーがナノチューブと電極の間で絶縁層の役目をしてしまうため、チームは、絶縁層を除去するために、ナノチューブ配列を真空オーブンで焼きました。結果は、ナノチューブに素晴らしい電気接触をもたらしました。」

不純物を取り除くために使われている、すっかり不純物と化してしまったポリマーを、燒いて除去するのは目の付け所がいいとしか言えません。

The researchers also developed a treatment that removes residues from the nanotubes after they’re processed in solution.

「研究者達は同様に、それらを溶液中でプロセスした後で、ナノチューブから不純物を除去する処理方法を開発しました。」

不純物が限りなくゼロに近い半導体CNTが完成するまでの工程が長いですが、数々の課題を解決していった結果、CNTトランジスタがシリコントランジスタの性能を上回る事に世界で初めての成功に導いたわけですから、努力は最後に報われるみたいです。

実用化への挑戦

They are continuing to work on adapting their device to match the geometry used in silicon transistors, which get smaller with each new generation. Work is also underway to develop high-performance radio frequency amplifiers that may be able to boost a cellphone signal. While the researchers have already scaled their alignment and deposition process to 1 inch by 1 inch wafers, they’re working on scaling the process up for commercial production.

「チームは、新しい世代毎に微小化されていく、シリコントランジスタで使われている配列と彼等のデバイスをマッチさせるのに適応させる事に取り組んでいます。携帯電話のシグナルをブーストできるかもしれない、高性能ラジオ周波数増幅器の開発にも着手しています。研究者達は既に、それらの位置合わせと蒸着プロセスを1インチ四方のウエハーへ拡大しているのと同時に、商業生産のためにそのプロセスをスケールアップする努力を続けています。」

CNTトランジスタの量産はもはや時間の問題で、将来的にシリコンやガリウムヒ素トランジスタにとって代わる可能性すらあります。CNTトランジスタを使った高速CPUをいち早く作れた企業が、次世代コンピュータの覇権を握るのはまず間違いないでしょう。と適当なことを一応言っておきます。CNTを使ったFRAMもどうなるのか、今後が楽しみです。

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