SnIP(スニップ)二重らせん構造を持つ有機半導体

地球上に生命をもたらした、遺伝情報の安定した柔軟構造を持った二重らせん構造が、ミュンヘン工科大学のチームの手によって、無機物質中に発見されたとの事です。その物質は、スズとヨウ素とリンから成る半導体で、卓越した光学的電子物性と最高の機械的柔軟性を有しているようです。二重らせん構造を有する有機半導体の発見は、今後のエレクトロニクス分野で大きな変革をもたらす可能性があるだけに、非常に期待大の技術革新であるように思われます。さすがドイツの科学は世界一と言われるだけあります。

二重らせん構造を持つ半導体

Semiconducting inorganic double helix

Flexible yet robust – this is one reason why nature codes genetic information in the form of a double helix.

「柔軟かつ頑丈、これが自然が、二重らせん形に遺伝情報をコーディングした理由の1つにもなっています。」

二重らせんDNAはデータ保存にも現在研究されている、今後のコンピュータ産業を劇的に変える力を持っていると言われている、超期待の星でもあります。DNAのようならせん構造を持つ今回の有機半導体材料が、今後どのように応用発展されていくかは、個人的にも非常に興味があります。何とか実用化まで漕ぎ着けてもらいたいものです。

SnIP(スニップ)

The substance called SnIP, comprising the elements tin (Sn), iodine (I) and phosphorus (P), is a semiconductor. However, unlike conventional inorganic semiconducting materials, it is highly flexible. The centimeter-long fibers can be arbitrarily bent without breaking.

「スズ、ヨウ素、リンの3元素から成るスニップ(SnIP)と呼ばれているその物質は、半導体です。しかし、従来の無機半導体材料と違って、それは極めて柔軟です。センチメートル長のファイバーは壊れることなく自由に折り曲げられます。」

スズ・ヨウ素・リンのスニップは擬似DNA半導体とも言えるでしょう。スニップはグラム単位で簡単に製造可能な上に、似たような電子的な特徴を持ったガリウムヒ素よりも遥かに少ない毒性なので、どう考えても今後の主流になるでしょう。

まだ始まったばかり

“Similar to carbon, where we have the three-dimensional (3D) diamond, the two dimensional graphene and the one dimensional nanotubes,”

「3次元ダイヤモンド、2次元グラフェン、1次元カーボンナノチューブを持つ炭素に似て、」

“we here have, alongside the 3D semiconducting material silicon and the 2D material phosphorene, for the first time a one dimensional material – with perspectives that are every bit as exciting as carbon nanotubes.”

「我々はここに、3次元半導体材料シリコンと2次元ホスフォレンと一緒に、初めて、カーボンナノチューブに匹敵する将来楽しみな1次元材料を持っています。」

Just as with carbon nanotubes and polymer-based printing inks, SnIP double helices can be suspended in solvents like toluene. In this way, thin layers can be produced easily and cost-effectively. “But we are only at the very beginning of the materials development stage,”

「ちょうどカーボンナノチューブとポリマー系の印刷用インクと同じように、スニップの二重らせんは、トルエンのように溶媒中に浮遊させられます。このやり方だと、薄膜が簡単にコストをそんなに掛けることなく作ることが可能です。”しかし我々はまだ、材料開発段階の第一歩を踏み出しているに過ぎません。”」

開発はまだ始まったばかりなので、完成品が出来上がるまでの全てのステップが上手くいくように、これから調整が始まるみたいな感じです。相当高いポテンシャルを持った有機半導体なだけに、さらなる技術の進歩が望まれるところです。