室温でグラフェンや酸化グラフェンをシリコンチップに統合

ノースカロライナ州立大学の材料研究者達が、ナノ秒パルスレーザーアニーリングを使うことで、グラフェン、酸化グラフェン、還元型酸化グラフェンをシリコン基板上に集積可能にする技術を開発しました。この技術は新しい電子機器を作り出す可能性をもたらし、チームは既にスマート医用生体センサーの開発を予定しています。

グラフェンをシリコン基板に集積できれば、グラフェンの特性を活かした電子機器開発への道が開かれるので、この新技術の今後の展開が楽しみでもあります。

シリコン基板製造

Integrating graphene, reduced graphene oxide onto silicon chips at room temperature

In the new technique, researchers start with a silicon substrate. They top that with a layer of single-crystal titanium nitride, using domain matching epitaxy to ensure the crystalline structure of the titanium nitride is aligned with the structure of the silicon. Researchers then place a layer of copper-carbon (Cu-2.0 atomic percent C) alloy on top of the titanium nitride, again using domain matching epitaxy. Finally, the researchers melt the surface of the alloy with nanosecond laser pulses, which pulls carbon to the surface.

「研究者は、新技術の開発を先ずシリコン基板から開始しています。彼等は、窒化チタンの結晶構造がシリコンの構造と確実に位置が合わさるようにするために、領域整合エピタキシーを使って、単結晶窒化チタンの薄膜でシリコン基板を覆っています。その後、再び、分域整合エピタキシーを使って、銅炭素(Cu-2.0 原子百分率 C)合金のレイヤーを窒化チタンの上にかぶせています。最後に研究者は、ナノ秒レーザーパルスを使って、合金の表面を溶かし、炭素を表面に引き寄せています。」

domain matchingはドメインマッチングでいいと思いますが、領域整合エピタキシーというように使われているようなので、領域整合、分域整合と訳すのもありなようです。ただ、ググると分かりますが、domain matchingが主流のようです。訳しようがないものは無理に訳さないで、そのまま英単語や英熟語を使うのが無難なようです。

エピタキシー

エピタキシーの意味を調べてみました。エピタキシー

エピタキシャル成長ともいわれるエピタキシーとは、単結晶基板上にその基板の結晶構造に合わせて単結晶膜を成長させる技術のこと。代表的なエピタキシーの種類は、気相エピタキシー(VPE法)、液相エピタキシー(LPE法)、分子線エピタキシー(MBE法)、有機金属気相エピタキシー(MOVPE法=MOCVD法)の4つ。エピタキシーは造語で、epiはon、uponを、taxyはarrange、orderを意味する。この技術はダイオード・トランジスタの製作に利用され、さらに発光ダイオード、レーザーダイオード、電子デバイス、受光素子の発展にもつながる技術として知られている。

レーザーアニール

レーザーアニールも調べました。レーザーアニールとは何か

アニールというのは、もともと金属加工学で用いられる焼鈍のことで、半導体の不純物の添加、活性化に用いられる熱処理のことをいいます。この熱源としてレーザを用いる方法をレーザアニールといいます。レーザ光はエネルギー密度が高く、小さな領域に集中できるので、半導体の微細構造のプロセスに用いられます。

エピタキシーもアニールも半導体製造に使われる技術のようです。

工程別に3種のグラフェン形成

If the process is done in a vacuum, the carbon forms on the surface as graphene; if it is done in oxygen, it forms GO; and if done in a humid atmosphere followed by a vacuum, it forms as rGO. In all three cases, the carbon’s crystalline structure is aligned with the underlying copper-carbon alloy.

「その工程が真空で行われれば、炭素はグラフェンとして表面に形成され、酸素中なら、酸化グラフェンになり、後に真空が続く湿った空気中なら還元型酸化グラフェンになります。3つのケース全てで、炭素の結晶構造はその下にある銅炭素合金と揃っています。」

“We can control whether the carbon forms one or two monolayers on the surface of the material by manipulating the intensity of the laser and the depth of the melting,”

「我々は、レーザー強度と溶解の深度を調節することで、その材料の表面上の炭素が1個あるいは2個の単層を形成するかどうかをコントローすることができます。」

1層か2層のグラフェン膜の形成を自由にコントロールできるみたいです。高ヘルツなレーザを使うことでウエハーを簡単にスケールアップでき、さらに室温で製造可能なので、大幅なコストダウンが見込めるようです。特許も取得済みみたいです。

Graphene is an excellent conductor, but it cannot be used as a semiconductor. However, rGO is a semiconductor material, which can be used to make electronic devices such as integrated smart sensors and optic-electronic devices.

「グラフェンは素晴らしい伝導体ですが、半導体としては使えません。しかし、還元型酸化グラフェンは、集積スマートセンサーや光学電子機器などの電子機器を製造するのに使うことができる半導体材料です。」

グラフェンや酸化グラフェンは半導体ではないみたいですが、還元型酸化グラフェンは半導体らしいので、電子機器製造に使われることができるようです。製造工程の環境で3種類のグラフェンが簡単に作れる今回の新技術は画期的とも言えるのではないでしょうか。半導体になれるrGOが優れものだということのようです。