棒磁石を半分に折っても単極磁石にはならない

磁石を半分に折っても、磁石が2つになるだけで、N極かS極だけを持った、2つの磁気単極子を作ることはできません。もし、マイナス電荷やプラス電荷のように、N極かS極だけを持つ単極磁石が存在したらどうなるでしょうか?磁気単極子として知られる、これらの仮説上の獣がいくつかの説の重要な予測をしています。

電子のように、磁気モノポールは基本素粒子です。誰もそれを見たことはありませんが、多くと言うか、たぶんほとんどの物理学者が、磁気単極子は恐らく存在するはずと言うでしょう。電気力と磁気力は全く同じ力です。もし磁気単極子が存在すれば、全てが完全に対称的です。この粒子の存在を期待する対称美による強い動機が存在します。

スポンサーリンク

マクスウェル方程式

Many theories predict existence of magnetic monopoles, but experiments have yet to see them

Combining the work of many others, nineteenth-century physicist James Clerk Maxwell showed that electricity and magnetism were two aspects of a single thing: the electromagnetic interaction.

「その他大勢の研究をまとめて、19世紀の物理学者ジェームズ・クラーク・マクスウェルは、電気と磁気は1つの物の2側面、電磁相互作用を明らかにしました。」

表裏一体というか、2つで1ついうか、電気と磁気は切っても切れない縁で、電磁波とか電磁気とか超電磁ヨーヨーとか、色々あります。

But in Maxwell’s equations, the electric and magnetic forces weren’t quite the same. The electrical force had individual positive and negative charges. The magnetic force didn’t. Without single poles—monopoles—Maxwell’s theory looked asymmetrical, which bugged him. Maxwell thought and wrote a lot about the problem of the missing magnetic charge, but he left it out of the final version of his equations.

「しかし、マクスウェルの方程式では、電力と磁力は全く同じではありませんでした。電気力は、個々の正電荷と負電荷を有していました。磁気力は持っていませんでした。単極子、モノポールがないので、マクスウェルの説は非対称に見え、彼を悩ませました。マクスウェルはその行方不明の磁荷の問題について色々と考えたり書いたりしましたが、彼の方程式の最終版からそれを外しました。」

マクスウェルはニュートン、アインシュタインと並ぶ、人類史上三大物理学者(天才)の1人なので、彼が解けない問題を解くことは不可能でしょう。

ディラックから未来へ

Quantum pioneer Paul Dirac picked up the monopole mantle in the early 20th century. By Dirac’s time, physicists had discovered electrons and determined they were indivisible particles, carrying a fundamental unit of electric charge.

「量子の先駆者のポール・ディラックが20世紀初頭にそのモノポールマントルを引き受けました。ディラックの時代までに、物理学者は電子を発見して、それらが電荷の基本単位を持ち、不可分粒子だということを割り出しました。」

電荷の基本単位は電気素量(elementary charge)、e=1.602 x 10-19C(Coulomb)で、電子1個の持つ電気量の絶対値と言われています。

Dirac calculated the behavior of an electron in the magnetic field of a monopole. He used the rules of quantum physics, which say an electron or any particle also behaves like a wave. For an electron sitting near another particle—including a monopole—those rules say the electron’s wave must go through one or more full cycles wrapping around the other particle. In other words, the wave must have at least one crest and one trough: no half crests or quarter-troughs.

「ディラックはモノポールの磁場における電子の振る舞いを計算しました。彼は、電子かどんな粒子も波のように振る舞うと言っている量子物理学のルールを使いました。電子が、単極子を含む、別の粒子の傍に陣取っているので、そのルールは、電子の波は他の粒子を取り囲みながら一周かそれ以上フルサイクルを完了しなければならないと言っています。つまり、その波は少なくとも、1つの山(頂点)と1つの谷(底)を持っていなければならないということです。半頂点や4半分底を持つことはできません。」

波のフルサイクルはピークとトラフが最低1つあるわけですが、中途半端なトラフやピークは許されないということみたいです。

For an electron in the presence of a proton, this quantum wave rule explains the colors of light emitted and absorbed by a hydrogen atom, which is made of one electron and one proton. But Dirac found the electron could only have the right wave behavior if the product of the monopole magnetic charge and the fundamental electric charge carried by an electron were a whole number. That means monopoles, like electrons, carry a fundamental, indivisible charge. Any other particle carrying the fundamental electric charge—protons, positrons, muons, and so forth—will follow the same rule.

「プロトン存在下での電子に対して、この量子波ルールは、1個の電子と1個の陽子で出来ている水素原子によって放出され吸収される光の色を説明しています。しかし、ディラックは単極子磁荷と電子によって運ばれる基本電荷の積が自然数ならば、電子が正しい波動を持つことを見つけました。そのことは、モノポールが電子のように基本的な分割できないチャージを持っているということを意味しています。基本電荷を持つ他のどの粒子も、陽子、陽電子、μ中間子など、その同じルールに従います。」

電子の波動性は単極子と関係しているみたいです。電子が正しい波動性を有するには、モノポールの持つ基本磁荷と電子の持つ基本電荷は整数倍でならなければならないみたいです。理論上、単極子が存在することは分かっていても、それは実証することができないのは何故なのか?それが問題だということのようです。

Interestingly, the logic runs the other way too. Dirac’s result says if a single type of monopole exists, even if that type is very rare, it explains a very important property of matter: why electrically charged particles carry multiples of the fundamental electric charge. (Quarks carry a fraction—one-third or two-thirds—of the fundamental charge, but they always combine to make whole-number multiples of the same charge.) And if more than one type of monopole exists, it must carry a whole-number multiple of the fundamental magnetic charge.

「面白いことに、そのロジックは逆にも流れています。ディラックの結果は、もし単一タイプのモノポールが存在するなら、例えそのタイプがどんなに稀だとしても、それが何故、荷電粒子が基本電荷の倍数を持ち運んでいるのかという、とても重要な物質の性質を説明していると言っています。(クォークは基本電荷の3分の1か3分の2といった端数を持っていますが、それらは常にくっついて同じ電荷の整数倍を作ります。)また、もし一種類以上のモノポールが存在するなら、それは基本磁荷の整数倍を持っている必要があります。」

逆もまた真というやつですね。モノポールの存在が、電荷の端数が組み合わさると常に整数倍になる謎を解き明かすみたいです。

磁気のユニコーン

Dirac’s discovery was really a plausibility argument: If monopoles existed, they would explain a lot, but nothing would crumble if they didn’t.

Since Dirac’s day, many theories have made predictions about the properties of magnetic monopoles. Grand unified theories predict monopoles that would be over 10 quadrillion times more massive than protons.

「ディラックの発見は、本当にもっともらしい議論でした。つまり、もし単極子が存在するなら、それらは多くを説明しますが、それらが存在しなくても、何一つ崩壊することはありません。ディラックの時代以降、多くの説が磁気モノポールの性質について予測してきました。大統一理論は、モノポールが陽子の1京倍以上の重さだろうと予測しています。」

陽子の1京倍の質量とかどんだけっていう感じですが、陽子の質量を考えれば、それでもそんなに重くない感じもします。ただそんだけ重い粒子が何故未だに発見されないのか、不思議なような気もします。なんでだろ~と歌いたくなります。

Producing such particles would require more energy than Earthly accelerators can reach, “but it’s the energy that was certainly available at the beginning of the universe,”

「そのような粒子を産み出すには、地上の加速器が届くことができる以上のエネルギーを必要とします。”しかしそれは、宇宙の始まりでは確実に利用可能だったエネルギーなのです”」つまり、ビッグバンに匹敵するエネルギー

磁気単極子を作り出すには相当なエネルギーが必要なようです。地球上で産み出すのは不可能なのかもしれません。ブラックホール並のエネルギーが必要なのかもしれませんし、もしかしたら、存在しない可能性すらあります。

Cosmic ray detectors around the world are looking for signs of these monopoles, which would still be around today, interacting with molecules in the air. The MACRO experiment at Gran Sasso in Italy also looked for primordial monopoles, and provided the best constraints we have at present.

「世界中の宇宙線観測装置が、今もまだそこら辺にいて、大気中の分子と交わっているかもしれない、これらモノポールのサインを探しています。イタリアのグランサッソでのMACRO実験が、原初のモノポールを探し、今現在我々が持つ最高のコンストレインツを提供してくれています。」

grand unified theories aren’t the only ones to predict monopoles. Other theories predict magnetic monopoles of lower masses that could feasibly be created in the Large Hadron Collider, and of course Dirac’s original model didn’t place any mass constraints on monopoles at all. That means physicists have to be open to discovering particles that aren’t part of any existing theory.

「大統一論はモノポールを予測している唯一の理論ではありません。他の説は、大型ハドロン衝突型加速器(ラージハドロンコライダー)でうまく作り出せるかもしれない、もっと低質量の磁気モノポールを予測しています。もちろん、ディラックのオリジナルモデルはモノポールに対してどんな質量の制限も一切設定しませんでした。それは物理学者がいかなる既存の説の一部ではない粒子を発見することにオープンである必要があることを意味しています。」先入観が危険だということのようです。

open mind(虚心坦懐)は簡単なようでかなり難しいです。ある物を探す時に、その物がこうあるべきだと先入観を持っていれば、確かに候補が限定されるので、探しやすくはなりますが、制限が多過ぎるとあまりにも限定的になってしまって、探している物に気付かない可能性が高くなってしまいます。もちろん、闇雲にただ探しても見つけるのは難しくなるので、そう言った意味でコンストレインツは大事なのですが、問題はバランスで、どこまで制限するのかという程度の問題になってきます。例えば、質量はこれ以上なはずと制限をかければ、それ以下の可能性があった場合、当然いつまで経っても見つけられなくなってしまいます。机上の計算だけでは導き出せないということを常に念頭に置いてモノポール探しをしなければ、永久に見つけられないでしょう。

Both of them look for monopoles created at the Large Hadron Collider, Patrizii using the MoEDAL detector and Taylor using ATLAS.

“I think personally there’s lots of reasons to believe that monopoles are out there, and we just have to keep looking,”

「彼等二人はLHCで作られるモノポールを探し、PatriziiはMoEDAL検出器を使い、TaylorはATLASを使っています。”私は、モノポールがどこかに存在していると信じるための多くの根拠があって、我々はただ探し続けなければならないと個人的に思っています”」

“Magnetic monopoles are probably my favorite particle. If we discovered the magnetic monopole, [the discovery would be] on the same scale as the Higgs particle.”

「磁気単極子は恐らく私のお気に入りの粒子です。もし私達が磁気モノポールを発見できれば、(その発見は)ヒッグス粒子に匹敵するでしょう。」

モノポールは確実に存在するのでしょうけど、存在が実証できなければ、ツチノコと一緒で、いるけど見つけられない状態が永遠に続きそうです。電子の兄弟分なのに電子と違ってどこにでもありそうなのに見つけられないというのは確かにもどかしいし、物理学の面白いところでもあるのではないでしょうか。

スポンサーリンク

フォローする