二硫化モリブデン・グラフェン等の二次元材料が世界を席巻する!

過去10年にわたり、2次元材料は、着実に増え続ける数の科学者達を魅了し続けてきました。こういったその独特の特徴が1~2個原子厚しか持たない物質は、さまざまな元素やその組み合わせから作り出す事が可能です。科学者達の2次元材料への魅了は、アンドレ・ガイム氏とコンスタンチン・ノボセロフ氏のノーベル賞を受賞した実験から始まっています。つまり、一塊のグラファイト(黒鉛)と普通の粘着テープを使って2次元材料を作り出した実験です。この独創的で単純な実験が、グラフェンという奇跡の物質を誕生させました。この超軽量物質は、鋼鉄の約200倍の強度を持った素晴らしい伝導体です。一度科学者達が、グラフェンがそのバルク構成材であるグラファイトよりも優れた性質を持っていることを発見すると、彼等は、これが普遍的な性質なのかどうかを調べるために、他の2次元材料を詳細に調査することを決意しました。

二硫化モリブデン

2-D materials enhance a 3-D world

Christopher Petoukhoff, a Rutgers University graduate student working in the Femtosecond Spectroscopy Unit at the Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University (OIST), studies a 2-D material, made of molybdenum disulfide (MoS2). His research focuses on the 2-D material’s optoelectronic applications, or how the material can detect and absorb light. Optoelectronics are ubiquitous in today’s world, from the photodetectors in automatic doors and hand dryers, to solar cells, to LED lights, but as anyone who has stood in front of an automatic sink desperately waving their hands around to get it to work will tell you, there is plenty of room for improvement. The 2-D MoS2 is particularly interesting for use in photodetectors because of its capability of absorbing the same amount of light as 50nm of the currently used silicon-based technologies, while being 70 times thinner.

「沖縄科学技術大学院大学のフェムト秒分光法ユニットで働くラトガース大学院生クリストファー・ペトコフ氏は、2硫化モリブデン (MoS2)からできた2次元材を研究しています。彼の研究は、2次元物質の光電子応用、あるいは、物質が光を検知して吸収する仕組みに焦点を当てています。オプトエレクトロニクスは、自動ドアの光検知器から手持ちドライヤー、太陽電池、発光ダイオードに至るまで、今日の世界に満ち溢れていますが、自動流し台の前に立って、それがちゃんと機能するように、しゃにむになって手を揺らし続ける誰もが言うように、改善の余地がかなりあります。2次元二硫化モリブデンが、現在主流の50nmシリコン系技術より70倍薄い一方で、同じ量の光を吸収する能力が、光検知器用途に特に興味深いです。」

interesting for use in photodetectorsというよりもuseful in photodetectorsでいいと思うんですけど、使うと面白いかもとか興味深い的な要素を入れたいんでしょう。

高効率な電荷移動

ケシャフ・ダニ教授の指導の下、ペトコフ氏は、MoS2と同等の吸収強度を持つ有機半導体にMoS2の二次元層を付け足す事で光電子素子を改良しようとしています。両方の物質を使った理論の背後に、MoS2層と有機半導体間相互作用が、高効率な電荷移動をもたらすはずであるという事があります。ACS Nano誌に掲載されたペトコフ氏の研究は、こういった2層間電荷移動が、超高速タイムスケール、約100フェムト秒未満か100万分の1の100万分の1秒の10分の1 (1秒の100万分の1の100万分の1の10分の1、若しくは、10兆分の1秒)で起こることを世界で初めて実証しています。

one tenth of one millionth of one millionth of a secondはten trillionth of a secondでいいと思うのですが、無理にややこしくしているとしか思えません。ここで大事なことは、100 femtoseconds (100フェムト秒) が10兆分の1秒で、1フェムト秒が1000兆分の1秒、つまり、0.1京分の1秒だという事、さらに、100万分の1の100万分の1が1兆分の1という事の3点です。1 attosecond(1アト秒)は100分の1秒=10-18秒です。過去にアト秒よりさらに下を行くゼプト秒というのもやってます

しかし、こういった材料の厚みは、光発電、あるいは光エネルギー変換デバイスとしてのそれらの効率性における制限要因になります。太陽電池や光検知器等の光吸収素子は、光子を通過させるのではなく吸収するために一定の光学的な厚みが必要です。この事を乗り越えるために、フェムト秒分光法ユニットの研究者達は、素子中の光を収束・局所化するために、有機半導体-MoS2 合成物に銀ナノ粒子アレイ、または、プラズモニックメタ表面を加えました。そのメタサーフェスの添加は、極薄活性層の特異性をフル活用する一方で、その材料の光学的厚みを増し、最終的な総吸収を増やしてくれています。

plasmonic metasurface = プラズモンメタ表面、プラズモニックメタサーフェス

有機半導体の魅力

While this research is still in its infancy, its implications for the future are huge. Combinations with 2-D materials have the potential to revolutionize the marketability of optoelectronic devices. Conventional optoelectronic devices are expensive to manufacture and are often made from scarce or toxic elements, such as indium or arsenic. Organic semiconductors have low manufacturing costs, and are made of earth-abundant and non-toxic elements. This research can potentially improve the cost and efficiency of optoelectronics, leading to better products in the future.

「この研究はまだ始まったばかりですが、将来的に大きな意味合いを持っています。2次元材料の組み合わせは、光電子デバイスの市場性に革命を引き起こす可能性を秘めています。通常の光電子素子は、製造コストが高く、ほとんどの場合、インジウムやヒ素などの希少元素か有毒元素から作られています。有機半導体は、安価で製造でき、地球上に豊富に存在する無毒な元素からできています。今回の研究は、将来的により優れた製品をもたらす、オプトエレクトロニクスの経済性と効率性を向上させることが可能です。」

ヒ素を使うのは止めて欲しいですね。何でも有機がいいです。有機野菜が世界的に大人気なので、今後は有機半導体が主流になって欲しいです。所謂、biodegradable (生体分解可能な)、biocompatible (生体適合性のある)材料が使われるべきです。将来的に飲み込んで治療可能な医療機器なんかのためには、こういった物質が必須になってきます。

2次元材料の魅力は半端ないです。恐らく10年後には、こういった2次元物質が世界を席巻しているはずで、あるいは、カーボンナノチューブなんかの1次元物質も将来性がかなり期待されているので、1・2次元材料の天下になっているはずです。と思います。