BICSELという新しい種類のレーザー光源が光電子技術を変える!

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UC サンディエゴ校の研究者が、世界初となる、連続体における束縛状態と呼ばれる非通常波物理現象を利用したレーザーを実証しました。この技術は、表面レーザーの進歩に革命をもたらし、通信・コンピューターアプリ用途向けに、それらを今よりもさらに小型化し省エネ化することを可能にしてくれるかもしれません。その新しいBICレーザーが産業・防衛アプリ用の高出力レーザーとして開発されることも可能かもしれません。

BICレーザー

New laser based on unusual physics phenomenon could improve telecommunications, computing

レーザーはありふれた日常技術で、レーザーポインターから重力波検出用干渉計に至るまで多岐に渡り利用されています。今回のBICレーザーは、非通常型なので、既存レーザー技術には見られない前例のない特異性を提供しています。例えば、BICレーザーは、さまざまな波長に簡単に調節できるので、正常組織を破壊することなく癌細胞を正確に標的にする医療用レーザーとしても使え、さらに、ベクトルビームと呼ばれる、特別あつらえした形状(らせん、ドーナツ、ベル・カーブ)に放射可能で、その事が、既存の物よりも最大で10倍の情報を伝達できるパワフルなコンピュータと光通信を可能にしてくれます。

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強力で省エネの新光源

光源が、例えば、携帯電話、コンピューター、天文学の分野における、光データ通信技術のキーコンポーネントになっています。今回の研究で、電力消費と速度に関して、今利用可能なものよりはるかに高効率で高速な新しい種類の光源が紹介されています。

連続体の束縛状態(Bound states in the continuum, BIC)は、1929年にその存在が予測されていた現象です。BICは、開放型システム中に完璧に閉じ込められ続けた、あるいは、束縛された波です。開放型システム中の通常波は逃げ出しますが、BICはこの規範に逆らい、局在化したままで、逃げ出す道は用意されているのに逃げ出しません。

過去の研究で、今回のチームは、マイクロ波周波数で、BICが強い光と物質の相互作用を可能にするために光を効果的に捕捉して保存できることを実証し、現在は、BICが新しい種類のレーザーを作り出せることを実証しています。論文はNature誌に掲載中です。

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BICレーザー製造

この研究で使われているBICレーザーは、インジウム、ガリウム、ヒ素、リンでできた薄い半導体膜で構成されています。その薄膜は、空中に吊るされたナノサイズシリンダーのアレイとして構造化されています。そのシリンダーは、デバイスに機械的安定を与えているサポーティングブリッジ(支持橋)のネットワークによって相互接続されています。

高周波レーザービームを使ってその膜に動力を与えることで、研究者は、BICシステムがそれ自身の低周波数レーザービーム(遠隔通信周波数で)を放出するように誘導しました。

現在までのところ、この事は、我々が、実際にBICを使ってレージング作用を達成できるという概念実証に過ぎません。注目すべき点は、8 × 8粒子ほどの大きさのアレイを使って表面レージングを可能にしているということです。データ通信と高精度センシングの分野で広く使われているVCSEL(vertical-cavity surface-emitting lasers:垂直共振器型面発光レーザー)と呼ばれている表面レーザーは、レージングを成し遂げるために、はるかに大きい(100倍)アレイを必要としています。

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BICSEL(連続体束縛状態面発光レーザー)

人気のVCSELは、BICSEL(bound state in the continuum surface-emitting laser)と我々が呼んでいるものにある日取って代わられるかもしれませんし、それが、より少ないエネルギーを消費するより小型なデバイスを可能にしてくれるかもしれません。チームは今回発明した新種の光源の特許を申請しています。

当該アレイは、産業用軍事用アプリケーションにふさわしい高出力レーザーを発生させるためにサイズを拡大することも可能です。高出力レーザーの基本的な課題は熱で、我々のBICレーザーの予測された効率性を使えば、新しい時代のレーザー技術が、可能になるかもしれませんと研究者が言っています。

チームの次のステップは、別のレーザーで光学的に駆動されるのではなく、電気的に駆動されたBICレーザーを作り出すことです。電気的にポンプされたレーザーは、ラボの外で簡単に携帯でき、従来型の電池を電源を使って放出させることが可能です。

BICSELは、従来のVCSELよりも100分の1のアレイで、10倍の情報を伝達可能な全く新しいタイプの光源で、既に特許も申請中の、将来的に、現在の光駆動から電気駆動に切替可能で、それが達成されれば、乾電池で駆動可能な超高速光コンピュータが可能になる可能性があるようです。光電子工学、あるいは、オプトエレクトロニクスは、今後の主流になると言われているので、今回の新技術はかなり期待が持てる技術と言えそうです。

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