利便性を追求すれば、最終的に個人のプライバシーは完全に失われることに対して、警鐘を鳴らし続けている人達がいます。インターネットで買い物をすれば、個人が何を買ったとか全てが情報化され、さらにどんなサイトを見て、どんな事をしているのか、個人と紐付けされれば、その人間の人格・嗜好や行動・買い物パターンの全てが筒抜けです。
スマホを使えば、GPSで位置まで把握され、さらに勝手に盗聴・盗撮されたりされる可能性まであり、その情報が全て個人に紐付けされて、どっかに保存されている可能性さえ否定出来ないのが、今の恐ろしいネット時代であるとも言われています。
オンラインプライバシーは重要?
Why you might want to think twice about surrendering online privacy for the sake of convenience
プライバシーをガードするのは面倒くさいし、プライバシー保護すればするほど、ネットが余計に不便になります。プライバシー保護の最低限として、トラッキングをブロックするソフトをインストールしたり、長くて難解なパスワードを使ったり、外出する時やお金を使う時などにWiFiとBluetoothの電源を切ったりする必要があります。
もっとプライバシーを守ろうとすれば、全ての送信メッセージを暗号化するという面倒な事をしたり、ノーパソのカメラをステッカーで覆ったり、Tor(ネットの匿名性を可能にするソフト)を使ってネットが遅くなったり接続できないサイトが出たり、携帯電話が持つ多くの利点を使わないようになる可能性さえあります。
企業は公共機関は、人々がプライバシーをエンジョイするのにこんな面倒なことをさせるべきではありません。企業や政府が個人のプライバシーを平然と蹂躙しまくる今の世の中にあっては、多少面倒で厄介でもオンラインプライバシーの自衛は大切なことです。
なので、現実社会の住人達は、デフォルトオプションに従ってプライバシーを失うか、不便で高額な投資をしてプライバシーを保護するかの選択を迫られています。まず、不便さと高額投資をしてまでプライバシーを保護する必要があるかどうか考えましょう。
店に行って、好きなものをピックして、それをカバンに入れて、単純に店を出ます。お金も、クレジットカードもレジの列もありません。そんな事を想像してみて下さい。顔認識カメラが個人を識別して、自動的に購入金額が銀行口座に請求されます。とは言っても、滅多に店には行きませんし、行ったとしても、散歩がてらか新商品を見て回りたい時だけでしょう。ほとんどの場合家の中の必需品は、モノのインターネットに繋がったセンサーを介して自動的に補充されます。そんな未来はそんなに遠くはないのかもしれません。アマゾンはちょうどレジ無し店舗をシアトルにオープンさせたばかりで、すぐにそういった店がイギリスにもボコボコできるかもしれません。
利便性の中の不便さ
便利さの明るい側面は魅力的なものがあります。それは、我々に簡単な生活を約束してくれます。悦楽のような便利さは、豊かな生活の重要な要素です。もし私たちが、大抵の場合、便利さを選ばなければ、私たちの生活は、絶望的に厄介で非効率なものになります。
便利さが同時に望まない道に通じていることも忘れないようにしましょう。便利過ぎて動かなくなると、それは寿命を縮めてしまいます。利便性を追求する余りに、我々は、社会を蝕むビジネスをサポートしてしまったり、退屈な日課を持ったり、無知になったり、政治的に無関心になったりもしてしまいます。社会的責任を負っている企業だけから商品やサービスを買うのは不便だし、運動することも、新しいことを捜したり、常に情強でい続けたり、投票したり、政府がふざけたことをした時に抗議運動したりするのは面倒くさいことです。豊かな生活を維持するには、ある程度の合理的な努力を必要とし、利便性がもたらす気楽さと意義のある努力がもたらす利益の間のちょうど良いバランスが大切です。楽しい事がそうであるように、便利さも、我々がそれのために払う代価や、その結果として起こる短期・長期的な影響よりも価値がある必要があります。
損失を比較評価する
不幸なことに、プライシー喪失の重みを判斷することは簡単なことではありません。一般的にオンラインの世界では、どんな小さなプライバシーの喪失も最悪な事態はもたらしません。顧客のクリックを追跡する一企業は問題ではありませんが、それがどんどん積み重なっていくと、ブラウジング、クリッキング、買い物、リンキングを通して、個人がネット上でしている事の全てが、その個人の驚く程詳細な人物像を描く事が可能にします。
プライバシーを失う事は、生態学的なダメージや健康悪化のようなもので、一回のポイ捨てや、一回の不健康な行動も惨事はもたらしませんが、それが時間とともにどんどん積み重なっていくと、最終的には、その行動の積み重ねが悲劇をもたらすかもしれません。
オンラインプライバシーを失うことの潜在的なダメージが何なのか、不思議に思うかもしれません。例えば、あなたが就活中に、企業があなたの個人情報が詰まったデジタルファイルをデータブローカーから買い取る可能性もあります。そのファイルには、あなたのブラウジング嗜好(頻繁に訪れるサイト)、クレジット記録、健康記録などが含まれているかもしれません。企業は、あなたのソーシャルメディアの書き込みや、あなたの記録に関する他の汚点のような物のせいで、あなたの事を雇わないかもしれません。そしてあなたは何で不採用になったのか知る事はないし、その決定に異議を唱えることもできません。
同様に、銀行も、インターネットから集めたあなたの情報から、あなたにローンをしないかもしれません。彼等が下した決定をもたらした情報が正しくないかもしれませんが、あなたがその事を知ることはありません。ハッカーはあなたのパソコンやスマホに付いているカメラを悪用して、あなたを脅迫したり、個人情報を盗み出すかもしれません。
FTC(連邦取引委員会)によると、他人の個人情報を利用してその人になりすまし、貯金を勝手に引き出したり、クレジットカードを勝手に作って使ったり、その個人の所有物を勝手に売ったり、そういった不正行為が、アメリカ国内で、2014年から2015年の間に47%も増えています。インターネットトロールが、あなたをオンラインで嫌がらせをするかもしれません。保険会社があなたの習慣についての情報に従って、あなたから追加料金を請求するかもしれません。ネット上のあなたの情報を使って、あなたの足元を見て物を高く売り付けたり、そんなことは言ったらきりがないくらい存在します。
ビジネスと政府機関にもっと簡単にプライバシーをエンジョイできるように要求することは最優先事項です。その間、しかし、あなたは、オンラインプライバシーを便利さのために犠牲にすることについてもう一度よく考えてみるといいかもしれません。
アンチウィルス、ファイアウォールなんかは必須でしょうが、VPNも必須と言われているようです。CCleanerで隠しファイルの削除なんかも必要だし、さらに奥深くに隠されている、個人情報を蓄積している隠しファイルの削除も必須だと言われています。モノのインターネットで色々な物がネットにつながるようになると、そっちの方のセキュリティも何とかしないとやばいし、ウェブカメラやスマホやパソコンに付いているカメラを悪用した盗撮の他にも、マイク機能を悪用した盗聴にも気を付ける必要があるみたいです。プライバシーの保護も重要ですが、プライバシーを究極的に保護しようと思えば、ネットを使って個人情報のやり取りはしない事でしょうね。カメラ、マイク機能もオフにして、携帯や子機からの通話を避けるとか、確かにメチャクチャ不便な生活を強いられそうです。