フラーレンとテトラベンゾポルフィリン銅を使った両極性半導体

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カリフォルニア大学サンタバーバラ校の材料研究者達が、ポリマー半導体の電気特性を使いこなすための単純ながら効果的な方法を発見しています。そのエレガントな手法は、隅から隅まで従来と全く同じ半導体材料を使っているにもかかわらず、多種多様な有機回路(フレキシブルディスプレイや太陽電池)の効率的な設計と製造を可能にしています。

”それは選んだ材料の特性を変えられる今までとは全く違ったストラテジーです。”と、UCSB化学・材料学部のギエルモ・バザン教授は言いました。ストラテジックな場所にfullerene(フラーレン)とcopper tetrabenzoporphyrin (テトラベンゾポルフィリン銅:CuBP)分子を付け足すことで、半導体材料中の電荷キャリア、マイナス電子とプラスホールは、経済的な製造だけではなく、より優れたデバイス性能を引き出すために制御・反転させられるかもしれません。今回の発見は、Advanced Functional Material誌とAdvanced Electronic Materials誌に掲載されている一組の研究論文内で発表されています。

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ambipolar(両極性)

Full(erene) potential

ポリマー半導体の領域では、デバイス機能性は、材料全体にわたる適切な電荷キャリアの移動性に左右されています。高移動性・高性能材料の合成においては、多くの進歩がなされてきていますと、材料学部の院生マイケル・フォード氏は言いいました。しかし、電子とホールの緻密な制御こそが、これら高機能ポリマーが全潜在能力を開花させるために必要なのです。

”新素材を作るための多くの努力が為されてきましたが、その多くは、従来式の低電力デバイスにはふさわしくない可能性があります。”と、フォード氏は語る。こういった材料の多くが、それらが、マイナスとプラス両方の電荷を輸送する事を意味する、両極性伝導であることを示しています。なので、ある特定の電荷が必要とされる状況下で、材料の有用性を著しく損う、逆の電荷も同時に伝導してしまいます。

“They’re always ‘on’ so you always have a current running through the device,” Ford said. Conventional means of controlling the movement of charge carriers often involves more complex measures, such as multiple metal evaporation steps or depositing additional layers that are difficult to manage. These actions often require more complicated processing or fabrication, which could in the end defeat the purpose of low-cost flexible electronics.

”それらは、常に、オンなので、デバイスを流れる電流が常に存在します。”とフォード氏は言いました。電荷担体の動きを制御するための従来式方法は、しばしば、管理が困難な、複数の金属蒸発ステップや付加的な層の蒸着などの、より複雑な措置が必要となります。こういった手間のかかる措置は、たいてい、最終的に、低価格フレキシブルエレクトロニクスの趣旨にそぐわない、より複雑なプロセスと製造加工処理を必要とします。

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フラーレン

同時に2種類の材料の特性を調査したフォード氏によると、今回の新しい開発法は、実は、古典的な偶然による科学的発見だということです。フラーレン添加物を使用することで、1つの電荷担体(マイナス電子)の伝導を制限する一方で、別のキャリア(プラスホール)を移動させ続けることが可能であることを、フォード氏は観測しています。

”1つの実験中、我々は、ただ、ポスター用のいくつかの追加的な測定を試みていて、測定をしている間、私は、それが、私が別の材料で抱えていた問題、つまり、絶対にオフにならないというこの問題を解決してくれることに気付きました。”と、フォード氏は言いました。彼は、別の実験の問題に対処するために、違う実験のフラーレン添加物を利用する事を決め、安定動作を増す間、それが、正電荷だけが動くことを可能にすることができる事を発見しました。

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テトラベンゾポルフィリン銅

そこから、彼と彼の共働者等は、同じ方法で負電荷伝導を制御するための研究を続け、ホールを好む別の添加物CuBPを使って、フラーレンとは逆向きの、同時二極性輸送をオフにする事に成功しました。こうして、マイナス電子は移動性を保持し、ホール輸送は制限されます。

”我々は2つのデバイスを持ち、両方とも同じ高分子半導体を使っていますが、異なる添加物を使っています。”とフォード氏は説明した。”1つはホール用スイッチで、別のは電子用スイッチです。この事が、我々に、最新の携帯電話やコンピュータ内の回路を構成している基礎構築部品と同じような、相補インバータの開発を可能にしてくれました。”

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両極性半導体

”こうして我々は、こういったambipolar semiconductors(両極性半導体)を利用して、電子だけが動ける、あるいは、ホールだけが動ける特定パーツ中の回路を、溶解処理を介してデザインすることを初めて可能にしています。”と、バザン氏は言った。”しかも、同じ半導体材料を使い続けてです。” 添加剤が、単純な方法で半導体の特性を巧く利用することを利用可能にしてくれるトラップを作り出してくれるのです、と彼は付け加えています。

今回の開発手法の潜在的な利用は多岐に渡り、特に、長距離配達される、食品や他のデリケートな商品用温度センサーとして機能する、印刷可能な包装ラベル等の、低価格、低電力フレキシブルエレクトロニクスが役立つ状況下において威力を発揮します。

”ほんの少しの割合の添加物が、半導体の電子物性を最大限に利用することを可能にしてくれているのが、今回我々が思い付いたアイデアです。”とバザン氏は語った。”それを一旦制御できさえすれば、あらゆる種類の素晴らしい事を実行することができるようになります。”

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