中南米から東南アジアへ紹介され、沿道に植えられた小さな花の咲く木が、抗菌と抗真菌の両作用を示しています。フィリピン大学ディリマン校の研究者達は、Muntingia calabura (南洋桜) の葉と茎の植物化学物質と呼ばれる生物活性化合物の存在を分析しました。彼らは、4種類の細菌と真菌に対する、その木の葉と茎のエタノール抽出液も一緒に分析しました。
南洋桜の抗菌・抗真菌活性
The Jamaica cherry that fights infections
They found that the leaves contained six phytochemicals known for their medicinal and physiological activities while the stems contained five. They also found that extracts from the leaves and stems of the plant had significant antifungal activity against Candida albicans, which causes yeast infections in the mouth, skin and vagina. The extracts also showed significant antibacterial properties against Pseudomonas aeruginosa, which commonly causes hospital infections, and Staphylococcus aureus, which causes skin infections. The leaves and bark from this tree, commonly known as the Jamaica cherry or the strawberry tree, are used in Peru as an antiseptic and to treat swollen feet. Its leaves are often used in Latin America to treat stomach ulcers. In the Philippines, its flowers are used to treat headaches and to provide relief from the early stages of colds.
研究者達は、南洋桜の葉が、それらの持つ薬理作用と生理作用で知られている、6種類の植生化学物質を、さらに茎にもそれらを5種類含んでいることを発見しています。彼らは、葉と茎の抽出液が、口や皮膚等にイースト菌感染症を引き起こす、カンジダ・アルビカンスに対する、顕著な抗真菌活性を有することも同時に見出しています。その抽出液は、院内感染の主要な原因菌である緑膿菌や、皮膚感染を引き起こす黄色ブドウ球菌に対する強力な抗細菌特性も示しています。ジャマイカチェリーやイチゴの木として一般に知られているこの木の葉と樹皮は、ペルーでは、消毒剤として使われていたり、腫れた足を治療するために利用されています。その葉は、中盤米では、胃潰瘍治療によく使われています。フィリピンでは、その花は、頭痛の治療や、風邪の初期症状の寛解をもたらしますのに使われています。
過去の研究が、この木の葉の抗炎症作用、抗菌作用、鎮痛作用、抗酸化作用を、さらに、その根の白血病細胞に対する細胞毒性も明らかにしています。”我々の研究結果が、南洋桜(ナンヨウザクラ)が、緑膿菌や黄色ブドウ球菌に対する抗生物質の代替ソースであることを示唆しています。高い抗カンジダアルビカンス活性は、過去に公表されている、他の研究では報告されていない重要な発見の一つです。”と、彼らは、Asian Pacific Journal of Tropical Biomedicine誌に掲載された彼らの研究論文の中で書いています。
The results are promising but further research is needed. Phytochemical profiles of the same species vary from one region to another, most likely due to variations in growing conditions. “Different stressors may emphasize the production of one metabolite over another in response to the various needs of the plant,” the researchers noted, including variations in altitude, carbon dioxide levels, and the presence of insects and pathogens. This, they believe, could lead to slight variations in the types and amounts of phytochemicals found in M. calabura grown in the Philippines compared to other parts of the world. The team recommends further testing of M. calabura extracts against other types of fungi. The researchers have already started testing the effects of the tree’s extracts on multidrug-resistant bacteria.
今回の結果は将来性が見込まれますが、さらなる研究が要求されています。同種の植物化学的プロファイルに地域差があるのは、恐らく、発育条件のばらつきが原因です。”標高差、二酸化炭素レベル、昆虫や病原菌の存在を含んだ、異なるストレッサー (有害因子) が、植物の多様なニーズに合わせた代謝産物の生産を強めているのかもしれません。”と、研究者達は言及しています。彼らは、この事が、他の地域と比較して、フィリピンで育つ南洋桜に含まれる、植物化学物質の種類や量のわずかな差異をもたらしていると考えています。チームは、他の種類の真菌に対する南洋桜抽出液のさらなるテストを推奨しています。研究者達は、ナンヨウザクラの抽出物が多剤耐性菌に与える影響を既にテストし始めています。
現在大問題になっている、多剤耐性菌に対抗し得る新しい抗生物質が開発される可能性があるようです。チェリーの持つ抗菌作用は相当奥が深いのかもしれません。