K2Cr3As3結晶において朝永–ラッティンジャー液体状態を確認

最近発見された物質K2Cr3As3は、電子が1次元内のみを動けるように、効果的に閉じ込められた時だけに起こることが予測されている、エキゾチックな振る舞いを研究する機会を与えてくれる、平行Cr-As鎖から成る構造を持っています。7kで超伝導化する前に特異な金属状態を経験する特性が、その系の伝導電子をどう説明するのがベストなのか興味深くしています。

一朝永–ラッティンジャー液体

Signature of one-dimensional electronic behaviour detected in K2Cr3As3 crystals

In a recent publication in Physical Review Letters, scientists at Diamond Light Source, in collaboration with partners at ISIS Neutron & Muon Source as well as UK and international universities, used the Angle-Resolved PhotoEmission Spectroscopy (ARPES) beamline (I05) to perform the first successful angle-resolved photoemission spectroscopy measurements of K2Cr3As3. They detected a characteristic signature of a Tomonoga-Luttinger liquid, which is the theoretical model for electrons in a one-dimensional crystal. These measurements confirm that the one-dimensional picture holds true, which makes the appearance of superconductivity in the system even more intriguing.

Physical Review Letters誌の最新号の中で、ISIS Neutron & Muon Source、英国と海外大学のパートナーと共に、Diamond Light Sourceの科学者達は、初成功となるK2Cr3As3の角度分解光電子分光法測定を行うのに、ARPESビームライン(I05)を利用しました。彼らは、一次元結晶中の電子の理論モデルである朝永–ラッティンジャー液体の特徴を検出しています。この測定が、その系の超伝導発現をより不思議にする、一次元概念が事実である事を裏付けています。

一次元における考え

凝縮物質系物理学者達は、固体内部の電子の挙動を示すいくつかのモデルを持っています。たいていの場合、電子が、特定の原子サイトに強固に結合していると考えるのが好都合で、その他のケースでは、彼らは、電子が、原子のサイト間を自由にホップする、非局在化について考えます。その場合、電子は、格子のイオンと強く互いに相互作用し、とても複雑な多体量子力学問題へと急速に変わります。しかし、その分野では、その事は、いかにも個々の電子のように振る舞いながらも、自由電子のそれとは異なる有効質量を持つ可能性がある準粒子と名付けられている、このもつれ状況から出現する状態と理解されています。この発想は、金属と半導体に対する我々の理解の根幹で、全ての学部生物理学者にはお馴染みです。しかし、準粒子の概念は、3次元と2次元では簡単に説明が付いても、1次元だと理論破綻します。

In fact there is a well-established theoretical description for electrons in a one-dimensional crystal, known as the ‘Tomonoga-Luttinger liquid’. In this scenario, one no longer considers the motion of individual electrons, but instead the electrons move collectively, with wave-like motion. “You can think of it like a year 6 school disco,” said Dr Matthew Watson, the lead author of the study. “Usually everybody does their own thing, occasionally bumping into each other, but eventually the time comes when everybody gets together to create a conga line, which takes on a life of its own.”

実際に、朝永–ラッティンジャー液体として知られている、一次元結晶中の電子用の確率された理論的記述が存在します。このシナリオでは、個々の電子の運動は無視しますが、その代わりに電子は、波状運動を伴い集団で行動します。”その事は、6歳児のスクールディスコと考えることができます。”と、本研究の筆頭著者のマシュー・ワトソン博士は言いました。”ほとんどの場合、誰もが好き勝手に行動し、ちょくちょく互いにぶつかったりしますが、最終的に、1つの形になるコンガラインを形成するために、みんなが一致団結するようになります。”

朝永–ラッティンジャー液体状態の証明

実験的な論点は、一次元用の数学的結果に似たようなものが、実在結晶にも存在可能なのかどうかということと、その後、このことから、どんな物理的特性が現れるのかを発見することでもあります。最近発見されたK2Cr3As3が、そういった調査のための新しい機会を提供してくれています。この物質の結晶は、言うまでもなく、3次元物体で、長い針形状を形成しています。しかし、その結晶は、その系で1つの明確な優先方向が存在するように、クロムとヒ素原子から成る、平行鎖状構造で構成されています。問題は、伝導電子が、あたかも、それらが、真の一次元系であるかのように振る舞うのか、結局は、系が準粒子状態なのか?という事です。

ワトソン博士と同僚等は、K2Cr3As3における電子状態を調査するために、角度分解光電子分光法技術を使用しています。先ず最初に、Diamond光源のI05ビームラインの高分解能を利用することで、彼らは、例えば、電子が結晶内を移動できるように電子状態の離散を確立し、これが完全に一次元である事を証明しました。加えて、研究者達は、最低エネルギー状態での測定において、全く強度がなかったことを発見しています。”準粒子において、我々は、最低結合エネルギーに至る全てで、電子状態を見い出すことを期待していましたが、代わりに、我々の計測の中で、こういった状態が完全に存在しないことを発見しています。”と、ワトソン博士は言いました。この観測が、準粒子概念が、K2Cr3As3には適用できないのですが、朝永・ラッティンジャー液体との関連で、自然に理解することができることを裏付けています。