深刻な血液不足を解消可能な輸血用の人工血液が開発される!

輸血は、血液を大量に失った患者の命を救うことができますが、病院が、常に十分な量の血液や型が合致した血液を保有しているとは限りません。解決策を求めて、研究者達は、血液の酸素運搬成分であるヘモグロビンを使った、将来有望な代替品を開発しています。ACSの定期刊行誌Biomacromoleculesに掲載されたインビトロ研究が、修飾ヘモグロビンが、効率的な酸素キャリアになるだけではなく、潜在的に有害な活性酸素を除去する事を明らかにしています。

メトヘモグロビン

Making artificial blood for transfusions

Red blood cells are the most commonly transfused component of blood, according to the U.S. National Heart, Lung, and Blood Institute. These cells carry the protein hemoglobin, which performs the essential function of delivering oxygen to the body’s tissues. Scientists have tried developing chemically modified hemoglobin — which by itself is toxic — as a blood substitute but have found that it forms methemoglobin. This form of the protein doesn’t bind oxygen and thus decreases the amount of oxygen that blood delivers in the body. In addition, the generation of methemoglobin produces hydrogen peroxide, which leads to cell damage. Hong Zhou, Lian Zhao, Yan Wu and colleagues wanted to see if packaging hemoglobin in a benign envelope could get around these problems.

アメリカ国立心肺血液研究所によると、赤血球は、血液の中で最も一般的に輸血されている成分です。この細胞は、体組織に酸素を運ぶ必須機能を遂行する、タンパク質ヘモグロビンを持ち運んでいます。研究者達は、代用血液として、それ自身は有害な、化学修飾したヘモグロビンの開発を試みましたが、それがメトヘモグロビンを形成する事を見い出しています。この種類のタンパク質は、酸素とは結合しないので、血液が体内で運ぶ酸素量を減少させます。それに加えて、メトヘモグロビンの発生は、細胞損傷をもたらす過酸化水素を産生します。ホン・チョウ氏、リャン・チャオ氏、ヤン・ウー氏と同僚等は、人体に害のないエンベロープの中にパッケージングされたヘモグロビンが、こういった非常に厄介な問題を、何とかうまいこと回避できないかどうかを確かめたく思いました。

ポリドーパミン

The researchers developed a one-step method for wrapping hemoglobin in polydopamine, or PDA, which has been widely studied for biomedical applications. A battery of lab tests showed that the PDA-coated hemoglobin effectively carried oxygen, while preventing the formation of methemoglobin and hydrogen peroxide. In addition, it caused minimal cell damage, and acted as an effective antioxidant, scavenging for potentially damaging free radicals and reactive oxygen species.

研究者達は、生物医学的応用として広く研究されているポリドーパミン(PDA)の中にヘモグロビンをラッピングするためのワンステップメソッド(一段階法)を考案しました。一連のラボテストが、PDAでコーティングされたヘモグロビンが、メトヘモグロビンと過酸化水素の形成を抑制する一方で、効率的に酸素を運ぶことを証明しました。さらに、それは、細胞ダメージを最小限に抑え、効果的な抗酸化物質としての機能を果たし、潜在的に人体に有害なフリーラジカル(活性酸素)と活性酸素種を除去しています。

この人工血液が実用化されれば、輸血用の血液不足が解消される可能性があり、特に、日本のように2027年問題を抱えている国にとっては、かなりの朗報と言えます。