震える舌で有名なあの超怖い破傷風毒素の正体が遂に暴かれる

”我々の今回の新たな発見は、新薬の開発に利用できる可能性を秘めています。”と、ストックホルム大学生化学・生物物理学部准教授パル・ステンマルク氏は言っています。ステンマルク氏と彼の研究チームは、破傷風毒素タンパク質の3次元での全体構造を見い出しています。

破傷風毒素の恐るべき特性

New insights into the toxin behind tetanus

“We can now see the exact positions of the 20 000 atoms that build up the tetanus toxin. It means that we can see how both the toxin and vaccine actually look. Botulinum neurotoxins and the tetanus toxin are the deadliest toxins known to man. The toxins are large proteins that are made by specialised bacteria. The bacteria that produce the tetanus toxin are found in common soil and flourish in untended wounds. One unusual feature of the tetanus toxin is that it travels in nerve cells to the spinal cord from where it can cause life-threatening cramping and spasms.”

“私たちは、破傷風毒素を構築している2万個の原子の正確な位置を、現在、観察することができます。それは、我々が、毒素とワクチンが、実際にどう見えるのかを調べることができることを意味しています。ボツリヌス神経毒素と破傷風毒素は、最も致命的な毒素であることが知られています。その毒素は、特化した細菌によって作り出された巨大な蛋白質です。破傷風毒素を作り出している細菌は、普通の土の中で見つかり、手当されていない傷の中で繁殖していきます。破傷風毒素の異常な特性の1つが、それが、生命を脅かす筋痙攣やひきつけを引き起こすことができる脊髄へ向かって、神経細胞を介して移動するということです。”

牙関緊急(開口障害)

These start with the shorter nerves in the face (lockjaw) and move on to cause spasms violent enough to break bones.

まず、顔の中のより短い神経から始まり(牙関緊急)、骨を破壊するのに十分な、激しいひきつけを引き起こすまで進んでいきます。

pH次第で構造が変化

“We discovered that the poison takes on different forms depending on pH – it appears one way in acidic liquids and very different in a neutral pH environment. We believe that this is important for the toxins ability to move from the wound to the spinal cord and to adapt to different environments. Before this research, no one knew what the toxin looked like or that it changed structure depending on pH.”

”我々は、その毒素が、酸性液と中性pH環境では全く違っているように見える、つまり、pH次第でさまざまな形態を呈することを発見しました。この事が、傷口から脊髄へ移動して異なる環境に適応する、その毒素の能力にとって重要であると、私たちは考えています。この研究以前は、その毒素の形状やpHによって構造を変えることは、誰も知りませんでした。”

ボツリヌス神経毒

ステンマルク博士の研究グループは、破傷風毒素に似ている一方で、ひきつけとけいれんの代わりに麻痺を引き起こす、ボツリヌス神経毒を同時に研究しています。

“We want to know more about why these two poisons have nearly opposite effects – tetanus toxin travels through nerve cells to the spinal cord and cause severe muscle cramps whereas the botulinum neurotoxin stays put and causes paralysis. Our findings could be useful in creating new medicines that could be transported to the brain”, says Pål Stenmark.

”我々は、この2つの毒が、破傷風毒素が、神経細胞を介して脊髄へ移動し、激しい筋痙攣を引き起こす一方で、ボツリヌス神経毒が、同じ場所にとどまり麻痺を引き起こす、ほとんど正反対の作用を有している理由を知りたいのです。我々の発見は、脳へ運搬可能な新薬を作り出すのに役立つかもしれません。”と、ステンマルク博士は語ります。

破傷風予防接種

“People are not vaccinated against tetanus in many parts of the world, and infants and new mothers are particularly at risk. Large international vaccination programs have dramatically improved the situation, but tens of thousands of people still die of tetanus every year.”

”世界の多くの地域に、破傷風の予防接種を受けいていない人々がいて、幼児と新ママ(新しい母親)が、特に、危険にさらされています。大規模国際予防接種プログラムが、その状況を劇的に改善してはいますが、毎年、数万人単位で、未だに破傷風の犠牲者が出ています。”

昔、震える舌という、渡瀬恒彦と十朱幸代が出演している映画を見たのですが、その映画の内容が、泥遊びをしている最中に、指にチョロっと怪我をしただけで、幼気な少女が破傷風に冒されてしまうという、非常にショッキングなものでした。子供心に、破傷風だけには絶対なりたくないと思ったものでした。ただ、ググってみると、日本における破傷風感染者の95%以上が30歳以上という、かなりショッキングな情報が載っていました(破傷風とは)。しかし、破傷風罹患数が、年間100人に満たない事実を考慮すれば、そんなに気にする必要もないのかもしれません。30歳以上で、破傷風を患う可能性が高い職種に就く人達は、破傷風の予防接種を受けておいた方がいいみたいですが、1968年以降生まれ(39歳以上)の場合、2回接種で6000円かかるみたいで、ワクチンの有効期間は5年~10年とのことです(予防接種の種類と料金)。

感染者数は取るに足らない数だとは言っても、破傷風は誰でも罹る可能性があり、致死率も非常に高く、震える舌を見れば分かるように、一度感染すると、絶望的なまでに激しい症状に見舞われるので、盲腸(虫垂炎)並に罹りたくない病気の1つでもあります。