2次元/3次元で自己組織化可能な金102原子ナノクラスター!

物質の自己組織化は、より小さい構造ブロックからより大きい秩序系と機能系の成長に導く、自然の基本原理の1つです。自己集合は、分子から銀河系に至るあらゆる長さスケールで見られます。現在、フィンランドのユヴァスキュラ大学ナノ科学センターとアールト大学HYBERセンター・オブ・エクセレンスの研究者達は、各々が102金原子と44チオール分子の表層を持った、大きさがほんの数ナノメーターの微小金ナノクラスターによって形成されている、自己集合性2次元・3次元材料の新発見を報告しています。

Academy of Finland and the European Research Council (フィンランドアカデミーと欧州研究会議)からの資金援助を使って実施された今回の研究は、化学分野で世界的に評価の高い専門誌の1つであるAngewandte Chemie 誌に掲載されています。

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102個金原子ナノクラスター

Researchers discover self-assembling 2-D and 3-D materials

The atomic of the 102-atom gold nanocluster was first resolved by the group of Roger D Kornberg at Stanford University in 2007. Since then, several further studies of its properties have been conducted in the Jyväskylä Nanoscience Centre, where it has also been used for electron microscopy imaging of virus structures. The thiol surface of the nanocluster has a large number of acidic groups that can form directed hydrogen bonds to neighbouring nanoclusters and initiate directed self-assembly.

「102原子金クラスター (金原子102個から成るナノクラスター) の原子構造は、2007年にスタンフォード大学のロジャー・コーンバーグ氏のグループによって最初に解明されました。それ以来、その性質に関するいくつかの追加的な研究が、ウイルス構造の電子顕微鏡イメージングにそれを利用してもいる、ユヴァスキュラナノ科学センターで行われています。当該ナノクラスターのチオール表面は、指向性水素結合を隣接するナノクラスターに形成して、誘導自己組織化を引き起こせる多くの酸性基を有しています。」

自己組織化金ナノクラスター

In one of the structures, two-dimensional hexagonally ordered layers of gold nanoclusters were stacked together, each layer being just one nanocluster thick. Modifying the synthesis conditions, also three-dimensional spherical, hollow capsid structures were observed, where the thickness of the capsid wall corresponds again to just one nanocluster size.

「金ナノクラスターの自己組織化は、水とメタノールの混合液で起き、アールト大学の高分解能電子顕微鏡で画像化された、2つのはっきりと違いが分かる超構造体を作り出しました。その構造体の1つで、金ナノクラスターの2次元六角形秩序層 (2次元の六角形に秩序化したレイヤー)は、各々がちょうどナノクラスター1個分の厚みの層で積層されていました。合成条件を変えることで、カプシド壁の厚みが、この場合もやはり、ちょうどナノクラスター1個分に相当する、3次元球状中空カプシド構造が観測されました。」

こういった超構造の形成メカニズムの詳細が、さらなる体系的調査に根拠を与え、初回観察が、合成的に作られた自己組織化ナノ材料にいくつかの新見解を示しています。

現在、研究者達は、数十の違うタイプの原子論的に正確な金ナノクラスターについての理解を得ていて、それによって、彼等が、さまざまな新しいメタマテリアルを生産可能にする、多種多様な自己集合性成長パターンを示すことができると考えています。

自己組織化-自己分解-再組織化

“In biology, typical examples of self-assembling functional systems are viruses and vesicles. Biological self-assembled structures can also be de-assembled by gentle changes in the surrounding biochemical conditions. It’ll be of great interest to see whether these -based materials can be de-assembled and then re-assembled to different structures by changing something in the chemistry of the surrounding solvent.”

「生物学における、自己集合性機能系の典型例が、ウイルスと小胞です。生物学的な自己組織化構造は、周囲の生化学的条件の穏やかな変化によって集合を解く事もできます。こういった金系材料が、周辺溶剤の化学的性質の何かを変えることで、分解してその後別の構造へ再組織化することができるかどうかを調べる事はかなり興味深いと言えます。」

独立した2次元ナノシートが、新世代機能材料のための機会を提供し、また、中空キャプシドが、非常に軽量の膠質骨格材料のための道を開いてくれるみたいです。

“In a broader framework, it has remained as a grand challenge to master the self-assemblies through all length scales to tune the functional properties of materials in a rational way. So far, it has been commonly considered sufficient to achieve sufficiently narrow size distributions of the constituent nanoscale structural units to achieve well-defined structures. The present findings suggest a paradigm change to pursue strictly defined nanoscale units for self-assemblies.”

「より広範な枠組みの中で、合理的方法で物質の機能特性を調整するために、全ての長さスケールにわたって自己組織化を使いこなせるようになるのは大きな課題として残ったままです。今までのところ、その構成要素であるナノスケール構造ユニットの十分狭い粒度分布の達成が、明確な構造を実現する上で十分だと一般に考えられています。現在の研究結果が、自己組織化用の厳密に明確化されたナノスケールユニットを追求するためのパラダイム変化を示してくれています。」

自己組織化→自己分解→自己再組織化を永遠に繰り返すことが可能になれば、外部刺激によって色々な形に変形可能になり、その用途はかなり広がる可能性があります。血液中で何らかの変化に応じて機能性や形状を変えたり、そういった応用が可能になる可能性があり、かなり使えそうな技術です。金ナノクラスターの今後はかなり期待できそうです。

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