忌まわしい過去の記憶は誰もが消したいと願っている

人間誰しも消したい記憶が相当数あるはずです。ほとんどの人間が、嫌な経験をかなり積み重ねているはずですし、その忌まわしい過去の記憶が原因で、心身共に病んでしまう人さえ存在します。PTSD(Post Traumatic Stress Disorder、心的外傷後ストレス障害)もその1つです。しかし不思議なもので、過去の栄光の記憶よりも、忌まわしい過去の記憶の方が強烈に脳裏に焼き付いてしまっています。人にもよるのかもしれませんが、嫌な記憶の方が印象深いのかもしれません。未だに学生時代の部活の悪夢は鮮明ですし、大学受験失敗や、留学中の挫折なんかも昨日の事のように覚えてしまっています。忘れたいのに忘れられない記憶というのは、本当に厄介なものです。過去を引きずって生きる事がマイナス思考の始まりとも言われているだけに、嫌な過去を綺麗さっぱり忘れ去って、明日に向かってポジティブに生きたいものです。

記憶消去

Erasing unpleasant memories with a genetic switch

Researchers from KU Leuven (Belgium) and the Leibniz Institute for Neurobiology (Germany) have managed to erase unpleasant memories in mice using a ‘genetic switch’. Their findings were published in Biological Psychiatry.

「ルーヴェン・カトリック大学(ベルギー)とライプニッツ神経生物学研究所(ドイツ)の研究者は、遺伝子スイッチを使ってネズミに残る嫌な記憶を消去を成し遂げました。彼等の発見は生物学的精神医学誌に掲載されました。」

ネズミを使った実験で、遺伝子スイッチのオンオフで記憶を消去できる事が分かったようです。これが人間にも応用できれば、人類に明るい未来が待っていることになります。

Dementia, accidents, or traumatic events can make us lose the memories formed before the injury or the onset of the disease. Researchers from KU Leuven and the Leibniz Institute for Neurobiology have now shown that some memories can also be erased when one particular gene is switched off.

「認知症、事故、あるいは、衝撃的な出来事は、我々に怪我、または、病気の兆候以前に形成された記憶を失わせます。研究者は現在、ある特定の遺伝子のスイッチをオフにすると、一部の記憶を消去できることを明らかにしました。」

遺伝子スイッチオフで記憶を消し去れるようです。便利な世の中になったものです。

ニューロプラスチン遺伝子

ネズミにパブロフの犬のように、連想学習と呼ばれる学習プロセスを踏ませる事で、サインによって学習した内容を実行するように訓練されたネズミを使った実験で、neuroplastin gene (ニューロプラスチン)遺伝子をオフにしたネズミは、訓練されたタスクをできなくなってしまったみたいです。ニューロプラスチン遺伝子オンのネズミは、そのタスクを難なくこなすようです。つまり、ニューロプラスチン遺伝子が連想学習に関係しているらしいのです。どうやら、ニューロプラスチン遺伝子をオフにする事で、脳細胞間の交信を妨げてしまうようです。脳内の電気信号を計って、記憶保管に使われる細胞メカニズムに明らかな欠損を発見したとの事で、個々の細胞レベルにおいてでさえも明らかだったようです。

ニューロプラスチンのオフで連想学習に関係する記憶を消せることは分かったようですが、この研究が今後どのような展開を見せるのかは全くの未知状態みたいな感じです。

忌まわしい記憶は消せるのか

“This is still basic research,” Balschun adds. “We still need further research to show whether neuroplastin also plays a role in other forms of learning.”

「今回の研究は依然として基礎研究です、とBalschunは付け加え、我々は、他の学習形態に関してもニューロプラスチンが影響を及ぼしているのかどうかを示すために、今後さらなる研究が必要です。」

将来的に嫌な忌まわしい記憶を消し去ることが出来るようになるのかは、ニューロプラスチンが連想学習以外の学習形態にどういう役割を果しているのかを追跡調査する必要があるらしく、まだネズミを使った基礎研究の段階なので、何とも言えません。