人間がまだ猿だった時代から腸内に棲み着いているバクテリアが存在しているそうです。相当長い付き合いになるわけですが、ある意味、ミトコンドリアみたいなもんなのかもしれません。それだけ古い付き合いなら、腸内細菌が人間をコントロールしても何の不思議もありません。もはや腸内細菌群は体の小器官と言っても過言ではありません。
テキサス大学オースティン校の科学者は、腸内細菌の一部が数百万年前の人間の祖先の腸に棲んでいたバクテリアの子孫であることを突き止めたとの事で、腸内細菌と人間が切っても切れない縁であることを証明したようです。
人間と腸内細菌の共進化
Some Bacteria Have Lived in the Human Gut Since Before We Were Human
“It’s surprising that our gut microbes, which we could get from many sources in the environment, have actually been co-evolving inside us for such a long time,”
「周囲の環境の多様なソースから得る事ができる人間の腸内細菌が、実は、そのような長期間、人間の体内で共進化していたのは驚きです。」
人間が細菌と共に進化していたとは驚きです。何百万年あるいは何千万年もの長きに渡り、腸内細菌が人間が猿だった時代から、現在まで、共に進化の道を歩んできたわけです。その腸内細菌は当然善玉菌だと思われ、人間にとっては、マクロファージのようなものなのかもしれません。
どうやって細菌を受け継いだのか?
The researchers are not certain how these three ancient strains of microbes were passed down from one host generation to the next for millions of years.
「研究者は、これら3つの古代の菌株がどのようにして、数百万年もの間、1つの宿主世代から次の世代へと受け継がれたのかは分かっていません。」
確かに腸内細菌がどうやって数百万年もの間、宿主を渡り歩いたのかは謎です。生まれた瞬間から母親から受け継いでいるとか、社会生活を営む中で、人から人へ(猿から猿へ)腸内細菌が受け継がれている説もあるようですが、はっきりした事は分からないままのようです。
数億年来の付き合い?
“Maybe we can trace our gut microbes back to our common ancestors with all mammals, all reptiles, all amphibians, maybe even all vertebrates. If that’s true, it’s amazing.”
「たぶん、我々は、全ての哺乳類、全ての爬虫類、全ての両生類、たぶん、もっと言えば、全ての脊椎動物と一緒の共通祖先に遡って、人間の腸内細菌をたどる事ができるかもしれません。もし、この事が事実なら、それは驚くべきことです。」
全ての脊椎動物の共通祖先から、現在の人間の腸内細菌をたどれれば、確かにそれは物凄いことで、まさに一部の腸内細菌はミトコンドリアのようなものと言え、人間の体内(腸内)で、ミトコンドリア並の重要な働きをしているのかもしれません。