夢の高温超伝導(常温超電導)への扉が遂に開かれた!?

常温超電導体の発見は人類の永遠の夢ですが、その夢の実現への大きな一歩となる発見がされたかもしれないという事みたいです。今のところは超低温超電導が限界ですが、150年後には室温超電導とか60度まで超電導維持とかが可能になっているかもしれません。今生きている人間が常温超伝導を見る機会は100%ないです。

冷却材が高価な液体ヘリウムから、安価な液体窒素に変わっただけでも、人類に対して大きな貢献をもたらした高温超電導ですが、冷却材無しで超電導が可能になれば、その可能性はとてつもなく広がります。常温超電導体の発見が、18世紀にイギリスで起こった産業革命並みのインパクトがある事だけは確かです。

purple bronze(パープルブロンズ)

Newly discovered material property may lead to high temp superconductivity

Researchers at the U.S. Department of Energy’s (DOE) Ames Laboratory have discovered an unusual property of purple bronze that may point to new ways to achieve high temperature superconductivity.

While studying purple bronze, a molybdenum oxide, researchers discovered an unconventional charge density wave on its surface.

「DOE(米エネルギー省)のエイムズ研究所の研究者は、高温超電導を達成するための新たな道を指し示すかもしれないパープルブロンズの特異な性質を発見しました。パープルブロンズ、酸化モリブデンを調査中に、調査員は、それの表面に見たことのない電荷密度波を発見しました。」

パープルブロンズとかいう物質の表面上に、異例の電荷密度波(CDW)を発見したらしいのですが、先ず、電荷密度波とは何なのか調べてみました。

電荷密度波(CDW)

電荷密度波(CDW)

「電荷密度波」は,CDWと略されます。これは Charge Density Wave(そのまんまやぁ)の略です。これは,電子やイオンの持っている電荷に周期的な濃淡が出来たものです。

よく分かりませんが、電荷密度波と超電導が関係有るのか?と言うと、

「低次元電気伝導体」を有名にしたのは,何といっても銅酸化物系の高温超伝導体でしょう。2次元的な結晶構造を持った銅酸化物で, 今まで考えられなかったような高温で,超伝導を起こすことがわかったのですから……。ご存知のように,超伝導は 「電気抵抗が無限にゼロに近付く」わけですから,役に立ちます。だから, たいへん多くの人が研究を続けています。

一方,電荷密度波は,「電気伝導度が無限にゼロに近付く」といった, およそ応用には役に立たない性質を示します。研究も,応用よりむしろ, このような特殊な電子状態の理解の方に重点が置かれているようです。が, 全くもって役に立たないかというと,そうでもありません。 ちょっと考えただけで,次のような可能性があります (半分夢のような話を含む)。

  • 電圧や電流の大きさによって電気伝導度が変化することを利用したスイッチング素子
  • 電荷密度波の並進に伴う狭帯域雑音を利用した直流-交流変換素子
  • フレーリッヒ超伝導機構を実現すれば,室温超伝導も可能 (これは無理だな!)

今回のニュース記事は、フレーリッヒ超伝導の可能性を示唆しているようです。これは無理だなと言われているので、無理っぽいですが、可能性は少しあるみたいな感じなので、記事の研究成果は、少なくとも室温超電導体発見への道標にはなるのではないでしょうか。

電荷密度波と超電導

A charge density wave (CDW) is a state of matter where electrons bunch together in a repeating pattern, like a standing wave of surface of water. Superconductivity and charge density waves share a common origin, often co-exist, and can compete for dominance in certain materials.

「電荷密度波は、電子が水面の定常波のように、繰り返しのパターンにきちんとまとまる物質の状態です。超電導と電荷密度波は、共通起源を持ち、しばしば共存していて、ある種の物質において、優位性獲得のために張り合っています。」

つまり、ある種の物質は、電荷密度波ある所に、超電導が存在するという事みたいです。

高温超電導の可能性

Conventional CDWs and superconductivity both arise from electron-phonon interactions, the interaction of electrons with the vibrations of the crystal lattice. Electron-electron interactions are the likely origin of unconventional, high-temperature superconductivity such as found in copper- and iron-based compounds.

「旧来のCDWと超電導は両方共に、格子振動と電子の相互作用である、電子-フォノン相互作用に起因しています。電子間相互作用は、銅と鉄からなる複合物に見られるような、異例な高温超電導の有望な起源とされています。」

Unconventional, electron-electron driven CDW are extremely rare and its discovery here is important, because the material showed an ‘extraordinary’ increase of CDW transition temperature from 130K (-143°C) to 220K (-53 °C) and a huge increase of energy gap at the surface.

「異例な、電子間相互作用によるCDWは極めて稀で、それのここでの発見は、その物質が-143℃から-53℃へのCDW遷移温度の桁外れの伸び率と表面での莫大なエネルギーギャップの伸び率を見せたので、重要なのです。」

-53℃というと相当な高温超電導と言えます。ドライアイス(-79℃)で冷却可能になるので、超電導の可能性がさらに広がります。仮にここまで来れば、常温超電導まで後一押という感じもします。とは言っても、まだこの温度での超電導が可能かどうかは全くの未知数で、ただ、高温超電導への可能性の扉が開かれつつある事だけは確かなようなので、何とかこの温度での超電導体が発見されることを祈らずにはいられません。