人工太陽:星の瓶詰め、地球上で太陽を作る事は可能か?

一時期、常温核融合が世界的に脚光を浴びていましたが、核融合の研究は今も各国で続いているようです。核融合発電が可能になれば、人類のエネルギー問題が一気に解決すると言われているだけに、その研究にはかなりの期待が集まっています。実際に核融合発電が可能なのかどうかは分かりませんが、原理的に可能であったとしても、実現までには数百年、あるいは数千年先の話なのかもしれません。少なくとも、今世紀中にどうこうなる話ではなさそうです。

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瓶詰め太陽(人工太陽)

Spherical tokamaks could provide path to limitless fusion energy

Creating “a star in a jar” – replicating on Earth the way the sun and stars create energy through fusion – requires a “jar” that can contain superhot plasma and is low-cost enough to be built around the world. Such a device would provide humankind with near limitless energy, ending dependence on fossil fuels for generating electricity.

「太陽や星が核融合によってエネルギーを作る方法を地球上で複製する事である、瓶の中に星を作る事は、超高温プラズマを封じ込める事ができる瓶と世界中に建造されるほど安価である必要があります。そのようなデバイスは、人類にほぼ無限のエネルギーを供給し、電気を作るための化石燃料への依存を終わらせます。」

常温超伝導(室温超伝導)のように、あくまでも机上の空論でしかありませんが、人工太陽が作れれば、現在の原子力発電のように熱を利用する核融合発電以外に、光を利用する人工太陽光発電も利用可能なので、可能性は相当広がります。

球状トカマク

Physicists at the U.S. Department of Energy’s Princeton Plasma Physics Laboratory (PPPL) say that a model for such a “jar,” or fusion device, already exists in experimental form – the compact spherical tokamaks at PPPL and Culham, England. These tokamaks, or fusion reactors, could provide the design for possible next steps in fusion energy – a Fusion Nuclear Science Facility (FNSF) that would develop reactor components and also produce electricity as a pilot plant for a commercial fusion power station.

「米エネルギー省のプリンストン・プラズマ物理学研究所(PPPL)の物理学者達は、そのような瓶、あるいは核融合装置は、実験的な形で(PPPLと英国のカルハムの小型球状トカマク)既に存在していると言っています。これらのトカマク、あるいは核融合炉は、核融合エネルギー分野で実行可能な次の段階(反応炉コンポーネントを開発したり、商用核融合発電所として電気を作り出す予定の核融合核科学施設(FNSF))のためのデザインを提供できるかもしれません。」

瓶詰め太陽は既に球状トカマクの形で実験的に存在しているようです。

Spherical tokamaks are compact devices that are shaped like cored apples, compared with the bulkier doughnut-like shape of conventional tokamaks. The increased power of the upgraded PPPL machine and the soon-to-be completed MAST Upgrade device moves them closer to commercial fusion plants that will create safe, clean and virtually limitless energy without contributing greenhouse gases that warm the Earth and with no long-term radioactive waste.

「球状トカマクは、扱いにくいドーナツ型の従来のトカマクと比べると、芯を抜いたリンゴのような形をしたコンパクトなデバイスです。性能向上されたPPPLマシンとまもなく完成予定のMAST(Mega Amp Spherical Tokamak) Upgrade(MAST-U)装置のさらに高いパワーが、それらを、地球を暖めるグリーンハウスガスに寄与する事なしに、また長期にわたる放射性廃棄物を伴うこと無く、安全でクリーンでほぼ無限のエネルギーを作り出す商用核融合プラントへとさらに近づけます。」

二酸化炭素を排出せず、高レベル放射性廃棄物を出さない、燃料の水素(重水素や三重水素)はほぼ無限に存在するので、核融合プラントは夢の発電所と言えます(核融合について)。

物理的課題

The devices face a number of physics challenges. For example, they must control the turbulence that arises when superhot plasma particles are subjected to powerful electromagnetic fields. They must also carefully control how the plasma particles interact with the surrounding walls to avoid possible disruptions that can halt fusion reactions if the plasma becomes too dense or impure. Researchers at PPPL, Culham, and elsewhere are looking at ways of solving these challenges for the next generation of fusion devices.

「その装置は、多くの物理的課題に直面しています。例えば、それらは超高温プラズマ粒子が強力な電磁場にさらされる時に生じる乱れをコントロールしなければなりません。また、プラズマ粒子が、プラズマが超高密、または不純になった場合、核融合反応を止める可能性がある混乱を避けるために、囲壁とどのように相互作用するかを注意深くコントロールしなければなりません。PPPLとカルハムと他の場所にいる研究者達は、次世代核融合装置のために、これらの課題を解決する方法を考え中です。」

核融合については課題が山積みらしいので、核融合炉の実用化がまだ数十年、数百年先になるのも仕方ありません。常温超電導と一緒で、実現できるのかさえ疑わしい感じがします。

超電導磁石

For pilot plants, the authors call for superconducting magnets to replace the primary copper magnets in the FNSF. Superconducting magnets can be operated far more efficiently than copper magnets but require thicker shielding. However, recent advances in high-temperature superconductors could lead to much thinner superconducting magnets that would require less space and reduce considerably the size and cost of the machine.

「試験プラントのために、起草者達は、FNSFにおいて、初期の銅磁石を超電導磁石に変える事を要求しています。超伝導磁石は、銅磁石よりもはるかに高効率で操作可能なのですが、かなり分厚いシールディングが必要になってしまいます。しかし、高温超伝導体分野での、最近の進歩が、省スペースで機械のサイズとコストを大幅に削減してくれるであろう、はるかに薄い超伝導磁石をもたらす可能性があります。」

高温超伝導は、液体窒素かヘリウム冷却以外の選択肢は永久にないような気がします。あるいは、ドライアイスまでが限度で、室温超電導(常温超伝導体)があるとしたら、それは固体金属水素以外には有り得ない可能性さえあります。

中性ビーム入射装置

Included in the paper is a description of a device called a “neutral beam injector” that will start and sustain plasma current without relying on a heating coil in the center of the tokamak. Such a coil is not suitable for continuous long-term operation. The neutral beam injector will pump fast-moving neutral atoms into the plasma and will help optimize the magnetic field that confines and controls the superhot gas.

「トカマクの中央にある加熱コイルに頼らずに、プラズマ電流を起こして維持する中性ビーム入射装置(中性粒子入射装置)と呼ばれるデバイスの記述が研究論文に含まれています。そのようなコイルは、持続的な長期にわたるオペレーションには向いていません。中性ビーム入射装置は、動きの速い中性原子をプラズマに供給し、超高温ガスを閉じ込めてコントロールしている磁場を最適化するのに役立ちます。」

熱線(加熱コイル)よりも中性ビーム入射装置がトカマクには有効なようです。

球状トカマクが最良の選択

Taken together, the paper describes concepts that strongly support a spherical facility to develop fusion components and create on Earth “a star in a jar”; the upgraded NSTX and MAST facilities will provide crucial data for determining the best path for ultimately generating electricity from fusion.

「総合すれば、研究論文は、核融合コンポーネントの開発と、地球上で瓶詰めの星を作るために球状の装置を強力に支持する基本的な方向を記述しています。アップグレードされた国立球状トーラス実験(NSTX-U)とメガアンペア球状トカマク(MAST-U)設備が、核融合から究極的に電気を生み出す最良な道を決めるために不可欠なデータを提供する予定です。」

球状トカマクが今後の試験的な核融合プラント実験の主流になるような感じです。商用核融合炉の稼働はまだまだ全然先の話ですが、山積みされている技術的な課題を一つ一つ解決していくことが、核融合発電実用化の唯一の道であることだけは確かです。

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