新奇な結晶内部で、物理学者Martin Mourigalは、多量の奇妙な相互作用を観測しています。彼の実験結果は、長い時間をかけて裏付けされた場合、その種の結晶が、量子スピン液体を収容可能な新しいレアな物質であるということを意味しています。
現在のところ、こういった性質を持つ可能性があると信じられている物質は、ほんの一握りしか存在していません。この種の新しい結晶は、ほんの数年前に初めて人工的に合成されました。彼が新たに提出した実験データが、他の物理学者達によって実験的に追認されるには、10年かそれ以上を要する可能性があると言われています。
量子物理学という超難解パズル
‘Spooky’ sightings in crystal point to extremely rare quantum spin liquid
A “liquid” found inside a solid object may sound confusing to many people.
Welcome to quantum materials, part of the twilight zone called quantum physics, which scientists have been struggling for a century to grasp a nanometer at a time. Though much about it is yet undiscovered, quantum physics describes the underlying reality of matter.
「固体内部に見られる液体は、多くの人には紛らわしく聞こえるかもしれません。少しずつ理解するのに、1世紀にわたり奮闘してきた科学者達が、量子物理学と呼んでいる未知の空間の一部、量子物質の世界へようこそ。それについてまだまだ未知の部分が多いのですが、量子物理学は、裏に潜む物事の本質について説明してくれています。」
grasp a nanometer at a timeは直訳すれば、一度に一ナノメートルずつ理解する、ですが、これではワケワカメなので、ゆっくり理解する程度に訳せばいいかと。量子物理学は奇妙で直感的にちんぷんかんぷんな、異次元世界の出来事のようだと言われています。
コンピューター、スマホ、スパコン、MRI装置の仕組みはそれを基にしていますが、原子の領域に関するその法則は、現実的な物事に対する人間の常識を否定していて、その一部は、あまりにも馬鹿げ過ぎているので、人気の科学的な頭の体操になっています。
量子エンタングルメント
量子もつれを例に挙げれば、マーティン氏の今回の結晶に関する研究の核は、もし2個の粒子、例えば、電子がもつれ合った場合、物理的に何十マイルも離れていても、お互いに密接に結び合うことができます。1つの粒子に加えられる作用は、そのとき瞬時に他の粒子にも生じます。当初、この説は、相対性物理学の父、アルバート・アインシュタイン博士でさえあまりにも奇妙だったので、それを、超常的遠隔相互作用と皮肉りました。
量子もつれ合いは、以来実験的に証明されていますが、現在、ジョージア工科大学の実験物理学者のマーティン氏のような科学者達と彼のチームが、それをさらに発展させています。彼が調査している合成結晶は、化学式YbMgGaO4を持つイッテルビウム化合物は、観測可能な奇妙なつながりに満ち溢れているように思われます。
夢の量子計算機
この多量の奇妙な量子もつれが、電子の系、量子スピン液体を作り出します。その専門用語は、例えば水のような、日常感覚における意味ではありません。ここで言うところの液体とは、結晶中の電子のスピンの集合的な性質を表しています。
”スピン液体では、スピンが相互接続されているにもかかわらず、スピンの方向がきれいに揃っていないのに対して、スピン固体では、スピンの方向はきちんと組織化されています。”とマーティン氏は言いました。
もし今回の発見が有効であるなら、物理学者達が、理論と数式によれば、存在していなければならないと言っている、未だ未知の数百に及ぶ、量子スピン液体物質への扉を開ける可能性があります。遠い未来、新しい量子材料が、量子計算エンジニアの手で、今日の規準で、事実上の賢者の石になる可能性があるのです。
イッテルビウム結晶
イッテルビウム結晶は、1年前に、新奇の性質を持った合成量子材料を作り出すという目的で、北京政府が大規模投資を行っている中国の科学者達によって世界で初めて合成されました。”この量子もつれあいが、2個の電子ではなく、3億、5億、10億、100億の粒子が、全て同じ系で絡み合っている、物質の状態を想像してみて下さい。”とマーティン氏は言った。”これら全ての粒子がお互いにもつれ合っているという事実に基づいた、非常に奇妙な物質の状態を作り出すことが可能です。もはや、単一の粒子は一切存在せず、集合的に行動する、1個の巨大な電子の集合体だけが存在しています。”
過去にやっと観測された明白な量子スピン液体の一つは、1972年にチリの採掘坑で発見されたエメラルドグリーンの石、ハーバートスミス石と呼ばれる自然結晶で起こっています。その石は、その発見の、ほぼ20年前に亡くなっている、鉱物学者だったハーバート・スミス氏の名前にちなんで名付けられました。研究者は、マサチューセッツ工科大学の科学者達が、彼らの実験室で、精製した結晶片を複製することに成功した後で、スピン液体の明白な性質を2012年に観測しました。
スピン液体百科事典
その初期の発見は、長旅の始まりに過ぎませんでした。その物質の化学的な構造のおかげで、ハーバートスミス石は、たった一つの単一エンタングルメントスキームだけを産み出しています。物理学的計算が、もっと、無数の夥しい数のエンタングルメントスキームが存在している必要がある事を示しています。”ハーバートスミス石を探し出すことは、動物は存在すると言っているようなものです。でも、哺乳類、魚類、爬虫類、鳥類などの多種多様な動物種が存在しています。”と物理学者は言った。”既に1個のスピン液体を発見しているので、現在、我々は、別の種類のスピン液体を探してるところです。”
実験物理学者が、スピン液体をどんどん確認すれば、理論物理学者が、それらを使って量子物理学にどんどん没頭できるようになります。量子スピン液体の辞典を作ることは重要で、今回の新しい結晶は、我々の2・3番目のエントリーに過ぎません。
中性子散乱が暴露した事
テネシー大学の研究者が、イッテルビウム結晶の原型の複製に成功し、Mourigalが、その複製された結晶が、摂氏-273.09度(0.06ケルビン)の温度まで冷却された、オークリッジ国立研究所(ORNL)で、その結晶を詳細に調べました。冷却することで、原子の自然の動きをほぼ停止状態まで遅くし、その事が、研究者が、YbMgGaO4結晶中のイッテルビウム原子周囲の電子スピンのダンスを観測することを可能にしました。彼らは、強力な超電導磁石を使って、彼らの観測の起点を作り出すために規則的な方法で、その電子スピンをup方向(上方向、上向き)にきちんと並べました。
それから、我々は、磁場を取り除き、電子スピンを元の独特な小刻みな動きへと戻しました。彼のチームは、米エネルギー省科学局ユーザー施設、ORNLスパレーション中性子源(破砕中性子源)で観測を行いました。SNSは、粒子超衝突加速器と、ほぼ同程度のパワーとサイズで、電子に中性子を衝突させることで、科学者達が、電子のスピンのコンサートを鑑賞することを可能にしました。しかし、何か奇妙な事が起きました。”このデタラメにアレンジされたスピン波らしき物が、全てが集合的で、全てがエンタングルされていたために、多くの別の波に分かれました。”とMourigalは言った。”それは、励起の連続体だったのですが、瞬時に多くの電子に分解しました。その事は、ハーバートスミス石に同じ技術を使って観測される事と、質的に似ていました。”
ノーベル賞トポロジカルドーナツ
To authenticate the observations made by Mourigal’s team, theoretical physicists will have to crunch the data with methods that, in part, rely on topology, a focus of the 2016 Nobel Prize in Physics. Mourigal thinks chances are they will pass muster. “At first glance, this material is screaming, ‘I’m a quantum spin liquid,'” he said.
「Mourigalのチームによってなされた観測を証明するために、理論物理学者達は、2016年ノーベル物理学賞の焦点だった、トポロジーに部分的に依存する方法で、データを一括処理する必要があります。Mourigalは、それらが検閲に通るだろうと見込んでいます。”一見したところ、この物質は、’私は量子スピン液体です’と叫んでいます。”」
But it must undergo a years-long battery of stringent mathematical tests. The theoretical physicists will wrap the data around a mathematical “donut” to confirm whether or not it is a quantum spin liquid.
“That’s meant seriously,” Mourigal said. “As a mathematical mental exercise, they virtually spread the spin liquid around a donut shape, and the way it responds to being on a donut tells you something about the nature of that spin liquid.”
「とは言っても、それは、数年にも及ぶ、一連の非常に厳しい数学的なテストを受けなければなりません。理論物理学者達は、それが量子スピン液体かどうかを、確かめ承認するために、データを数学的ドーナツに包み込むます。”それは、冗談で言っているわけではありません。”とMourigalは言った。”数学的な頭の体操として、彼らは、実際に、スピン液体をドーナツ形状にし、そして、それが、ドーナツ形であることで、そのスピン液体の性質について何かを教えてくれるよう応答するようにしています、”」
Though entangled particles appear to defy space and time, the shape of space they occupy affects the nature of the entanglement pattern.
「エンタングルされた粒子は、空間と時間に逆らっているように見えますが、それらが占有する空間の形状は、もつれパターンの性質に影響を与えます。」
The possibility of a quantum spin liquid was first demonstrated in the 1930s, but only using atoms placed in a straight line. Physicists have been searching in the decades since for materials containing them.
「量子スピン液体の可能性は、1930年代に、初めて立証されはしましたが、ただ単に一直線に置かれた原子を使っただけのものでした。物理学者は、以来数十年間、それらを含む物質を探し続けています。」
将来的に量子コンピュータに利用可能な、量子スピン液体が存在するかもしれない新しい結晶を作ったみたいですが、本当にそれが存在するのかを、数学的に確認する作業が数年かかり、実験的に証明されるには10年かそれ以上かかる可能性があるらしく、量子スピン液体は本当に研究する価値があるものなのか、かなり疑わしいような気もします。あくまでもド素人判断です。野球やサッカーなどのスポーツにおいても、ド素人が、とても偉そうに、世界レベルの選手にダメ出ししているので、科学の世界でもありってことで。