脳内のグルコース欠乏(ブドウ糖欠乏)がアルツハイマー病の原因!?

アルツハイマー病の最も初期の兆候の1つが、脳内ブドウ糖レベル減少です。それは、記憶障害の症状が出始める前の軽度認識障害の初期段階で現れます。それが、神経機能障害の原因なのか結果なのかは分かりませんが、テンプル大学医学部による新しい研究が、脳内ブドウ糖欠乏が認識衰退、特に記憶障害を発病させている事を明白に証明しています。

現在、画像化技術の進歩、特にポジトロン放出型断層撮影法(PET)が、研究者が、程度の違う認識機能障害を持った患者の脳内の微妙な変化を探し出す事を可能にしています。首尾一貫して報告されている変化の1つが、海馬におけるグルコース供給の減少です。

グルコース欠乏

Glucose deprivation in the brain sets stage for Alzheimer’s disease, Temple study shows

The hippocampus plays a key role in processing and storing memories. It and other regions of the brain, however, rely exclusively on glucose for fuel — without glucose, neurons starve and eventually die.

‘海馬は、記憶の処理と保存において非常に重要な役割を果たしています。しかし、それと他の脳の領域が、燃料としてグルコースだけを頼りにしています。グルコースがないと、脳内神経細胞は、飢餓状態に陥り、最終的に破壊されてしまいます。’

1月31日にTranslational Psychiatry誌にオンライン掲載された新しい研究が、記憶障害と、特に、リン酸化タウとして知られているタンパク質の蓄積が絡んだメカニズムを介した脳内のブドウ糖欠乏を初めて直接的に結びつけています。Phosphorylated tau(リン酸化タウ)は、脳内に沈殿・凝集して、もつれを形成して神経細胞の破壊を引き起します。一般的に、神経原線維タウのもつれが多いほど、より重度の認知症に関連しています。

p38 タンパク質

The study also is the first to identify a protein known as p38 as a potential alternate drug target in the treatment of Alzheimer’s disease. Neurons activate p38 protein in response to glucose deprivation, possibly as a defensive mechanism. In the long run, however, its activation increases tau phosphorylation, making the problem worse.

「今回の研究は、P38として知られているタンパク質が、アルツハイマー病の治療における潜在的な代替薬剤標的として初めて特定してもいます。ニューロンは、グルコース欠乏に対応するために、恐らく、防御的メカニズムとしてp38を活性化しています。しかし、長い目で見た場合、それの活性化が、タウリン酸化反応を増し、問題を悪化させてしまっています。」

脳のグルコース欠乏のインパクトを調査するために、チームは、アルツハイマー病の記憶障害とタウ病状を再現しているマウスモデルを使いました。生後4~5ヶで、ネズミの一部は、グルコースが細胞によって取り込まれ利用されるのを妨げる物質である、2-deoxyglucose (DG)を与えられています。その物質は、数ヶ月の長期に渡りネズミに投与されました。その後、ネズミたちは、認知機能を評価されました。その結果、グルコース欠乏マウスは、そうでないマウスと比べて、著しく認知機能が低下していることが明らかになっています。

顕微鏡観察の結果、DG給餌ネズミの脳内のニューロンが、異常なシナプス機能を示し、神経系通信経路が破壊されている事を示唆しています。特に重要な影響が、記憶形成と保存を確実にするためにシナプス結合を強化するメカニズムである、長期増強の著しい減少です。

p38がアルツハイマー病に関係している

さらなる調査の結果、研究者達は、ブドウ糖欠乏マウスの脳内において、高濃度のリン酸化タウと劇的に増加した細胞破壊を発見しています。理由を解明するために、彼等は、初期の研究でタウリン酸化のドライバーとして確定しているp38に注目しました。新しい研究の中で、彼等は、記憶障害が、直接的にp38活性化増加と関連していることを明らかにしています。

現在、p38がアルツハイマー発症に関わっている事を示唆する多くの裏付けが存在しています。

慢性的に起こる、ブドウ糖欠乏の些細な繰り返しが脳にダメージを与えているというアイデアを支持してもいます。こういった種類の繰り返しが、グルコースが細胞に入り込むことができない、糖尿病に関連している高い可能性があります。タイプ2糖尿病のインスリン耐性が、認知症のリスクファクターとして知られています。

研究者によると、次の研究段階は、記憶障害が、グルコース欠乏にもかかわらず、緩和できるかどうかを見るために、p38を阻害することです。それはエキサイティングな研究手段と言えます。このタンパク質を標的にした薬が患者に大きな利益をもたらすかもしれません。

ブドウ糖が脳内で不足するとやばいみたいです。細胞がブドウ糖を取り込めなくなることが直接的なアルツハイマー病の原因の一部っぽいので、ブドウ糖を摂取することがアルツハイマー病の予防になるかどうかは分かりませんが、ただ、ブドウ糖不足だと体調を崩すことは事実なので、ブドウ糖不足にならないように心掛けることが、脳の健康維持のみならず、体全体の健康維持のためにも非常に重要であるとも言えます。ブドウ糖が脳の燃料である事を忘れずに。