グラフェントランジスタが4~5THzのCPUクロックを実現してくれる

セントラルフロリダ大学光学・光子学部(CREOL, The College of Optics & Photonics)の助教授のRyan M. Gelfand(ライアン・M・ゲルファンド)氏は、彼が、研究仲間の院生ジョセフ・フリードマン(現在はテキサス大学ダラス校助教授)氏と共に、グラフェンベースの超高速トランジスタ構築構想の研究を開始した時、ノースウェスタン大学の院生でした。

グラフェン系トランジスタ

Graphene transistor could mean computers that are 1,000 times faster

Traditional silicon-based transistors revolutionized electronics with their ability to switch current on and off. By controlling the flow of current, transistors allowed the creation of smaller radios, televisions and computers.

従来のシリコンベースのトランジスタは、それらが持つ、電流をオン・オフスイッチングできる能力によって、エレクトロニクス分野に革命をもたらしました。電流の流れをコントロールすることによって、トランジスタは、小型ラジオ・テレビ・計算機を可能にしています。

As reported this month in the scholarly journal Nature Communications, Friedman, Gelfand and their fellow researchers have theorized a next-generation transistor that’s based not on silicon but on a ribbon of graphene, a two-dimensional carbon material with the thickness of a single atom.

学術雑誌Nature Communicationsで今月発表されたように、フリードマン氏、ゲルファント氏と彼等の同僚研究員達は、シリコンベースではなく、単一原子厚の二次元炭素材、グラフェンのリボンをベースにした、次世代トランジスタを理論化しています。彼等の研究成果は、エレクトロニクス、計算速度、ビッグデータに多大な影響を及ぼすと、研究者は語ります。

高速計算へのニーズ

“If you want to continue to push technology forward, we need faster computers to be able to run bigger and better simulations for climate science, for space exploration, for Wall Street. To get there, we can’t rely on silicon transistors anymore,” said Gelfand, the director of the NanoBioPhotonics Laboratory at UCF.

”計算技術を今よりもさらに向上させようと思えば、我々は、気象科学、宇宙探索、ウォール街などで使われる、より巨大で高精度のシミュレーションを実行可能な、超高速コンピュータが必要です。それを達成するためには、我々は、シリコントランジスタに、これ以上頼り続けることはできません。”と、UCFナノバイオフォトニクスラボ所長ゲルファンド氏は語った。

電流の増減で磁場を制御

Researchers found that by applying a magnetic field to a graphene ribbon, they could change the resistance of current flowing through it. For this device, the magnetic field is controlled by increasing or decreasing the current through adjacent carbon nanotubes.

研究者達は、グラフェンリボンに磁場を印加することで、その中を流れる電流の抵抗を変えることが可能なことを発見しています。このデバイスに関しては、磁場は、隣接するカーボンナノチューブを流れる電流を増減することによって、コントロールされています。

Increasing or decreasing the strength of the magnetic field would also increase or decrease the flow of current through this new kind of transistor, much like a valve controlling the flow of water through a pipe.

磁場の強度を増減することは、パイプを通る水の流れを制御しているバルブに非常に良く似ている、この新しい種類のトランジスタを流れる電流の流れをも増減させる事になります。

CPUクロックがテラヘルツ

Transistors act as on and off switches. A series of transistors in different arrangements act as logic gates, allowing microprocessors to solve complex arithmetic and logic problems. But the speed of computer microprocessors that rely on silicon transistors has been relatively stagnant for years, with clock speeds mostly in the 3 to 4 gigahertz range.

トランジスタは、オン・オフスイッチの役目を果たしています。さまざまな配列の一連のトランジスタは、ロジックゲート(論理ゲート)として機能し、マイクロプロセッサが、複雑な計算問題と論理的問題を解くことを可能にしています。しかし、シリコントランジスタに依存しているコンピュータマイクロプロセッサの速度は、ここ数年間、クロック速度が、ほとんど3~4ギガヘルツの範囲に停滞してしまっています。一連のグラフェントランジスタをベースにしたカスケード論理回路が、従来のものより1000倍高速の、クロック速度がテラヘルツ領域に迫る飛躍的な速度向上をもたらしてくれる可能性があります。

They would also be smaller and substantially more efficient, allowing device-makers to shrink technology and squeeze in more functionality, Gelfand said.

それらは、より小型で大幅に高効率でもあるので、製造業者が、デバイスを縮小し、より多くの機能性を詰め込むことを可能にしてくれるでしょう。

あくまでも、論理的にテラヘルツCPUが可能であろうといった程度の段階なので、グラフェントランジスタを使った、テラヘルツ領域で動作するCPUが開発されるまで、まだまだ数十年かかるか、あるいは、最悪の場合、机上の空論で終わる可能性さえあります。こういった基礎研究は、ほとんどの場合、実用化につながる事がないので、あまり期待はしていません。