心臓発作の後で活性化されたT細胞が心臓を攻撃する仕組み

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心臓発作後の慢性炎症は、心不全や最悪の事態を招く可能性があります。アラバマ大学バーミンガム校の研究者達は、免疫系の炎症反応の一部である活性化されたT細胞が、そういった心不全を引き起こすのに必要十分である事を立証しています。Circulation: Heart Failure誌に掲載された研究が、心不全疾患メディエーターとしてのT細胞の重要な概念実証を提供しています。

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CD4+T細胞

Activated T-cells drive post-heart attack heart failure

二つの鍵となる実験が、恐らく、自己免疫といった形で、心筋を攻撃しているのだろうと推定されている、T細胞のこの必要十分な役割を明らかにしています。最初の鍵となる実験には、マウスモデルから活性化T細胞の特定のサブセットを取り除くことを含んでいました。CD4+T細胞に対する抗体を持ったネズミを、そのT細胞の一部を消耗させるための実験的な心臓発作から4週間後に処置する事が、未処置のネズミと比べ、心不全に至る進行性の異常な左心室肥大を抑止しています。2つ目の鍵となる実験が、心臓発作マウスから正常なマウスへの活性化T細胞を移植することの効果を明らかにしています。脾臓 CD4+ T-細胞が、心臓発作ドナーマウスからナイーブ受容マウス (未処置マウス) へ移植されると、それらは、心不全のホールマークである長期にわたる、左心室機能不全、左心室線維症、左心肥大を引き起しました。

これらの発見が、診療に役立てることができるかもしれません。”我々のデータが、明確な病期での特定の免疫細胞サブセットをターゲットにすることが、心不全を好転するための治療的な免疫修飾に対するより優れたアプローチを示している可能性があります。”

アメリカ国内で心臓発作を患う、ほぼ4分の1の人々が心不全を発症します。全般的に、心不全患者は、5年後生存率が50%です。つまり生存確率が50/50という事になります。

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脾臓免疫細胞が心臓を攻撃

The current research evolved out of an impactful 2013 paper that was named one of the five most outstanding papers in Circulation Research for the year. In Remodeling of the Mononuclear Phagocyte Network Underlies Chronic Inflammation and Disease Progression in Heart Failure: Critical Importance of the Cardiosplenic Axis, Prabhu and colleagues showed that immune cells that are stored in the spleen were intricately involved in the heart failure that follows a heart attack, or infarction, in a mouse-model system. The splenic immune cells that invaded the heart tissue included pro-inflammatory macrophages and dendritic cells.

現在の研究は、Circulation Researchにおいて、年間で最も傑出した5つの論文の1つに指名された、インパクトの強い2013年論文から発展しています。単核食細胞ネットワークのリモデリングが、心不全における慢性炎症と疾患進行の根底にある:心臓脾臓軸の決定的な重要性において、プラブフ氏と同僚等は、脾臓内にに貯蔵されている免疫細胞が、マウスモデル系において、心臓発作や心筋梗塞に続く心不全に複雑に関わっている事を明らかにしています。心臓組織に侵攻した脾臓免疫細胞は、炎症促進性のマクロファージや樹枝状細胞を含みます。

樹枝状細胞の主な機能が、T細胞に抗原を提示し、T細胞を活性化し、免疫応答を作動させることなので、研究者達は、心臓組織におけるT細胞活性化と、恐らく、T細胞によって引き起こされる心臓組織損傷が、リモデリングと呼ばれている、病的な心肥大の中心を成している可能性があることを疑っています。通常、心筋梗塞後の組織損傷への炎症反応(心臓発作後の筋肉組織破壊)は、2つの段階を踏みます。先ず、破壊された細胞を除去して、損傷部位を修復し始める有益な早期の急性炎症反応が存在します。次に、正常な回復において、急性炎症は消散して治癒過程が続きます。心不全の1つの問題が、心臓における、治療抵抗性、持続性炎症です。

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Tリンパ球細胞

T-lymphocyte cells are distinguished by surface markers. The group of T-cells that have CD4 contains many subsets that have specialized functions. These include pro-inflammatory T helper cells, or Th1, that produce interferon-γ and interleukin-2, or IL-2; anti-inflammatory Th2 cells that produce IL-4, IL-5 and IL-13; pro-inflammatory Th17 cells that secrete IL-17; and immunomodulatory regulatory T-cells, or Tregs, that globally suppress activation of immune responses.

Tリンパ球細胞は、表面マーカーによって識別されます。CD4を持つT細胞群は、特殊化した機能を持つ多くのサブセットを含んでいます。これには、インターフェロン-γとインターロイキン2(IL-2)を生産する炎症促進性ヘルパーT細胞(Th1)、IL-4, IL-5 and IL-13を生産する抗炎症性Th2細胞、IL-17を分泌する炎症促進性Th17細胞、包括的に免疫応答の活性化を抑制する免疫調節調整T細胞(制御性T細胞、Treg)を含んでいます。

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記憶T細胞

So the UAB researchers began to look for changes in subsets of T-cells over an eight-week period after heart attack. They found the CD4+ T-cells were globally expanded and activated during chronic ischemic heart failure, and that there was an expansion of memory T-cells in the spleen.

なので、UAB研究者達は、心臓発作後、8週間の期間にわたり、T細胞のサブセットにおける変化を調べることにしました。彼等は、慢性虚血性心不全の間、CD4+T細胞が大域的に広がり活性化され、脾臓内の記憶T細胞の拡大が存在することを発見しました。

In particular, they found significant expansion of CD3+CD8+ cytotoxic T-cells and CD3+CD4+ helper T-cells in circulating blood, as well as increased CD4+ subsets of Th1, Th2, Th17 and Treg cells, indicating a pro-inflammatory response. In the failing heart, they found increased CD8+ and CD4+ T-cells, and increased Th1, Th2, Th17 and Treg CD4+ subsets. They also found a marked reduction of the Th1/Th2 ratio, and an increased Th17/Treg ratio, as well as upregulation of the inflammatory Th2-type cytokines.

特に、彼等は、循環血液中において、CD3+CD8+細胞傷害性T細胞とCD3+CD4+ヘルパーT細胞の著しい拡大と、さらに、炎症促進反応を示すCD4+Th1, Th2, Th17, 制御性T細胞サブセットの増加を見出しています。心不全において、彼等は、CD8+T細胞とCD4+T細胞、Th1, Th2, Th17, Treg CD4+サブセットの増加を発見しています。また、彼等は、Th1/Th2比率の顕著な減少、Th17/Treg比率の増加、炎症性Th2タイプサイトカインの上方調節も発見しています。

In the spleen and mediastinal lymph nodes, they found significantly increased Th1, Th2, Th17 and Treg cells. The spleen showed increased expansion of antigen-experienced effector and memory CD4+ T-cells. Memory T-cells are the cells that become primed to mount a specific immune response when an antigen from a pathogen or injured tissue appears a second time. Memory cells are why vaccination is effective; however, in the case of heart failure, memory cells may be responsible for an ongoing capacity of T-cells to injure the heart.

脾臓と縦隔リンパ節において、彼等は、顕著に増加したTh1, Th2, Th17, Treg細胞を見出しています。脾臓は、抗原を経験したエフェクターと記憶CD4+T細胞のさらなる拡大を示していました。記憶T細胞は、病原菌や傷害組織の抗原が2度目に出現する時、特定免疫応答をマウントするようにプライムされた細胞です。記憶細胞は、予防接種が効果的な理由ですが、心不全の場合、記憶細胞が、T細胞に心臓を傷つける継続的能力を与えている可能性があります。

免疫細胞のT細胞が心臓を破壊し続けるとは皮肉なものです。免疫系が暴走して多種多様な疾患の原因になっていますが、健康を維持してくれている免疫機構が、健康を害するようになってしまうのは、何とも悲しいことです。国を守る軍隊が市民を攻撃するみたいなもんです。

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