トランプ政権で、バノンとトランプが目指すものとは?

トランプ大統領が、来年1月20日の就任式を以って晴れて誕生するわけですが、その前に12月19日に選挙人団による最終投票が控えていますが、すんなりトランプ氏が大統領に選出されます。トランプ氏が大統領に就任したら即やると公言していた、オバマ大統領の違法な大統領権限を全て無効化するかどうか、注目が集まっています。

トランプ氏がチーフ・ストラテジスト(首席戦略官)にスティーブ・バノン氏を選んだ事で、胸を撫で下ろしたトランプ支持者が多かったはずです。バノン氏がどういう人物か知りたい場合、パメラ・ゲラー女史と氏の関係を調べればよく分かります。

スティーブ・バノン

パメラ・ゲラー女史と氏が初めて出会ったのは、バノン氏が2011年に、2008年大統領選挙時の共和党副大統領候補、サラ・ペイリン元アラスカ州知事のドキュメンタリー映画を制作した時に、バノン氏がゲラー女史にその映画のスクリーニングを依頼したのがきっかけだったそうです(How Breitbart indulges and promotes anti-Muslim voices)。

その後、テキサス州ダラスで起こったある忌まわしい事件をきっかけにして、バノン氏とゲラー氏は、ある目標を目指して大きく動き出すわけですが、その流れの中にトランプ氏という救世主が現れた格好になります。そう考えると、トランプ大統領誕生はアメリカにとって必然だったのかもしれません。リベラルの破壊的破滅的政策でアメリカがcesspoolと化すのを黙って見過ごすことができなかった保守派と、衰退するアメリカを見るに耐えなかったトランプ氏の利害が一致し、トランプ大統領を可能にしたと一部で言われています。

バノン氏は愛国心がかなり強いので、アメリカファーストを標榜するトランプ氏にとって、これ以上ない選択だったと言えます。さらにトランプ氏、あるいは、マイク・ペンス氏がサラ・ペイリン氏やテッド・クルーズ氏をトランプ政権に加えれば、トランプ氏のアメリカファーストの本気ぶりを窺うことができます。

保守派達の一致した意見は、トランプ氏は腐敗しきったリベラルやリベラルメディアの誹謗中傷には一切屈しないだろうという事で、彼らは、バノン氏はトランプ氏、あるいはトランプ政権にはなくてはならない存在と言っていて、今後のバノン氏の動向にかなり注目しています。バノン氏は保守派に愛され、リベラルからは嫌悪されているみたいですが、日本人にとってどうなのかと言われると、良く分かりません。

サラ・ペイリン

前述のバノン氏がペイリン氏を崇拝するあまりに2011年に制作した、The Undefeatedはサラ・ペイリンのプロパガンダ映画として批判されましたが、この映画を見れば、氏がいかにペイリン氏を崇拝しているかが良く分かります。バノン氏だけではなく、トランプ氏もペイリン氏には一目置いている、あるいは崇拝しているので、ペイリン氏がトランプ政権に与える影響力は絶大なものになるだろうと一部で言われています。マイク・ペンス氏もペイリン氏を崇拝していて、さらに氏の大親友で、トランプ政権のAG(Attorney General、司法長官)候補、あるいは、連邦最高裁判事候補と目されているテッド・クルーズ氏もペイリン氏を崇拝しています。超保守派達にとって、ペイリン氏は希望の星で、ティーパーティー(茶会)運動の中心的存在でもあったので、当然なのですが、とにかく、マイク・ペンス氏、テッド・クルーズ氏、ジェフ・セッションズ氏、サラ・ペイリン氏、この4人がタッグを組めばトランプ政権は安泰な事だけは確かです。

トランプ氏とペイリン氏が去年の春先に、二人で共和党代表戦に出馬することをほのめかした時に、フォックスニュースのビル・オライリー氏が、二人もリアリティーテレビスターはいらないと言って、サラ・ペイリン氏と対立した時に、トランプ氏はペイリン氏を擁護をしましたが、その時の氏はかなりペイリン氏のことを高く買っていました。ペイリン氏は、この時のオライリー氏との対立が原因でフォックスニュースを解雇されたとも言われていますが、詳細はよく分かっていません。

何れにしても、バノン氏、トランプ氏、ペイリン氏は関係が相当深く、この3人を中心にしてトランプ政権は動いていくのではないでしょうか。または、ペンス氏を加えた4人を中心に動いていくとも言えます。バノン氏、ペンス氏は、ペイリン氏を崇拝しきっている事も忘れない方がいいかもしれません。さらに、突如として、トランプ政権の国務長官候補として名が挙がったニッキー・ヘイリー・サウスカロライナ州知事も、ペイリン氏のおかげで州知事になれたと言っても決して過言ではありません。当初はトランプ氏の筆頭副大統領候補と目されていた、ジョニ・アーンスト・アイオワ州選出上院議員も、ニッキー・ヘイリー氏同様、サラ・ペイリン氏の力で上院議員になれたので、サラ・ペイリン氏の影響力は相当大きく、氏はアメリカで最も過小評価されている政治家とも言われています。これはドナルド・トランプ氏がペイリン氏を評して言った言葉です。

テッド・クルーズ

テッド・クルーズ氏は、マイク・ペンス氏、ジェフ・セッションズ氏と大変仲がよく、さらにマイク・リー氏とも仲良しです。サラ・ペイリン氏の事を崇拝していて、ペイリン氏がトランプ氏を推薦した時はかなりショックが大きかったようです。これが、クルーズ氏の命運を決したとも言え、トランプ氏はペイリン氏を副大統領候補にする密約で、ペイリン氏の推薦を取り付けたと噂されていましたが、ペイリン氏家族のゴタゴタ等で、結局ペイリン氏は副大統領候補にはなれませんでしたが、結果論としては、それはそれで良かったのかもしれません。ペイリン氏から見放された事がクルーズ氏の敗因でもありました。

クルーズ氏が司法長官になるのか、連邦最高裁判事に推薦されるかどうかは分かりませんが、トランプ氏の懐刀と言われている、元キャンペーンマネージャーのケリーアン・コンウェイ氏は元々はクルーズ陣営でした。クルーズ勝利を最後まで信じていましたが、クルーズ氏が敗れた時はかなりくやしそうでした。なので、まさかトランプ陣営に寝返るとは思わなかったのですが、コンウェイ氏、あるいはペンス氏と、クルーズ氏とつながりの深い人物がトランプ氏を取り巻いているので、クルーズ氏が入閣するのは確実と目されています。

以上の事から、トランプ政権は、確実に超保守主義路線を突き進むだろうと思われ、議会との衝突が必至で、そのために、下院議長のポール・ライアン氏と大親友の、ラインス・プリーバスRNC委員長を議会との調整役として大統領首席補佐官に選んだと言われています。そこは抜け目がありません。さすがと褒められています。