細菌が人体の免疫防御の抜け穴を潜り抜ける仕組みを解明!

最近非常に話題というか問題になっているのが、なんちゃら耐性バクテリアとかいう厄介な細菌達です。抗生物質が効かない迷惑な細菌達が、最近やたらと幅を利かし始めているようです。ペニシリンが発明されてから結構な年月が経っているので、そろそろ新しい細菌に対する攻撃法を開発する必要が迫られているみたいな感じです。

やたらと抗生物質が投与され過ぎたことが今の耐性菌の根本原因らしいのですが、とは言っても、困った時の抗生物質頼みは今後も改められることはないみたいです。

Team discovers how bacteria exploit a chink in the body’s armor

特異な細菌酵素が、感染に対抗する人体の主要兵器を弱める仕組みをが発見されました。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校と英国のニューキャッスル大学の研究者達は、感染性微生物が、どうやって人体の免疫系による攻撃を生き延びているのかを研究しています。細菌防御を詳しく理解することで、現在治療に耐性がある感染症を治癒するための新しい戦略を考え出すことを可能にしてくれます。

PLOS Pathogens誌に掲載された研究論文は、人口の半分で見つかる、細菌黄色ブドウ球菌に焦点を当てています。健康な人達には問題ありませんが、この細菌はほぼ全身に感染する能力を有していて、その大部分の病原型は、所謂スーパーバグ (超強力細菌)メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、あるいは、MRSAと呼ばれています。

人体は、黄色ブドウ球菌のような細菌を退治するために、さまざまな種類の兵器を使います。人の免疫系はとても効果的で、感染を引き起こすほとんどの細菌を防御できますが、黄色ブドウ球菌等の病原菌は免疫反応を圧倒する方法を開発しています。

黄色ブドウ球菌は、人体の主要防御の1つ、細菌が非常に重要な栄養素を獲得することを妨げている、栄養免疫に打ち勝つことができます。それは、細菌酵素スーパーオキシドジスムターゼ(superoxide dismutase)、またはSODが必要とする金属であるマンガンを、黄色ブドウ球菌から枯渇させます。この酵素は盾として機能し、人体の兵器庫内にある別の武器である oxidative burst (酸化的破壊)からのダメージを最小限にしています。連携して、その二つのホスト兵器は、栄養免疫が細菌の盾を弱めることで酸化バーストが細菌を破壊することを可能にしている、ワンツーパンチとして通常機能しています。黄色ブドウ球菌は、特に、破壊的な感染症を引き起こすことに熟練しています。他の近縁種とは異なり、黄色ブドウ球菌は2つの SOD 酵素を所持しています。チームは、2つ目の SOD が、nutritional immunity (栄養免疫)に抵抗して病気を引き起こす、黄色ブドウ球菌の能力を高めている事を発見しました。

”この認識は、どちらのSODもマンガンを利用してるので、マンガン兵糧攻めで不活性化されるはずと考えられているので、エキサイティングであると同時に理解し難くもあります。”と、Kehl-Fie氏は言いました。

黄色ブドウ球菌酵素の双方が属している、最も一般的なSOD族は、2つの種類があると長い間考えられてきました。すなわち、その機能性をマンガンに依存している種類と、鉄に依存している種類の2種類です。

彼等の研究結果に照らして、チームは、2番目のブドウ球菌SODが鉄に依存しているかどうかをテストしてみました。驚いたことに、彼等は、酵素がどちらの金属も利用可能なことを発見しました。こういったcambialistic SODs(マンガンと鉄の両方が使えるSOD) の存在は、数十年前から提案されてはいましたが、この種の酵素の存在は、化学の特異行動で現実の生態系においては取るに足りないとして、ほとんど無視されてきました。チーム研究結果が、この考えを退け、二元金属結合 SOD が、感染症に決定的に大きく寄与していることを実証しています。

cambialistic SOD = 二元金属結合SOD、マンガンと鉄両方で活性化可能なSOD

チームは、人体によってマンガンを欠乏させらると、黄色ブドウ球菌が、自身の決定的に重要な細菌防御バリアが維持され続ける事を確保するために、マンガンの代わりに、鉄を使って二元金属結合SODを活性化させていることを発見しました。

”鉄・マンガン併用SODは、免疫防御を回避するための、この細菌の能力で非常に重要な役割を果たしています。”と、ワルドロン氏は言いました。”重要なのは、我々が似たような酵素が、他の病原菌にも存在している可能性があることを疑っているということです。なので、次世代抗菌治療用薬剤を使って、このシステムをターゲットにすることが可能になるかもしれません。”

MRSAなどの抗生物質耐性菌の出現と拡大は、そういった感染症を、治療することが不可能ではないにしても、ますます扱い難いものにしています。

この事は、疾病対策予防センターや世界保健機関などの主要な保健機関が、抗生物質に対する抵抗の脅威と戦うための新しいアプローチの差し迫った必要性を発表させるに至らせています。

最近も米国の女性がこのスーパーバグの犠牲になったという報道があったばかりですが(Woman Killed by a Superbug Resistant to Every Available Antibiotic)、人類を滅亡させられるのは、人間を除けば、ウィルスと細菌によるワンツーパンチだと言われているだけに、このなんちゃら耐性菌の存在は非常に不気味です。一刻も速い対処法の開発が求められています。鉄とマンガンの両方を同時に阻害できる栄養免疫法が開発されれば、このスーパーバグを撃退できるっぽいので期待は持てそうです。

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