ここに来てサンダース支持者の言動がかなり過激になってきています。民主党にとって危険な兆候が出始めていると先行きを危惧する声が高まっています。何故なら1968年のカオス的な党大会が再現されるのではないかと今から憂慮されているからです。彼等がシカゴでトランプの選挙演説を妨害して中止に追いやったことは記憶に新しいはずです。スローガンも”Feel the Bern”から”Bernie or Bust”に変わっています。民主党勝利の確率は限りなくゼロに近づきつつあります。最後の手段は共和党内のNeverTrump陣営がクルーズをサードパーティー候補者として担ぎ出すことですが、クルーズがOKするはずがないので、トランプ大統領誕生はほぼ確実な情勢になりつつあります(Ted Cruz For Third-Party Candidate? There Have Been Crazier Conspiracy Theories)。Mitt Romney (ミット・ロムニー)と Ben Sasse (ベン・サス)では役不足過ぎて、トランプに掠り傷すら付けられないだろうと言われています。トランプを止められるのはテッド・クルーズしかいないと見られています。恐らく、トランプはクルーズに最高裁判事の椅子を用意して彼を懐柔するだろうと思われます(Trump on considering Cruz for SCOTUS: ‘I’d have to think about it’)。
サンダース革命の健全性
バーニー・サンダースがトランプ以上(トランプとは比較にならない)の大衆扇動家だということが徐々に証明されつつあります。革命にカオスが付き物なのは自明の理ではあるのですが、党大会の荒れ方次第では、民主党の存亡に関わる重大な局面を迎えるかもしれません。サンダース支持者は非常に若いので、民主党の将来だと言われています。その民主党の未来を担うべきサンダース支持者達は、サンダースが民主党の指名候補になれないならば、選挙には行かないと言い出しています。そうなれば、トランプ勝利は不動のものとなるだけでなく、上院・下院共に共和党が過半数を維持することが濃厚となります。サンダース革命を楽観視していた民主党指導層(DNC)の責任は今後追求されていくだろうし、サンダースをヒラリーの副大統領候補に据えて事を収める可能性も出てきましたが、それでサンダースと彼の支持者達が納得するかどうかは、今の段階では何とも言えません。共和党のお家騒動どころではない、深刻な状況に民主党は追い込まれているのです。
怒りのサンダース支持者
The “Bernie or Bust” movement has grown now that Bernie Sanders’ supporters are outraged over the chaos at the Nevada Democratic Convention on Saturday. Despite having less support during the convention, Hillary Clinton was awarded more delegates. The decision caused Bernie supporters to become outraged as they believe the Nevada voters are victims of election suppression.
バーニー・サンダース支持者達が、ネバダ州民主党代表者会議で支持が少ないヒラリー・クリントンが勝者として宣言された事に怒り心頭となり、会場は一触即発の大混乱に陥った。選挙弾圧という表現まで飛び出し、もはや民主主義ではないという声まで噴出している。民主党は今危機的状況にあると言っていいかもしれません。トランプの高笑いが聞こえてきそうです。7月25日~28日にかけてフィラデルフィアで開催される民主党の党大会で、1968年のような事が起きれば、共和党の圧勝で11月の選挙を終えることになるだろうと言われています。サンダース支持者達の多くはは、anti-plutocracy (反富裕層、反金権政治)の立場から、ヒラリー・クリントンには絶対に投票しないと宣言しています。トランプ大統領誕生はもはや時間の問題と言えるのかもしれません。