心の健康:不安症、不安障害の新しい治療法

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不安障害は世界中で多くの人を苛んでいます。日本人は特に不安症(不安神経症)を抱える人が多いのではないでしょうか。日本社会は陰湿で排他的と言われているだけに、そこで生活する真面目で大人しい人達には非常に住み難い国になってしまっているためです。今の日本は正直者が馬鹿を見る社会になっています。やたら声がでかい、不誠実で貪欲で自己中な人間が幅を利かせていることで、この国は経済的、文化的に衰退の一途を辿っています。

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ネズミの恐怖心除去

A new angle on anxiety

finds that certain neurons in the hypothalamus play a central, previously unknown role in triggering anxiety. Targeting them, rather than the whole brain, could potentially provide a more effective treatment for anxiety and perhaps other psychiatric disorders,

「視床下部の特定ニューロンが不安を引き起こす、今まで知られていなかった中心的な役割を果たしていることを発見しています。脳全体ではなく、それらを対象にする事が、不安障害と恐らく他の精神障害のためのもっと効果的な治療法を提供するかもしれません。」

Experiments in mice showed that blocking the stress hormone corticotropin-releasing hormone (CRH) selectively in this group of neurons erased the animals’ natural fears. Mice with the deletion readily walked elevated gangplanks, explored brightly lit areas and approached novel objects — things normal mice avoid.

「ネズミにおける実験が、この一群のニューロンのストレスホルモン、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)を選択的に抑制する事が、生来の恐怖心を消す事を明らかにしました。欠失マウスは、高架渡り板を簡単に歩き、明るく照らされたエリアを探検し、普通のネズミが避ける、見たことのない新しい物体へ近付きました。」

ネズミの恐怖心を除去することに成功したみたいです。

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副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン

CRH, discovered nearly 40 years ago, coordinates our physical and behavioral stress response, often termed the “fight-or-flight” response. This response helps us survive in the face of threats, but when it is activated at the wrong time or too intensely, it can lead to anxiety and/or depression.

「ほぼ40年前に発見されたCRHは、しばしば攻撃・逃避反応と呼ばれる、人間の身体ストレスと行動ストレスに応答しています。この反応は、人間が危険(脅威、恐怖)を前にして生き延びる助けになっていますが、まずい時に(空気を読まずに)活性化されたり、過剰に活性化されると、不安症とうつ病を引き起こす原因になってしまいます。」

CRHによって闘争・逃走反応が制御されているらしいです。これのおかげで人間は危険を回避したり、あるいは、脅威から逃げ出すことができているみたいです。言い換えれば、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンは、臆病ホルモンとも言えるかもしれません。極度のビビリはこのホルモンが過剰に活性化されてしまうんでしょうね。

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CRH阻害薬

For this reason, several drug companies have developed CRH-blocking drugs as possible alternatives to SSRIs and benzodiazepines, which have side effects, for treating anxiety disorders. However, the results have been disappointing: of the eight completed phase II and III trials of CRH antagonists for depression or anxiety, six have been published, with largely negative findings,

「この理由から、いくつかの製薬会社は、不安症治療のために、副作用のある選択的セロトニン再取り込み阻害薬やベンゾジアゼピン系薬の代替選択肢として、CRH阻害薬を開発しています。しかし、成果は期待はずれで、鬱もしくは不安のためのCRH拮抗薬のフェーズ2と3試験を終えた8つのうちの6個が、おおむね陰性所見で発表されています。」

SSRIs = Selective Serotonin Reuptake Inhibitors

CRH阻害薬の開発が、現状では思うように進んでいないようです。

Zhang had a hunch that blocking CRH throughout the brain, as was done in the above drug trials, isn’t the best approach. “Blocking CRH receptors all over the brain doesn’t work,” she says. “We think the effects work against each other somehow. It may be that CRH has different effects depending on where in the brain it is produced.”

「Zhangは、上記の治験がやったような、CRHを脳全体で阻害することはベストなアプローチではないという気がしました。”脳全体でのCRH受容体阻害は機能しません。”と彼女は言っています。”私達は、どうもその効果がお互いに足を引っ張っていると考えています。CRHはそれが生産された脳の箇所によって、違った効果を持っているのかもしれません。”」

脳全体ではなく選択的な使用が必要だと示唆しています。

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選択的CRH阻害

Using genetic engineering, Zhang and her colleagues selectively removed the CRH gene from about 1,000 nerve cells in the hypothalamus of mice. (To do this, they used a genetic trick, knocking out the gene only in cells expressing another gene called SIM1.)

「遺伝子工学を使い、チャンと彼女の同僚達はネズミの視床下部の約1000個の神経細胞からCRHを選択的に除去しました。(これをするために、彼等はSIM1と呼ばれる別の遺伝子を発現する細胞の遺伝子だけをノックアウトする遺伝子トリックを使いました。)」

遺伝子技術の目覚ましい進歩には、ただただ驚かされるばかりです。

The targeted cells were in the paraventricular nucleus, an area of the hypothalamus known to control the release of stress hormones (such as cortisol). But to Zhang’s surprise, the loss of CRH in those cells affected not only hormone secretion, but also dramatically reduced anxiety behaviors (vigilance, suspicion, fear) in the mice.

「その標的になった細胞は、(コルチゾールなどの)ストレスホルモン放出をコントロールすることで知られている、視床下部のエリアである、視床下部傍室核に存在しました。しかし、驚いたことに、それらの細胞内のCRHの喪失は、ホルモン分泌だけではなく、劇的にネズミの不安行動(警戒、疑念、恐怖)にも影響を与えました。」

選択的なCRH阻害がネズミの不安をも取り除く事に成功したみたいです。

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視床下部傍室核

Another surprise was that CRH secreted in the paraventricular nucleus goes to more places in the brain than originally thought — including areas that control the behavioral stress response. “It was a total surprise to us that the locus of control is in a tiny part of the hypothalamus,”

「別の驚きは、視床下部傍室核で分泌されたCRHが、行動ストレス応答をコントロールしている領域を含んだ、当初考えられていたよりも多くの脳の箇所まで行き渡っていることでした。”制御部位が視床下部の極めて小さい部位にある事は完全な驚きでした。”」

視床下部傍室核で分泌されたCRHが不安やうつと密接に絡んでいるようです。

Majzoub acknowledges that blocking CRH production in just a subset of neurons would be technically challenging in humans. But if this could be done, it could be helpful for treating severe anxiety disorders or post-traumatic stress disorder (PTSD).

「Majzoubは、ほんの一部のニューロンのCRH産生を抑制することが、人間においては技術的に挑戦的であることは承知しています。しかし、これが達成できれば、重度の不安障害、あるいは、心的外傷後ストレス障害を治療するのに役立つ可能性があります。」

人間はネズミとは違うので、ピンポイントで視床下部傍室核のCRH分泌を抑制することは、現段階では技術的に不可能なようです。残念なことです。

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未来への足掛かり

“Blocking just certain neurons releasing CRH would be enough to alter behavior in a major way,” he says. “We don’t know how to do that, but at least we have a starting point.”

「”CRHを放出する特定ニューロンだけを阻害することが、行動を大きく変えるには十分足りています。”と彼は言っています。”我々は、どうやってこれを実現するのかは、まだ分かりませんが、少なくとも、出発点は持っています。”」

CRHの選択的、部分的阻害で不安障害が大きく改善されるだろうことは、ネズミを使った実験で既に証明されていますが、人間において、どうこれを実現するかは今のところ、その手段は全く分かっていません。ただゴールが分かっているだけに、出発点は既にあるわけで、ゴール目指して研究は続けるための足掛かりは確保されているので、不安障害で悩み、苦しんでいる人々にとっては朗報ではあります。そのためにも、こういった研究に国がどんどん資金を投入すべきだし、納税者にとっては何の益もないつまらん事に税金を浪費するのではなく、こういった医学の進歩に税金は使われるべきなのは言うまでもありません。

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