誰でも若い健康な肉体のままでいたいと思うはずです。ほとんどの人間が年齢とともに身体にガタが来るし、物覚えも悪くなり、皮膚もシワやシミが目立ち始め、加齢臭や老人臭が漂い始め、体力的な衰えにより動きが鈍くなり、脳の回転も鈍くなるので機転が利かなくなります。
女性は特に年はとりたくないはずです。女性にとっては時間は残酷としか言えないでしょう。もちろん、誰にとっても時間は残酷ではありますが、加齢による体と脳の衰えを少しでも遅らせることができれば、こんなに素晴らしい事はありません。
老化との戦い
Six new groups of molecules could be the key to delaying aging
Hearing loss, brittle bones, sagging skin, a deteriorating mind: these are just some of the issues associated with growing old. For millennia, humans have fought the process of aging using everything from fountains of youth to pricey face creams, all to no avail.
「難聴、脆い骨、たるんだ皮膚、衰退する知力(精神)、これらは、加齢による弊害のほんの一部の例に過ぎません。数千年間、人間は、不老の泉から高価な美顔用クリームまであらゆる物を使って老化と完全に無益な戦いを繰り返してきました。」
人類は過去数千年間老化という魔物と無駄な戦いを続けてきましたが、その無益な戦いは今後数千年間続いていきます。あるいは、人類は遂にその魔物に打ち勝つことができるようになるかもしれません。不死とまではいかなくても不老は可能なはずです。
植物エキス
…six previously identified plant extracts can delay aging by affecting different signalling pathways that set the pace of growing old.
「6個の過去に確認されている植物エキスが、老化のペースを決めている異なる信号経路に作用することで、老化を遅らせることが可能になる…」
He says that the potential of using these plant extracts for delaying the onset of age-related diseases is underscored by the fact that Health Canada classifies them as safe for human consumption. Five of them are recommended by the federal department as health-improving supplements with clinically proven benefits.
「彼は、加齢による病気の発症をおくらせるために、これらの植物エキスを使うことの可能性が、カナダ保健省がそれらを人間が摂取しても安全としている事実によって強調されていると言っています。それらのうちの5個は、臨床的に効果が証明されている健康増進サプリメントとして保健省によって推奨されています。」
セイヨウシロヤナギ樹皮
In the study, Titorenko and his co-authors confirmed that one extract is particularly effective: Salix alba, more commonly known as white willow bark, is the most potent aging-delaying pharmacological intervention yet described.
「研究の中で、Titorenkoと彼の共著者たちは、1個のエキスが特に効果的であると確証しました。西洋シロヤナギ樹皮としてもっとよく知られている、Salix albaが、今まで特定されている中で、最も効き目のある老化遅延の薬理学的介入です。」
西洋シロヤナギ樹皮エキスとか全く知りませんでしたが、ググると情報が結構出て来ますし、化粧品として売られてもいます。歴史あるエキスのようです。
イーストを使った実験
To make this identification, the researchers used yeast to test the effectiveness of the plant extracts. But why yeast? That’s because, at a cellular level, aging progresses similarly in yeast and humans. In both, the pace of aging is defined by a distinct set of chemical reactions arranged into several cascades. These cascades, which scientists call “signalling pathways,” regulate the rate of aging in a wide range of organisms.
「この検証をするために、研究者は、植物エキスの有効性をテストするためにイーストを使いました。でも何でイーストなの?それはね、細胞レベルでは、老化は、イーストと人間においては同じように進行するからなんだよ。どちらにおいても、老化のペースは、いくつかのカスケードへアレンジされた、独特な一連の化学反応によって規定されています。科学者がシグナル経路と呼んでいるこれらのカスケードは、幅広い生物の老化速度を制御しています。」
イーストで人間の老化が測れるとは、ショウジョウバエやネズミと言い、こういった動植物や酵母を使った基礎研究が科学では重要ということなんですね。
“It’s known that some of these signalling pathways delay aging if activated in response to certain nutrients or hormones,” he says. “These pathways are called ‘anti-aging’ or ‘pro-longevity’ pathways. Other signalling pathways speed up aging if activated in response to certain other nutrients or hormones. These pathways are called ‘pro-aging’ or ‘pro-death’ pathways.”
「”これらの信号経路のうちのいくつかは、特定の栄養素かホルモンに応答して活性化された場合、老化を遅らせることが知られています。”と彼は言っています。”これらの信号伝達経路は老化防止、または、寿命延長の経路と呼ばれています。他のシグナル経路は、特定の栄養素かホルモンに応答して活性化された場合、老化を促進します。これらの経路は、老化促進、または、短命の経路と呼ばれています。”」
寿命延長経路という物があったんですね。驚きです。この経路を活性化する事ができれば、人間の老化を遅らせることで、寿命を伸ばすことができるようです。
老化が原因の病気
“This study is an important step forward for science because these signaling pathways could eventually delay the onset and progression of chronic diseases associated with human aging,”
「この研究は、これらの信号経路が、人間の老化に関連している慢性疾患の発現と進行をいつかは遅らせる事ができる可能性があるので科学の重要な前進です。」
“These diseases include arthritis, diabetes, heart disease, kidney disease, liver dysfunction, stroke, neurodegenerative diseases like Parkinson’s, Alzheimer’s and Huntington’s diseases, and many forms of cancer.”
「これらの病気には、関節症、糖尿病、心臓病、腎臓病、肝機能障害、脳卒中、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病のような神経変性病、多くのがん種を含みます。」
年を取ると誰でも体が弱るので、病気に罹りやすくなります。なので、色々な病気を発症するようになり、年寄りは治りも遅く、予後に色々な問題を抱えることになります。そういう事もあって、少しでも老化の速度を遅延できれば、病気にも罹りにくくなります。それによって寿命も劇的に伸び、150歳、あるいは200歳まで元気なままで生きられるようになるかもしれないのです。やがてはそういう事が可能になるのでしょうが、それは数百年後、数千年後先の話であるのは言うまでもありません。非常に悲しい現実です。