慢心、環境の違い、ヒラリー氏は何故敗れたのか?

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最終的にヒラリー・クリントン氏は10ポイント近い差をつけて、ドナルド・トランプ氏に圧勝すると見られていました。フロリダ州やノースカロライナ州どころか、アリゾナ州やジョージア州もヒラリー氏が取るだろうと予想していた識者もいたほどです。それが蓋を開けてみれば、クリントン氏の敗北という大どんでん返しです。

クリントン氏の敗北の最大の要因は、いわゆる、Comey effect(コメイ効果)である事は間違いありませんが、その根本の原因を作った、ヒラリー・クリントン氏の腹心ヒューマ・アベディン女史の元夫アンソニー・ウェイナー氏の醜態こそが、今回トランプ大統領を誕生させたと言っても決して過言ではありません。

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トランプ氏勝利を分析

最高裁判事選出の問題から、保守派が土壇場でトランプ氏支持に回ったのが一番大きかったようです。特にウィスコンシンでのEvangelical Christian(福音主義キリスト教徒)のトランプ支持は大きかったと言えますが、ペンシルベニア州でのトランプ氏の勝利は本当に衝撃でした。ミシガン、オハイオ、ペンシルベニアの、いわゆる、rust belt(錆びた工業地帯)と呼ばれる、かつて栄えた工業地帯の、労働者階級による民主党政権への批判票が、今回の選挙で、トランプ氏に有利に働きました。

フロリダ州は、オバマ氏のキューバとの国交正常化が仇となりました。結局は、オバマケアを含めた、オバマ氏の国内政策、外交政策がクリントン氏にとって、大きな仇となってしまった事になります。オバマ氏を勝たせた黒人票を、クリントン氏が獲得できなかった事が一番大きいと言っている識者もいます。オバマ氏レベルの支持を得ることができていれば、ミシガン州とペンシルベニア州は勝てていたでしょうが、まさかペンシルベニア州でクリントン氏が敗れるとは誰も本気で思っていなかったはずです。

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頼みの女性票が伸び悩んだ

アメリカ史上初の女性大統領が誕生するはずでしたが、肝心の白人女性票が伸び悩んだのは意外としか言えません。やはり、コメイ効果が相当女性票を削った事は確かなようです。トランプ氏もクリントン氏も、信用に値しないと女性たちは考えたようですが、トランプ氏は、白人低学歴男性票でそれを取り返せましたが、クリントン氏は、マイノリティ票で取り返すことができなかったのが、あまりにも痛過ぎました。

女性の敵は女性と昔から言われているように、2008年の民主党予備選挙でクリントン氏を裏切ったのも女性でしたが、今回も裏切られた格好になります。もちろん、クリントン氏のEメール問題による信用失墜が、女性有権者を頑なにしたとも言え、身から出た錆でもあるのですが、女性大統領は女性の支持なしには有り得ないことが証明された形です。副大統領候補にエリザベス・ウォーレン氏を選んでいれば違っていたんでしょうが、クリントン氏のプライドがそれを許しませんでした。

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マイノリティー票

オバマ氏が2008年と2012年の大統領選挙で勝利した、フロリダ州とペンシルベニア州とミシガン州で勝てていれば、クリントン氏は大統領になれたのですが、まさか、その3つ全てに敗れる(ミシガン州はまだ分からない)とは、誰が予想できたでしょうか。ウィスコンシン州でトランプ氏が勝てたのも奇跡です。

黒人票が伸び悩んだのがクリントン氏の敗因と言われていますが、確かに、ミシガン州、ペンシルベニア州での敗北は黒人票が大きかったのですが、オバマ大統領が両選挙で勝利した、アイオワ、オハイオ、ウィスコンシンでの敗北は、Eメール問題を始めとした、クリントン氏に対する不信任が原因としか言えません。

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メディアとエリートの大嘘

メディアとエリート達が、ラテン系アメリカ人の支持なしには絶対に大統領になれないという大嘘が見事に覆されました。不法移民を合法化しないと大統領にはなれないという、こんなバカげた大嘘がまかり通っていたわけですから、アメリカ国民がいかに、メディアやエリートを信用してはいけないか、今回のトランプ氏の勝利が教えてくれています。

Ann Coulter(アン・コールター女史)が、Karl Rove(カール・ローブ氏)や他のメディアエリート達に対し、ヒスパニックの支持が無くても選挙に勝てると言った時に、その意見を一蹴されましたが、彼らは、共和党が大統領選挙に勝つには、不法移民の合法化が必要だと言い切っていました。今回そのエリートたちの戯言を嘲笑うかのように、トランプ氏が大統領に当選した訳ですから、コールター氏の高笑いが聞こえてきそうです。

トランプ氏の熱狂的な支持者が、反移民・反不法移民を掲げているのは有名ですが、クリントン氏のオープンボーダー発言や不法移民に対するフル・アムネスティーが、結局。国民に受け入れられなかった選挙でもあります。トランプ氏の反不法移民発言が、氏の大統領への野望を挫くと言われ続けていましたが、クリントン氏のアムネスティー発言が、大統領への野望を打ち砕いたかもしれません。

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ヒラリー氏に魅力がない

ヒラリー氏よりも、エリザベス・ウォーレン氏の方がはるかにミレニアル世代に人気があります。なので、この世代を活気付けるために、ウォーレン氏を副大統領候補にすべきと言われていたのですが、クリントン氏が、女性二人は問題があると思ったのか、氏の人気に嫉妬したのか、自分の影が薄くなると思ったのか、断られたのかは分かりませんが、何故か、最も華がない副大統領候補を選んでしまいました。

魅力のない人間が2人では、人間的魅力の塊である、トランプ氏に勝てるわけがありません。ウォーレン氏を副大統領候補にしていれば、選挙に勝てていたでしょうが、今となっては後の祭りです。ウォーレン氏が副大統領だった場合、ミニレアル世代の有権者は熱狂したし、女性票も取り込むことができました。そもそも、ウォーレン氏が出馬していたら、クリントン氏は代表戦に敗れていました。

フォックスニュースのビル・オライリー氏は、クリントン氏の慢心を心配していましたが、既に勝った気になっていた事が、今回の一番の敗因かもしれません。誰もがクリントン氏の圧勝を確信して、投票に行かなかったのではないかとも言われています。

何れにしても、慢心、副大統領候補選びの失敗、Eメール問題、プーチン/アサンジ介入、コメイ効果、Obama fatigue(オバマ疲れ)、ダイナスティ批判等、色々な理由が考えられますが、楽に勝てる選挙に負けたのは、戦略ミスとしか言えませんが、超皮肉なことに、クリントン氏は、popular vote(一般投票)では、1ポイント以上の差を付けて勝つと言われています。アルバート・ゴア氏のように、選挙制度に敗れたとも言えます。

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