behove (behoove)はbehaveの綴り違いではない

behoveなんていう単語は見たことも聞いたこともなかったので、生まれて初めてこの英単語を見た時に、即、頭によぎったのはbehaveという単語でした。これは、恐らく、behaveと書くところをbehoveと綴ミスを犯したんだろうなと、勝手に脳内変換していました。一応念のために辞書で調べたら、なんと、behoveなる単語が存在することに驚かされました。

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behove (behoove)

英語がbehoveで、米語がbehooveです。下記のニュース記事に出てきました。

America’s arrogance at the UN

Such blatant threats do not behove states that swear to respect democracy and the global order. US ambassador to the UN Nikki Haley’s comments were equally appalling and combative, as she said after the vote that the US “will remember this day in which it was singled out for attack in the UN General Assembly. …” Ms Haley appears to believe that the world community should either toe the American line, or suffer the consequences.

そんなあからさまな脅迫(恫喝)は、民主主義と国際秩序を尊重することを誓った国にふさわしくありません。投票後に、”アメリカは、国連総会で攻撃の的になったこの日を忘れないだろう”と言った、ニッキー・ヘイリー米国連大使の発言は、先の脅迫と同じように、嫌悪感を催させるあまりにも一方的な物言いでした。ヘイリー氏は、国際社会は、アメリカに追従(盲従)するか、追従しなかった報いを受けるかの二択しか無いと考えているように思えます。

この文章でbehoveは、ふさわしいといった意味で使われています。この文章は、トランプ大統領がアメリカ大使館をエルサレムに移すと言ったことに端を発した、アメリカを糾弾する国連決議のことを言っていますが、エルサレムがイスラエルの首都だというのは、トランプ氏が独断と偏見で勝手に決めたのではなく、The Jerusalem Embassy Act of 1995に基いた、米国大統領として当り前の行為であって、トランプ大統領が法に則って施行しただけのことです。

behoove

behooveをググると、behoveよりも多くヒットします。下記はその一例です。

In Iraq, IS remains a danger

Keeping American boots on the ground in a part of the world as unstable as Iraq is never an easy decision, but it behooves both Iraq and the U.S. to hammer out a deal. Iraq’s peace is desperately fragile. Shiite-led Baghdad continues to marginalize the country’s Sunni minority, leaving the nation vulnerable to a resurgence of Sunni-led militancy down the road. Islamist insurgencies have a way of lying low and flaring up when the time and circumstances are ripe.

イラクのような不安定地域にアメリカ地上軍を駐留させ続けることは、決して簡単な決断ではありませんが、イラク・アメリカ両国に協定を締結させるのには必要です。イラクの安定は絶望的に脆い状態にあります。シーア派主導の政権は、イラク国内の少数派であるスンニ派を軽視し続け、将来的に、スンニ派による再武装放棄の可能性を高めています。イスラム教過激派による反乱は、沈静化したように見えても、機が熟すと激化する傾向があります。

ここでは、behooveは、~するのに必要ですという意味で使われています。この他にも、義務があるとか、~しなければならないといった意味でも使われます。イラクから時期尚早に兵を引いたのは、オバマ政権の大失態でしたが、トランプ大統領が見事に尻拭いをしています。オバマ政権下で隆盛を極めたISISも、トランプ政権下では、1年足らずで風前の灯火です。

behoofの複数形behooves

behooveには、辞書によっては、~に有利である、~する値打ちがあるといった意味が書かれていますが、これについては、このサイトにかなり面白い物言いがあります。

Interestingly, behoof comes from the same Old English behōf or profit. It is a noun which means an benefit or gain. The mind jumps to this being the reason for the misuse of behoove, but there is no evidence that is the case.

面白いことに、behoof (利益)という単語は、同じ古英語であるbehōf、もしくは、profitに由来しています。behoofは名詞で、利得や利益を意味しています。このことが、behooveの誤用の理由になっているように思えますが、それを証明するための証拠は何もありません。

behooveが、有利である、のような意味で使われるのは、本来は誤用なのですが、あまりにも誤用が氾濫するあまり、その誤用が一般化したようです。behoofの複数形がbehoovesということを考えれば、その誤用も納得がいくというものです。あまりにも紛らわし過ぎます。

behooveの否定形は、ill behooveがformalで、does not behooveはinformalらしく、しかしながら、informalな方が広く使われていると嘆いています。