褐色脂肪とTRPM8/TRPP3が糖尿病と肥満の画期的治療法の鍵

The FASEB Journalにオンライン掲載された研究によると、研究者達が、代謝促進褐色脂肪組織(BAT、善玉脂肪)の量を、潜在的な治療標的としてBAT細胞の2つの受容体を使用することで増やす方法を発見したみたいです。TRPM8とTRPP3の両レセプターは、人のBATの生成と関連していて、ある種の食品によって活性化され、新しい薬を作り出す可能性を持っています。この事は、肥満、糖尿病、関連代謝異常の治療に対して重要な意義を持っています。

brown fat cell(褐色脂肪細胞)

Do BAT receptors hold the key to treating obesity and diabetes?

”我々の研究は、個人のエネルギー消費調節と血糖値を制御可能な物質を開発するための褐色脂肪生成に関わる創薬化可能な標的としてTRPM8とTRPP3の潜在力を証明しています。”と、スイスのチューリッヒ応用科学大学細胞生物学・再生医療センター生命科学・施設管理部門の研究者Michael Ragunath(マイケル・ラグナス)博士が言っています。”糖尿病患者と肥満の人々の数が爆発的に増加し続けている昨今、我々の研究が、褐色脂肪の非アドレナリン刺激薬の開発と褐色脂肪生理機能に作用する機能性食品の正確な評価に貢献する事を期待します。”

一過性受容体電位チャネル

To make this discovery, Ragunath and colleagues used two types of precursor cells from human donors: bone marrow stem cells (MSCs) and subcutaneous belly fat cells. They induced these cells to become white or brown fat, and in parallel cultures the cells were allowed to remain undifferentiated. All 27 TRP channels were analyzed during the process. Some TRPs were never expressed, some were constantly present, and some only during brown fat cell differentiation.

この発見のために、博士と同僚等は、ドナーから採取した、骨髄系幹細胞(MSCs)と腹部皮下脂肪細胞の2種類の前駆細胞を使いました。彼らは、この細胞が、白色脂肪か褐色脂肪になるように誘導し、並行して、未分化を維持し続ける細胞も培養しています。そのプロセスの間に全27種のTRP (Transient Receptor Potential:一過性受容器電位、一過性受容体電位)チャネルを分析しています。一部のTRPが、一度も発現していない一方で、幾つかは常に発現し、幾つかは褐色脂肪細胞に分化した時だけ発現したりしています。

TRPM8とTRPP3

TRPM8 and TRPP3 were present at high levels in differentiated brown fat, but not in progenitor cells. To investigate the role of TRPM8, they used specific activator or inhibitors, and found that stimulation of TRPM8 strongly supported browning, whereas presence of the inhibitors impeded it. The function of TRPP3 was tested by using genetic manipulation to eliminate its function, and this prevented the formation of brown fat, but not white fat.

TRPM8とTRPP3は、分化した褐色脂肪に高レベルで存在しますが、前駆細胞においては存在していません。TRPM8の役割を調査するために、彼らは、特定活性剤や阻害剤を使い、TRPM8の活性化が、強力に褐色化をサポートする一方で、阻害剤の存在がそれを妨げていることを発見しています。TRPP3の機能は、その機能を除去するための遺伝子操作を使って試験され、このことが、褐色細胞の形成を抑制する一方で、白色脂肪の形成は抑制しませんでした。

TRPM8 = Transient receptor potential cation channel subfamily M member 8 = 一過性受容器電位チャネルサブタイプM8

肥満はアメリカの国民病と言われ、糖尿病は日本の国民病と言われているので、肥満と糖尿病の治療や予防に役立つ可能性がある今回の研究は、両国にとって意義深いと言えます。健康的な食事や適度な運動、ストレス解消と快眠で、たいていの病気は予防できるみたいです。