ミトコンドリアカルシウム交換が心臓機能に非常に重要

科学者達は、細胞の発電所のミトコンドリアへのカルシウム輸送が、心仕事量(エネルギー生産による心臓のポンプ運動の程度)に関連している重要なシグナルであると、長い間考えてきています。テンプル大学ルイス・カッツ医学部(LKSOM)と他の研究機関での研究が、ストレスを受けている間のこの経路の重要性を明らかにしていますが、彼らは、ミトコンドリアカルシウム交換が、通常の心臓機能に必要不可欠であるという定説に疑問を呈しています。現在、重要な新発見により、LKSOMの研究者達は、ミトコンドリアからのカルシウムの放出が、心機能に重要な役割を果たしていて、心臓病を抑えるための強力な治療法になる可能性があります。

ミトコンドリア輸送体

Temple researchers uncover vital role for mitochondrial calcium exchange in heart function

Using a newly developed mutant mouse model, researchers led by John W. Elrod, PhD, Assistant Professor in the Center for Translational Medicine at LKSOM, and senior investigator on the new study, demonstrate that a mitochondrial transporter encoded by the gene Slc8b1 (referred to as the mitochondrial sodium-calcium exchanger, or NCLX) is necessary for proper heart function. Without NCLX, animals suffer sudden death. The study, published online April 26 by the journal Nature, is the first to look at the necessity of mitochondrial calcium efflux in living animals.

新たに開発された遺伝子操作マウスモデルを使い、UKSOMトランスレーショナル医療センターの助教授で、本新研究の主席研究員でもあるジョン・W・エルロッド博士に率いられた研究者達は、遺伝子Slc8b1(ミトコンドリア・ナトリウム・カルシウム交換輸送体、NCLX)によってエンコードされたミトコンドリア輸送体が、正常な心機能に必要不可欠であることを実証しています。NCLXがないと、動物は突然死します。4月26日にNature誌にオンライン掲載された本研究が、生体のミトコンドリアカルシウム流出の必要性に初めて注目しています。

ミトコンドリアカルシウム交換

Mitochondrial calcium exchange – the flow of calcium in and out of the energy-generating organelle – is fundamental to both cell death and pro-energetic signaling pathways. “We know from our previous work that the inhibition of calcium uptake results in a loss of stress response signaling in the heart,” Dr. Elrod explained. “We found that mitochondrial calcium uptake was required for the heart to beat harder in response to stress and that excessive mitochondrial calcium uptake could trigger the death of heart cells. But those same animals had normal heart function in the absence of stress, suggesting the existence of a separate homeostatic, basal mechanism of calcium signaling.”

ミトコンドリアカルシウム交換(エネルギー生成細胞小器官/オルガネラからのカルシウムの流出入)は、細胞死と活性化促進シグナリング経路の両方に必須です。”私達は、自分達の過去の研究から、カルシウム取り込みの阻害が、心臓のストレス反応シグナリングの喪失をもたらす事を知っています。”と、エルロッド博士は説明しています。”私達は、ミトコンドリアカルシウム取り込みは、心臓が、ストレスに反応して激しく鼓動するために必要である事と、過剰なミトコンドリアカルシウム取り込みが、心臓細胞死を引き起こす事を発見していますが、その同じ動物たちは、ストレスがない場合、正常な心臓機能を持ち、カルシウムシグナリングに関する、個別の恒常性維持基礎メカニズムが存在することを示唆しています。”

To circumvent possible alternative mitochondrial calcium uptake pathways, Dr. Elrod and colleagues developed a conditional knockout mouse model, in which the NCLX gene was deleted after treatment with the drug tamoxifen, enabling mice to reach adulthood before the knockout was induced.

潜在的な代替ミトコンドリアカルシウム取り込み経路を回避するために、エルロッド博士と同僚等は、NCLX遺伝子が、薬剤タモキシフェンを使って処理された後で消去された、条件付きのノックアウトマウスモデルを開発していて、ネズミたちが、そのノックアウトが誘発される前に成獣年齢に達するようにしています。

NCLXを消去する事で、我々は、ミトコンドリアカルシウム流出の必要性を判断できます。

ミトコンドリア膜透過性遷移孔

When the gene was switched off in adult mice, the animals began to suddenly die from massive heart failure. Examination of cardiomyocytes from the animals revealed swollen and dysfunctional mitochondria, a sign of mitochondrial permeability transition pore (MPTP) activation, a mechanism known to be activated by calcium overload and to induce cell death. By genetically inhibiting MPTP activation, the researchers were able to rescue the NCLX knockout mice from death and prove the essential nature of mitochondrial calcium exchange in the heart.

その遺伝子が成体マウスでオフされると、その動物は重篤な心不全で息絶えます。その動物から採取した心筋細胞の検査が、カルシウム過負荷によって活性化されて細胞死を誘導することで知られているメカニズム、ミトコンドリア膜透過性遷移孔(MPTP)活性化のサインである肥大した機能不全のミトコンドリアを明らかにしています。MPTP活性化を遺伝子学的に阻害することによって、研究者達は、NCLXノックアウトマウスを救命することができ、心臓におけるミトコンドリアカルシウム交換の本質的性質を立証する事ができました。

エルロッド博士と同僚たちは、その後、遺伝子操作を使って、ネズミの心臓のNCLX発現増加の影響を調べています。予想通り、NCLX過剰発現は、ミトコンドリアカルシウム流出を増加させました。それは、心臓発作を患ったネズミの細胞死を抑止もしていて、活性酸素種の生産を減少させて心不全の進行から動物を保護し、心筋細胞死と線維症(組織硬化)を抑えています。

NCLX標的化

”NCLXの標的化は、心筋細胞死の予防と、心不全の進行時に心機能を維持するのに非常に効果的です。”と、エルロッド博士は言っています。”我々の今回の新たな発見は、ミトコンドリアカルシウム流出が、心臓疾患状態の重症度を緩和してくれる可能性を持った、将来有望な治療標的である事を示唆しています。”

 Dr. Elrod plans to investigate NCLX activation further. Understanding its regulation at the molecular level could help identify additional mechanistic targets for the development of novel drug therapies.

エルロッド博士は、NCLX活性化をさらに調査する予定でいます。分子レベルでのそれの調節を理解する事が、新たな薬物療法開発用の付加的な機械的標的を同定する助けになります。

心臓病にカルシウム拮抗剤が有効なのが頷ける研究です。細胞中のミトコンドリアが、カルシウムを過剰に取り込むと、ミトコンドリアが逝ってしまい、逆に、ミトコンドリアからカルシウムが流出すると、心筋への負担を和らげることが可能なようです。NCLX活性化を増加させる薬物開発が、新たな心臓病治療に繋がるみたいです。心臓の健康維持は、人間にとって最も重要と言っても過言ではないので、心臓病患者には、かなり期待大な研究になっています。