小胞体とペルオキシソームをつなぐ分子のテザーが発見される!

科学者達が、ヒト細胞の異なるコンパートメント(または細胞小器官)が、相互に交信し合う仕組みの理解する上での、画期的な発見をしています。オルガネラは、細胞の機能単位です。体内の臓器のように、それらは、特化した働きを実行しています。細胞が生き残れるように、オルガネラは、互いに交信し合って、協働しなければなりません。細胞内でこの事がどのように仲介され、制御されているのかは、細胞生物学分野において、非常に重要かつ大変興味深い問題でもあります。

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オルガネラ同士の交流

Breakthrough by Exeter cell biologists

エクセター大学の研究者達は、2つの細胞オルガネラ、peroxisomes (ペルオキシソーム)とendoplasmic reticulum (小胞体:ER)が、分子レベルで互いに交流し合って、お互い一丸となって働いていることを現在発見しています。

この協力は、神経細胞が正常に機能するために欠かせない、細胞を酸化ダメージから保護している特定の脂質の生産にとって極めて重要です。ペルオキシソーム機能の損失は、発育障害や神経学的欠陥に関連した、一連の重大疾患や致命的疾患を引き起します。”ペルオキシソームとER間の密接な接触は、ultrastructural studies(微細構造研究)において、50年以上前に観測されていますが、そのmolecular mechanism(分子機序)は、今まで謎のままでした。”と、本研究論文の筆頭著者である、エクセター大学のマイケル・シュレーダー博士は言いました。

ultrastructural study = 超構造研究、超微細構造研究

分子のテザー(つなぎ鎖)

”これが、人において確認された、この2つの重要なcell compartments(細胞小器官)間の接触を仲介している、最初のmolecular tether(分子のテザー)です。”

今回の研究は、ACBD5と呼ばれるペルオキシソームのタンパク質が、VAPBと呼ばれる ER のたんぱく質と直に情報をやりとりしていることを明らかにしています。この相互やりとりは、オルガネラ双方をつなぎ合わせて、その2つの細胞小器官の間での脂質の移動を可能にしてくれています。

VAPBとACBD5間の相互作用が失われると、小胞体とペルオキシソームは、情報のやり取りができなくなり、この脂質移動が阻害されているように見えます。

ペルオキシソーム欠乏疾患

研究者たちは、ACBD5欠乏症を持つ患者が特定されて、peroxisomal defect(ペルオキシソーム異常)と関連付けされている、Academic Medical Center in Amsterdam (アムステルダム大学医療センター)の専門家と協働しています。

この患者は、脳と網膜に深刻なダメージを持ち、視力に影響を及ぼしていて、エクセターの研究と他の類似研究が、そういった症状の原因を突き止めて最終的に治療することが可能になるかどうかに必須であると、シュレーダー博士は言いました。

”もし、我々が、オルガネラ相互関係をもっと良く理解できれば、この知見を、神経変性、失明、糖尿病のような年齢に関係のある疾患にリンクされている、特定のストレスコンディションから細胞を保護するのにも利用できるかもしれません。”

ツェルウェーガースペクトラム障害

Zellweger Spectrum Disorders (ツェルウェーガースペクトラム障害)としても知られる、重症のペルオキシソーム病を患う人達が、たいてい、子供かヤングアダルトとして亡くなっていて、Zellweger UKと呼ばれる新しいチャリティーが、この病気への認識を高め、家族と患者をサポートするために存在しています。

Zellweger Spectrum Disorder = ゼルウィガースペクトラム障害

細胞小器官、小胞体とペルオキシソームが分子のテザーでつながり、それによってお互いに脂質のやりとりが可能になっていて、このやりとりが、何らかの原因で阻害されてしまうと、重大な疾患の原因になってしまうみたいです。子供にこのペルオキシソーム異常に関連する病気(ゼルウィガースペクトラム障害)が多いみたいなので、遺伝病のような気もしますが、この細胞小器官同士の相互作用のもっと詳細なメカニズムが解明されれば、そういった現在は絶望的な疾患も、将来的に治療が可能になるかもしれないというのは明るい希望でもあります。さらに、この事が、神経変性病や失明などの、加齢による重大障害に対しても、将来的に利用することができるかもしれないので、そういった症状に苦しむ人々に対しても、一縷の望みを与えることができる可能性があります。こういった、人を苦しみから解放してくれたり、健康を維持してくれる可能性がある研究は、人を破壊するための研究(軍事研究)よりも優先されて欲しいものですが、誰もがそう思っているのに、そうならないから不思議です。

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