Capital Controls: Hayek versus the IMF 資本規制:ハイエク vs. IMF

アメリカと日本の為替市場に対する認識の違いが話題となった週でもありますが、政府と中央銀行による為替市場への介入は許されるのか?という疑問に対しての答えはノーとしか言えません。もちろん、多くの国が為替介入(為替操作)をしているのは事実です。それは輸出立国にとってはmustな行為となっています。輸出が落ち込めば景気が悪化するからです。日本の場合は世界最大の債権国家なので、円安だと海外で得た配当や利子などを国内還流した時に非常に旨味が増します。さらに観光大国になろうとしている日本にとって円安はmustなのです。しかし、円安は8割の日本国民にとって、百害あって一利なしなのも事実です。2割の富裕国民をさらに富ませるために、その他の庶民を苦しめていいのかという問題です。2割の富裕層が豊かになってそれで国が豊かになったとしても、8割の国民に何の恩恵もなければ全く意味がないのです。我々は決して隷属への道を選ぶべきではありません。

資本規制、ハイエク 対 IMF

Capital Controls: Hayek versus the IMF
Authored by Steve H. Hanke of The Johns Hopkins University | zerohedge

With each financial crisis, politicians of all stripes go into overdrive. They busy themselves by ducking any examination of the policy blunders that created the crisis in the first place. A favorite tactic is to fan anti-market flames. Markets get a bum wrap, and a cascade of new laws and regulations ensue.

Par for the course, the Great Recession has served up a plethora of wrongheaded laws and regulations. Capital controls designed to throw sand in the gears of unrestricted capital flows are but one example. Even the International Monetary Fund (IMF) has climbed on this bandwagon.

「金融危機の度に、全政党の政治家達が暴走してしまいます。暴走政治家達は自分達の政策ミスがそもそも危機を作り出している事への反省を全くしません。必ず市場が悪いと焚き付けます。市場は役立たず扱いされ、新しい法律・規制が次々と作られていきます。当然、世界大不況は的外れの法律と規制を大量に生み出しました。自由な資本移動のギアに砂をかけるような(資本移動を妨害する)資本規制がその良い例でしょう。IMFでさえも、その政策に便乗してしまったのですから。」

Capital controls as a panacea for economic ills are nothing new. Their pedigree can be traced back to Plato, the father of statism. Inspired by Lycurgus, the tyrant of Sparta, Plato embraced the idea of an inconvertible currency as a means to preserve the autonomy of the state from outside interference. Before more people come under the spell of capital controls, they should reflect on the following passage from Friedrich Hayek’s 1944 classic, The Road to Serfdom:

“The extent of the control over all life that economic control confers is nowhere better illustrated than in the field of foreign exchanges. Nothing would at first seem to affect private life less than a state control of the dealings in foreign exchange, and most people will regard its introduction with complete indifference. Yet the experience of most Continental countries has taught thoughtful people to regard this step as the decisive advance on the path to totalitarianism and the suppression of individual liberty. It is, in fact, the complete delivery of the individual to the tyranny of the state, the final suppression of all means of escape — not merely for the rich but for everybody.”

「病んだ経済の万能薬としての資本規制は何も新しいことではありません。資本規制の起源は、国家主権主義の父、プラトンまで遡ることができます。スパルタの暴君、リュクルゴスに感銘を受けたプラトンは、他国の干渉から自国自治権を保護するための交換不能通貨という考えを賞賛しました。より多くの人達が資本規制の魔力に魅入られる前に、彼等は1944年のフリードリヒ・ハイエクの著名な、隷従への道、の以下の一節を熟考すべきです。”経済統制がもたらす全国民への規制の程度は、外為市場を見れば一目瞭然です。国家が外為規制したところで私生活には大した影響は無いと最初は誰もが思うだろうし、ほとんどの国民はそんな事には関心すら示さないでしょう。にもかかわらず、ほとんどの大陸諸国の経験が、思慮深い人達に対し、外為規制が全体主義と自由主義抑圧への決定的な前進である事を教えてくれています。経済統制は、間違いなく、富裕層だけではなく全ての国民から最後の逃げ道を奪い去り、個人を国家に隷従させてしまうのです。」

The imposition of capital controls leads to an instantaneous reduction in the wealth of the country, because all assets decline in value.

Full convertibility is the only guarantee that protects people’s rights to what belongs to them. Even if governments are not compelled by arguments on the grounds of freedom, the prospect of seeing every asset in the country suddenly lose value as a result of capital controls should give policymakers pause.

This brings us to China — a country with a maze of capital controls and an inconvertible currency. After years of twisting Beijing’s arm to remove controls, now the IMF is willing to turn a blind eye, and what is worse, to embrace “temporary” measures designed to further restrict capital flows.

The I.M.F has chosen the road to serfdom.

「資本規制の賦課は、全ての資産価値が減ずる事で瞬時に国富を減少させてしまいます。通貨の完全交換性だけが、国民の権利を保証するのです。例え政府が自由を論拠にした議論には束縛されないとしても、資本規制の結果として国の全ての資産の価値が突如失われるという可能性は、政策立案者にためらいを与えるべきなのです。この事は私たちに中国という、資本規制と交換不能通貨が複雑に絡まり合った国を思い起こさせます。規制解除の為に何年にもわたり北京に圧力をかけ続けてきたというのに、今になってIMFは喜んでそれには目をつぶり、それどころか、中国のさらなる資本移動の制限を意図する施策を、一時的にとは言え、快く受け入れてさえいます。IMFは隷従への道を選択してしまっているのです。」

中国は資本流出に苦しんでいる。それに対処するために1兆ドルを超える巨費を投じています。自由な資本移動は時として国家を経済破綻に導くことは1997年のアジア通貨危機で実証されています。厳格な資本規制・外為規制を断行したマレーシアだけが生き残り、IMFの言いなりになった、タイ、インドネシア、韓国は特に悲惨を極めました。ヘッジ・ファンドのような攻撃的で自己本位な投資家集団の存在は、自由市場を真っ向から否定しています。健全な市場原理などもはや存在しないのではないでしょうか。破壊的な市場原理主義者とそれを阻止する市場規制推進者との間の綱引きが行われており、市場が暴走した時に政府・中央銀行が介入するという今のシステムが一番理想なのは、言うまでもないのですが、資産バブルにどう対処するかが今後の課題となっています。日本の場合は、日経平均株価が過熱した時にどう対処するか、極端な円安にどう対処するか、不動産バブルにどう対処するかが課題だろうと思われます。株安、円高には対処し易くても、株高、円安は国是でもあるだけに、資産バブルへの対応の遅れは過去のバブル崩壊の二の舞を演じかねません。日本は通貨安になっても資本流出に苦しまない珍しい国なのです。日本が世界最大の債権国という事もありますが(2015年の第1次所得収支の黒字額が21兆円近い)、円がスイス・フランと並ぶ”safe haven currency“(安全通貨)でもあり、それ故に、世界経済危機が起こる度に、極端な資本流入による大幅な円高が起こり、輸出企業を苦しめるという悪循環に陥ってしまいます。円安による資産価値減少に苦しむ8割の下級国民に対し、円安で潤う2割の上級国民からの富の再配分を行うことが、今後の日本経済復活のカギを握っていると言えます。世帯収入300万円以下世帯は完全無税、医療費負担1割、保険・年金免除か大幅減額ぐらいの事を最低限実行する必要があるかと思います。ワープア世帯よりも生活保護世帯の方が遥かに優遇されている現状は明らかに異常だし、そもそも働いたら負けという社会に未来がある訳がありません。勤労が報われる社会づくりが急務なのです。