トランプ氏はやはりヒラリー氏を大統領にしたい!?

トランプ氏は本当に大統領になる気があるのか疑わしくなってきています。そもそもクリントン女史を大統領にするために共和党から立候補したという説まであるぐらいなので、ここに来てその説の信憑性が改めて問われようとしています。トランプ氏の目的はヒラリー氏を大統領にする事なのかを検証してみます。

トランプ氏は決して世間で言われている程、無能な馬鹿ではありません。全くその逆で、かなり有能なビジネスマンであることだけは確かです。病的にエゴイストでナルシシストと言われていますが、氏をよく知る人はそんな事は絶対にないと断言しています。なので、一部のアナリストが言うように、エゴがあまりにも強すぎて、自分のキャンペーンを破壊しているというのは的外れなような気もします。

大統領よりもエゴが優先

大統領になることよりもエゴを優先させるなんていう事が、果たして有り得るのか、それが問題です。ペギーヌーナンはウォール・ストリート・ジャーナル誌に、ドナルド・トランプ氏があたかも普通でないようなことを書いています(Imagine a Sane Donald Trump)。

Look, he’s a nut and you know he’s a nut. I go to battleground states and talk to anyone, everyone. They all know Donald Trump’s a nut. Some will vote for him anyway. Many are in madman-versus-criminal mode, living with (or making) their final decision. They got the blues. Everyone does. They’re worried about the whole edifice: If this is where we are, where are we going?

「いいですか、彼は普通ではありません、そしてあなたは彼がおかしいのを知っています。私は、激戦区へ行っていろんな人と話をします。彼等は皆、ドナルド・トランプがまともではないことを承知しています。多くは異常者vs犯罪者モードで、既にどっちに投票しているか決め込んでいるか、あるいは決め兼ねています。彼等は憂鬱です。誰でもそうなります。彼等はその体系全体について心配しています。もしこれが私達の現状だとしたら、これから一体どうなってしまうのでしょうか?」

クリントン氏が犯罪者というのは仕方がないとしても、トランプ氏を狂人扱いはあまりにも酷いような気がします。まず、彼が本当に狂っていたら、さすがに1500万人近い共和党員(3割は民主党工作員と実しやかに言われていますが)が、トランプ氏に投票しなかったはずです。ヌーナンはトランプ氏に投票した人たちのことも馬鹿にしていることになります。メディアの中の人達の、その醜悪なエリート意識が、トランプ氏を生み出した元凶の一部でもあると言っても過言ではないのですが、彼等はそのことには、永久に気付かないでしょう。

トランプ氏はエゴは強いかもしれませんが、大統領の椅子をふいにするぐらいエゴが強いとは思えません。エゴが強いふりをして、わざと負けようとしているとしか思えません。トランプ氏がエゴを捨てて、政策論争に徹底していれば、トランプ氏は大統領になれていたし、そうしなかったのは、やはり大統領になる気がなかったからだとしか思えません。まぁ、もちろん、まだトランプ氏が負けたわけではないので、何とも言えませんが、わざと負ける方向へ動いているので、負けたも同然です。

トランプ氏はクリントン氏に勝たせたい

トランプ氏の娘のイヴァンカさんとクリントン氏の娘のチェルシーさんが大の仲良しなのは周知の事実ですが、クリントン家とトランプ家の関係は結構深いので、トランプ氏が民主党のトロイの木馬の可能性は捨て切れません。トランプ氏はただ負けようとしているのではなく、共和党に大敗北をもたらしたい、共和党を破壊したいという、行動原理で動いているように見えます。ヒラリー氏圧勝で、民主党が上院・下院の両院の過半数を獲得すれば、民主党は最初の2年間でやりたい放題できます。

連邦最高裁もリベラルになるので、もはやクリントン女史を誰も止められません。恐らく、最初の2年間で、1000万~1500万人いると言われている不法移民を合法化します。富裕層への大増税も待ったなしです。中東からの難民受け入れも、今の10倍以上に増える可能性があります。アメリカ人がそこまでの負担に耐え切れるのかという問題もありますが、経済的にも社会的にも大変な事になることだけは確かです。

トランプ氏が本当に勝つ気があれば、この3点を徹底的に論点にすればいいだけで、今のアメリカに1000万人以上の不法移民を合法化する経済的社会的余裕もないし、増税の前に歳出削減すべきだし、難民受け入れもリスクが大き過ぎる、これを有権者に訴え続ければ勝機が見えてくるのですが、やっていることが個人批判ではどうしょうもありません。

何故トランプ氏が代表候補なのか?

今年は黙っていても共和党大統領が誕生する年と言われていました。クリントン氏のEメール問題で、なおさら共和党候補が有利になっていました。なのに、共和党が歴史的な大敗を喫しつつあると言われています。共和党に多大な影響力を持つ、ラッシュ・リンボー氏は、今年はスコット・ウォーカー知事とマルコ・ルビオ上院議員のコンビで、クリントン氏を破ることができるような事を言っていましたが、その2人が共和党の大統領・副大統領候補なら、今年は共和党の圧勝の年になっていました。ウォーカー知事は、ウィスコンシン州という民主党寄りの州で、3年間で4度の選挙に勝ったわけですから当然です。

ウォーカー知事という安牌を捨てて、トランプ氏という危険な賭けに出たのは、結局は移民問題絡みなのですが、トランプ氏でなければ誰が大統領候補になっても一緒という空気が流れてしまい、それによって勝てる勝負に負けようとしています。ただ負けるだけではなく、大敗北を喫しようとしています。最も、トランプ氏に投票したのは、3割が民主党工作員で、3割が共和党解体を望んでいたので、こうなるのも当然なのですが、トランプ氏に投票した残り4割の共和党員は後悔することになりそうです。

トランプ氏がわざと負けようとしているのか、彼のエゴがそうさせているのかは誰にも分かりませんが、少なくとも、トランプ氏はおかしくないし、馬鹿でもありません。年齢的な問題という声もありますが、年齢の割には若いです。アドバイサー、コメンテーター、キャンペーンマネージャーなどの氏の取り巻きの誰もが、トランプ氏に政策論争に徹底するように助言していますが、どうしても個人攻撃に走ってしまうのは、クリントン氏と民主党を大勝させるためなのか、病的なエゴがそうさせてしまうのか、どっちにしても、共和党候補者達にとっては、とんだ災難としか言えません。あるいは身から出た錆なのかもしれません。