心臓の健康:ボリビアのチマネ族は世界で最も血管年齢が若い!

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The Lancet誌に掲載され、米国心臓病学会議でプレゼンされた研究によると、ボリビアアマゾンに住む採食者で園芸家集団のTsimane people(チマネ族の人々)は、現在までに報告されているあらゆる集団の中で血管年齢が最も若く、住民内の冠状動脈硬化症(動脈が硬くなる)が、アメリカ国内より5倍少ないという事です。研究者達は、必要最低限の食事の欠損(飽食)や現代社会のライフスタイル(不健康な生活習慣)は、心臓病の新しいリスク因子として分類されてもよいかもしれないと提案しています。現在の心臓病の主要なリスク因子は、年齢、喫煙、高コレステロール、高血圧、運動不足、肥満、糖尿病になっています。

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チマネ族のダイエット

The Lancet: Indigenous South American group has healthiest arteries of all populations yet studied, providing clues to healthy lifestyle

”我々の研究は、南米の原住民チマネ族が、今まで調査されている全ての集団の中で、冠動脈硬化症罹患率が最も低い事を明らかにしています。”と、上席人類学著者でニューメキシコ大学のヒラード・カプラン教授は言いました。”彼らのライフスタイルは、ジビエや魚、非喫煙、一日中活動的な事に加えて、低飽和脂肪で未加工の食物繊維が豊富な炭水化物が多い食事が、心臓動脈が硬くなるのを防げることを示唆しています。過食・飽食や生活習慣が、血管老化の新しいリスクファクターとして分類され得、我々は、この生活様式のコンポーネントが、現代の分銅不足人口に利益を与えることができると考えています。”1

先住民族チマネ族の生活習慣は、現代社会のそれとはかけ離れてはいるのですが、それの特定の要素は現代人にも適用可能で、心臓病リスクを減少させる手助けをすることができます。

工業人口が、起きている時間(54%)の半分以上を座りっぱで過ごす一方で、チマネ族は、日中のたった1割を不活発に過ごしています。彼らは、狩猟、採集、魚捕り、農耕を含む必要最低限の生き方をしていて、男は1日平均6時間~7時間、女性は4~6時間を活発に過ごします。

Their diet is largely carbohydrate-based (72%) and includes non-processed carbohydrates which are high in fibre such as rice, plantain, manioc, corn, nuts and fruits. Protein constitutes 14% of their diet and comes from animal meat. The diet is very low in fat with fat compromising only 14% of the diet – equivalent to an estimated 38 grams of fat each day, including 11g saturated fat and no trans fats. In addition, smoking was rare in the population.

彼らの食事は、主に炭水化物(72%)をベースにしていて、米、オオバコ、キャッサバ、トウモロコシ、ナッツ、フルーツ等の食物繊維の豊富な未加工炭水化物を含んでいます。タンパク質は彼らのダイエットの14%を占めていて、動物の肉に由来しています。彼らの食事は脂肪分がたったの14%(1日推定38gの脂肪に相当していて無トランス脂肪)しかなく非常に低脂肪です。

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チマネ族の心臓健康診断

今回の観察研究の中で、研究者達は、2014年~2015年の間、85のチマネ族の村を訪れています。彼らは、体重、年齢、心拍数、血圧、コレステロール値、血糖値、炎症を測定することに加えて、冠状動脈の硬化度を測るために、705人の成人(40歳~94歳)の心臓のCTスキャンを取ることで、調査参加者達の心臓病リスクを測定しています。

CTスキャンによると、10人中ほぼ9人のチマネ族の人々(705人中596人、85%)が、心臓病リスクが全くなく、89人(13%)が低リスクで、中程度か高リスクは、たったの20人(3%)しかいませんでした。こういった発見は、高齢者にも見受けられ、75歳以上の人々のうちのほぼ3分の2(65%、8人中31人)が、ほとんどノーリスクで、8%(48人中4人)が中程度か高いリスクを有していました。こういった調査結果は、それまで記録に残っている全ての人口集団の血管老化に関するデータの中で報告されている最も低いレベルでした。

ちなみに、6814人(45歳~84歳)のアメリカ人を対象にした研究が、わずか14%のアメリカ人だけが、CTスキャンが心臓病リスクがないことを示していて、半分(50%)が中程度か高リスクを示唆していました(チマネ族の集団に比べた場合、5倍高い罹患率)。

チマネ族人口の心拍数、血圧、コレステロール値、血糖値は、恐らく、彼らのライフスタイルの結果として全て低目でした。研究者は、冠状動脈硬化症の低リスクは、チマネ族人口(705人中360人、51%)の半分で、高目の炎症レベルが存在しているにもかかわらず同定されていることについても同時に言及しています。

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チマネ族は心臓が健康

“Conventional thinking is that inflammation increases the risk of heart disease,” said Professor Randall Thompson, cardiologist at Saint Luke’s Mid America Heart Institute, USA. “However, the inflammation common to the Tsimane was not associated with increased risk of heart disease, and may instead be the result of high rates of infections.” 2

”従来の考えでは、炎症が心臓病リスクを増加させるという事でした。”と、聖ルカ病院中部アメリカ心臓研究所の心臓病専門医ランドール・トンプソン教授は言いました。”しかし、チマネ族に共通している炎症は、心臓病に対するリスク増加には関連してはいませんでしたし、それよりむしろ、感染症の高い感染率の結果なのかもしれません。”

今回の調査は観察に基づいているので、チマネ族人口が、血管劣化から保護されている仕組みや、彼らのライフスタイル(食事、身体活動、喫煙)のどの部分が最も保護効果があるのかを確定することは不可能です。研究者達は、チマネ族の心臓保護特性が、遺伝的なものによるというよりはむしろ、彼らの生活習慣の急激な変化とコレステロール値の漸増が同時に起こっていることから、彼らの生活様式の結果の可能性が強いことを示唆しています。

“Over the last five years, new roads and the introduction of motorised canoes have dramatically increased access to the nearby market town to buy sugar and cooking oil,” said Dr Ben Trumble, Arizona State University, USA. “This is ushering in major economic and nutritional changes for the Tsimane people.” 3

”過去5年間にわたり、新しい道路や原動機付きカヌーの紹介が、砂糖や食用油を近くの市場に買い出しにいくためのアクセスを劇的に増やしています。”と、アリゾナ州立大学のベン・トランブル博士は語る。”この事が、チマネ族の人々の経済・栄養を大幅に変えています。”

The researchers did not study whether coronary artery hardening in the Tsimane population impacted on their health, but note that deaths from heart attacks are very uncommon in the population so it is likely that their low levels of atherosclerosis and heart disease are associated. The researchers are investigating this in further research.

研究者達は、チマネ族人口における冠動脈硬化が、彼らの健康に影響を与えているのかどうかは調査しませんでしたが、その集団における致命的な心臓発作が非常に珍しいことから、彼らの低水準のアテローム性動脈硬化と心臓病が関係している可能性を指摘しています。研究者たちは、追加的な調査の中で、このことを詳しく調べている最中です。

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チマネ族の生活習慣を見習う

“This study suggests that coronary atherosclerosis could be avoided if people adopted some elements of the Tsimane lifestyle, such as keeping their LDL cholesterol, blood pressure and blood sugar very low, not smoking and being physically active,” said senior cardiology author Dr Gregory S. Thomas, Long Beach Memorial Medical Centre, USA. “Most of the Tsimane are able to live their entire life without developing any coronary atherosclerosis. This has never been seen in any prior research. While difficult to achieve in the industrialized world, we can adopt some aspects of their lifestyle to potentially forestall a condition we thought would eventually effect almost all of us.” 4

”今回の調査は、もし、人々が、LDLコレステロール、血圧、血統値を非常に低目に維持、非喫煙、体をよく動かす等の、チマネ族の生活習慣のいくつかの要素を、自身の生活習慣の中に組み込めれば、冠状動脈硬化症が回避できることを示唆しています。”と、上席心臓病学著者でロングビーチメモリアルメディカルセンターのグレゴリー・S・トーマス博士は語る。”チマネ族のほとんどが、冠動脈硬化症を全く患うことなく生涯を全うできます。この事は、過去のどの調査においても明らかにはされていませんでした。工業世界でこの事を実現することは非常に困難ではあるのですが、我々は、ほぼ全ての人間に対して最終的に影響を与えると考えられる症状を未然に防ぐ可能性がある彼らの生活習慣のいくつかの側面を採用できるはずです。”

Long Beach Memorial Medical Center = ロングビーチメモリアル医療センター

5 Quote direct from author and cannot be found in the text of the Article.

食事と運動が心臓の健康には非常に重要みたいです。不健康な生活を控えることは、心臓の健康だけではなく、あらゆる健康維持に必須です。特に喫煙は百害あって一利無しだし、周りの人間にも害になるので、自宅以外の公共の場では全面禁止されるべきだし、国や企業も喫煙者は雇わない等の措置を講じる必要があります。少なくとも飲食店は全面禁煙にすべきです。

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