人からファブられると自らが他者をファブるようになる負のループ

その買うを、もっとハッピーに。|ハピタス

自分よりも電話を優先された(ファブられた)人達が、自分達もスマホやSNSを優先するようになることをベイラー大学ハンカマービジネススクールによる新たな研究が明らかにしています。ファビング(連れ合いよりも携帯機器を優先する行為)が人間関係を台無しにし、鬱症状を引き起こす可能性がある彼等の過去の研究を足掛かりに、研究者達はファビングの被害者達が、自分達もネットの仮想現実社会に逃避して、他者をファビングするようになることで悪循環の環を意図することなく、ほぼ完成させてしまうことを見出しています。

スマホ:phubbing (ファビング)は相当深刻な社会問題
phubbing (ファビング)が世界的に大問題となっているようです。自分はスマホを持っていないのでスマホには全く関心がないのですが、ニュースサイトを漁っていたらこの見慣れないphubbingという英単語を見かけたので気になって記事を読んでみた次第です。そもそもファビングって何ぞや?という人も多いかと思います。ファビングとは、あまりにもスマホのことが気になり過ぎてリアルなコミュニケーションを阻害してしまう現象を言うようです。
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ファブられた孤独感は半端ない

People ‘phone snubbed’ by others often turn to phones, social media for acceptance, Baylor study

Their study, “Phubbed and Alone: Phone Snubbing, Social Exclusion, and Attachment to Social Media,” is published in the Journal of the Association for Consumer Research. The research investigates the relationship between phubbing, social media attachment, depression, anxiety and stress.

彼等の研究、”ファブられて独り:フォン肘鉄、社会的疎外、ソーシャルメディアへの現実逃避”が、Journal of the Association for Consumer Researchに掲載されています。本研究は、ファビング、SNSへの逃避、うつ、不安、ストレスの関係を調査しています。

“When an individual is phubbed, he/she feels socially excluded, which leads to an increased need for attention. Instead of turning to face-to-face interaction to restore a sense of inclusion, study participants turned to social media to regain a sense of belonging,” said David, lead author of the study. “Being phubbed was also found to undermine an individual’s psychological well-being. Phubbed individuals reported higher levels of stress and depression.”

”人はファブられると、社会的に疎外されたように感じ、誰かに振り向いてもらいたいという欲求が増大します。仲間意識を取り戻すために、対面でのやり取りに頼るのではなく、研究参加者達は、所属意識を取り戻すために、ソーシャルメディアに救いを求めています。”と、本研究筆頭著者デイヴィッド氏は語った。”ファブられる事が、個人の心理的幸福感を蝕む事も明らかにされています。ファブられた人達は、より深刻なストレスと憂鬱感を訴えています。”

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ファブられて現実逃避

“We’re looking online for what we’re not getting offline,” Roberts said. “It’s a vicious cycle.”

”私達は、オフライン(実社会)で得られない物を、オンライン(ネット社会)に探し求めようと試みます。それは悪循環としか言えません。”と、ロバーツ氏は言いました。

つまり、実社会でファブられたことで、オフラインへ現実逃避し、そのことで、今度は自分が他の人をファブってしまうという悪循環に陥ってしまうということです。友達同士で食事に来ているのにもかかわらず、全員が一言も喋ることなく、黙々とスマホに没頭している姿を見かけると、このファビングが深刻な問題であることが分かります。

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サーベイの結果

彼等の研究の一環として、デイヴィッド氏とロバーツ氏は、2つの研究にわたって、330人以上の人々をサーベイしています。その調査で、彼等は以下のことを発見しています。

  • ファブられた人達のほぼ半数が、毎日1.5時間以上スマホを使っていると報告しています。それに加えて、ファブられた人の4分の1が、毎日90分以上SNSを利用していると言っています。
  • ファブられた人の3分の1以上が、彼等が、新しい人々と交流を持つために、SNSを利用していることを示唆しています。
  • ファブられたと訴えている人達の半数以上が、ソーシャルメディアが、自分達の人生を豊かにし、彼等の人生をより良くしていると指摘しています。過半数が、自身のソーシャルメディアの人々のコメントが、自分達を、肯定してくれて、より受け入れられていると感じさせてくれると報告しています。
孤独感が人を自己中にし、身勝手さが人を孤独にする負のループ
10年以上にわたって行われた研究が、孤独感が身勝手さを増し、程度はそれよりは低いのですが、その身勝手さが同時に孤独感を増していることを示唆しています。シカゴ大学の研究者等によるこの発見が、そういった資質が、この2つの習性の間に正のフィードバック・ループを作り出していることを示しています。つまり、孤独感が増すと身勝手さが増し、その事が翻って孤独感をさらに増してしまうという、悪循環を形成してしまうことになります。
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テクノロジーが人を不幸にする

“Although the stated purpose of technology like smartphones is to help us connect with others, in this particular instance, it does not,” David said. “Ironically, the very technology that was designed to bring humans closer together has isolated us from these very same people.”

”スマートフォンのようなテクノロジーの売り文句は、我々が、他者とつながることを手助けすることなのですが、この特定の場合に限っては、そうなってはいません。皮肉な事に、人の絆を深めるようにデザインされた、まさにその技術が、私たちを、こういった全く同じ人々から隔離してしまっています。”

例えば、車も馬鹿が運転すれば凶器になるように、テクノロジーはそれを使う人間によって文明の利器にもなれば凶器にもなります。あるいは、人を狂気にさえ変えてしまいます。アメリカで、サンクスギビング(感謝祭)に家族が勢揃いしているのに、全員スマホに没頭しているという洒落にならないCMがありましたが、大切にしなくてはいけない近しい人達とは疎遠になり、どうでもいい人間達とネットで交流するという、本末転倒な事態に陥ってしまっています。

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